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エピソード3-2
このままメインストリートまで全力で走れば大丈夫だ。
もう二度と会うこともないだろうし。
よし、逃げよう。
そう考えたはずだった。
なのに、身体が動かない。
本当なら背を向けて走り出さなければならないのに……。
気づけば私は、その人の方へと歩み寄っていた。
足を止め、その隣に腰を下ろす。
かすかに血の匂いが鼻先をかすめた気がした。
だけど、それは一瞬のことだった。
すぐに高級そうな香水の香りが漂い、私を包み込む。
隣に座った私を見て、その人が口を開いた。
「お前、俺の知り合いか?」
「……多分、違うと思います」
私と彼の最初の会話は、どこかちぐはぐな日本語で交わされた。




