第十一話:謎狩人
今期のアニメの『キルラキル』ってのを昨日見ましたが、面白いですねぇ~♪
久し振りに心の底から面白いと思える濃密なアニメらしいアニメを観ましたよ♪
第一話のインパクトは文句無しですし、あとは途中でダレずに最終話まで続けば良いですね♪
最初にタイトルを見た時は『キラメキラリ』と勘違いしてまたアイマスかと思っちゃいましたけど。
そういや『ぷちます』も二期やるんでしたっけねぇ~。楽しみです♪
ちなみに今回は越前なお話♪
走る。それは足を交互に動かすこと。急いでいるときに使う足運びのことだ。
そう、彼女は走っている。短パンにサスペンダーという扇情的な出で立ちに、手足を守る手甲と具足の強靭な鉄の黒光りするシルエットは闇を裂く一本の矢が如く。
「こっちへ逃げたぞ!」
「いや、あっちかもしれないぞ!」
「たぶん、こっちだ!」
彼女を追う声はすでに彼女を見失っている。
息も絶え絶えにして疲労困憊の現状だが、相手が自分を見失っている状態でなら完全脱出は可能。
そうして彼女は一息つくと、渾身の瞬発力を発揮し、獣の如く素早く走るのだった。
◆ ◆ ◆
それは、十年前の十年後のことであった。(つまり現在)
そいつの名前は……、
Full Name:水野 千佳
Code Name:コンバット地下水
その姿は常に変装しているため、性別が女性であることと、本名とコードネームくらいしか彼女は知られていない。
……いや、それともう一つ。腕の良いミステリーハンターとして知られている。
「今回の仕事も『スルリ』と『サスペンダー』があって楽しかったよ、って『スリル』と『サスペンス』やろ!
と、ツッコミを入れるものの観客がいないのでは爆笑が取れないのは残念ね」
ただ、ギャグのセンスは壊滅的である。
そんな彼女は一仕事終えて薄暗い夜の山中で野宿の場所を探しているところである。
常に一人で仕事をしているため、こうして疲れた時の宿を探すのも苦労するが、それもまた一人ならではの楽しさがあれば気にならないものだ。
具体的には木の実すら食べられなくなりそうな緊張感に身を置く快感などなど。
それに彼女には、徒党を組む必要がまるでない絶対的な能力があるのだから楽しさが苦労を上回るのも当然であろう。
「しっかし、夜通し逃げ回って汗かいちゃったし、お風呂に入りたいけどこんな山の中にはないわよねぇ~……って山小屋があるぅー!?
しかも小屋どころかお城みたいに立派じゃないの! やだ、私って凄い幸運♪」
そう、これこそが彼女、コンバット地下水の仕事の成功率の高さにある。
彼女はミステリーハンターという職業上、世界中あちこちを旅し、山賊、海賊、空賊、蛮族、殺し屋などのありとあらゆる人種から見敵必殺対象とみなされながらも、その悉くを生き延びてきたのだ。
彼女自身の体術や変装能力の高さもあるのだろうが、彼女を生きながらえさせている最たるものは「幸運」といえよう。
科学では解明できないが、実際彼女は運が良い。
あとオマケとして、触れた相手を意のままに操る人心操作能力もあるが、
これはその利便性に反して持ち主である彼女自身にとっては本当にオマケの能力である。実戦で使ったことは一度もない。
それはさておき、千佳はいつものように「きっと自分が見つけた家の住人なら善人だろうから一宿一飯の世話になろう」という魂胆で門を叩く。
山奥だからかインターフォンのようなものはないが家主は文明嫌いなのか?
はたまた付け忘れたうっかり屋なのか……。
まぁ、この物語の主人公のすることだ。後者なのだろう。
「誰かいませんか~?」
ドンドンドンドンッと、国際マナーとして四回ノックで門扉を叩く。返事はない。
これはもしや家主が事件に巻き込まれているのでは? 普通ならばそんな想像が頭をよぎるだろうが、平和的な思考の千佳にそんな考えは浮かばない。
きっとお風呂に入っているのだろうと推理をし、門からお邪魔するのを諦めて塀を乗り越えての侵入を試みる。
彼女にとって、5メートル程度までなら垂直跳びで越せるのだ!
「こちらコンバット地下水。これより安眠と美味しい食事を得るために独自任務を開始する」
気分は古代遺跡に侵入するが如く。独り言にもまるで往年の名俳優が如く熱が入る。
しかしこの屋敷の主は用意周到な人物のようで、塀を超えた彼女を出迎えたのは五寸釘トラップだった!
かつて“五寸釘の”タイガーラッキーという脱獄名人の足を貫いたことで有名な五寸釘トラップが千佳を出迎えたのだ!!
滞空中に危険を感じ、身をよじって回避しようとするも、彼女はその小さな足裏をズタズタに貫かれてしまった。
「……くぅ~、まさか幸運で有名な私がこんな罠にかかるだなんて。
きっと不幸属性付与の魔術式が組みこまれた罠ね!」
その答えは当たらずとも近からずと言うべきだろう。
ここの家主がノリで仕掛けただけの罠にそんな面倒くさい術式付与など、出来たとしても絶対にしているはずがない。
きっと罠製作者の技術が彼女の幸運能力値を大きく上回っていただけに違いない。
血を流しながらも、自分に不覚を取らせるこの罠の製作者に会うべく千佳の歩みは止まらない。
気を練って傷口の肉を収縮させて止血し、再生能力を全開にすることで完治させる。
この時間僅か0,02秒。吸血鬼でさえこれほどの瞬間再生は出来ないだろうが、彼女は人間であると再度説明を繰り返しておこう。
そうして屋敷の庭を奥へと進み、ついに彼女はこの屋敷の家主と面会を果たすのだった!
「おいおいおい、この手の定番とくりゃ~、女の入浴だろうに俺の裸かよ。
俺の風呂を覗くなんざ、お狼だけかと思ってたな」
「ギャー!! 変態露出魔現る!
超絶美女、水野千佳ちゃん24時間嬲り通しプレイへのフラグが立っちゃうぅぅぅぅー!」
「なんだ、ただのアホか……」
お約束というのならば美女の入浴シーンを見てしまうというラッキースケベが定番だが、ここで湯浴みをしていたのは何を隠そうこの物語の主人公の一角、根なし草の剣御礼 八突である。
「どうしたんだい、八突。女の声が聞こえたが覗きにでもあったのかい?」
「そこで俺が痴漢を働いた、と思わないのはありがたいが、俺が覗きに遭うって想像ができるお前も大概だな」
「ふふん♪ あたいのようにお前さんに惚れた女は沢山居るだろうさ。
そうした惚れたあたいの目線で見れば、八突の体はたいそう魅力的に映るってものさ♪(ふんす!)」
新たな声に絶叫中だった千佳は緊張する。
八突が現れたのだから賢明なる読者の皆さま方ならお分かりだと思うが、もう一人の声の主というのはお狼である。
そして彼女は狼耳と狼尻尾を晒し、さらに全裸で赤い洗面器を頭に乗せた状態だ。
尻尾や耳も隠そうと思えば隠せる彼女だが、
これは風呂場で人間離れして強い八突を性的に襲うために妖怪としての力を普段よりも発揮しつつ、それでいて子づくり出来るように人間性を持つ姿だ。
普段は完全な人化の術を使っているもんだから弱く思われがちだが、耳や尻尾を出すだけで彼女は妖怪本来の力をかなり出せる。
つまり! 普段のか弱いお嬢さんめいた雰囲気に超妖怪としての格を表すオーラまで纏っている。
幾らコンバット地下水が腕利きのミステリーハンターだとしても、お狼ほどの超妖怪を目の前にしてビビらずにはいられない。
「よ、よ……妖怪ビッグマラーだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー!」
と、お狼にビビっているのかと思いきや、八突の股間の聖剣のオーラにビビっていたのだった。
流石は八突。お狼ほどの超妖怪の妖力よりもさらに上をいく人間力! いや、雄力!!!
コンバット地下水は先ほどの足のダメージと相まって、その場で気絶した。
「で、どうする?」
「あたいに聞かないどくれよお前さん」
「とりあえず介抱すっか」
「だねぇ。こういうのも旅の醍醐味さね♪」
はてさて、腕利きミステリーハンター・コンバット地下水の運命や如何に!?
ミステリーハンターってテレビ以外に仕事あるんでしょうかね?




