2.召喚の書の取り扱い説明
「…ところでさ、召喚の書っていうことは、キーって何か召喚できたりするの?」
『はい、左様でございます。』
「やっぱり…それで、召喚ってどうやってやれば良いの?」
『召喚の書の1ページ目をご覧ください。』
手元の本をめくってみる。
中身は、写真と簡単な紹介文が書かれたカードのようなイラストが、1ページに縦3×横3の計9枚並んだ形をしている。
しかし、現時点では左上のイラストのみ顕現しており、残りは黒いシルエットしか見えない。紹介文も米印になっていて読めない状態になっている。
(なんだかトレーディングカードみたいな見た目してるな…)
色々ツッコミどころはあるけれど、一旦それは置いておいて、唯一顕現しているイラストに注目する。
《トレント》
属性:木 種族:魔物 寿命:1年
木属性の魔物。感情はなく、命令されたことを忠実にこなす。
召喚素材:
ユノの木(枝)/3本
ユノの木(葉)/10枚
トレントといえば、よくゲームとかに出てくる木の形をしたモンスターよね。
「ねぇキー、今トレントの詳細しか見れないんだけど、これってトレントしか召喚できないってこと?」
『はい。現時点で解放されている召喚はトレントのみとなっております。』
「そうだよね…なら、この召喚素材っていうのは、文字通り召喚に必要な素材ってことだよね?どうやって集めたら良いの?」
『素材に関しましては、召喚の書に記載されている文字をタップすれば、詳細をご覧いただけます。』
文字をタップ…?
ポン
召喚の書に書かれている文字をタップすると、詳細とイラストが浮かび上がってきた。
《ユノの木》
大陸グノセニアの中心部、聖地"ユノシーズ"に聳え立つ大樹。常にあたり一帯に魔素を放出しているため、その魔素濃度に耐えうるほどの魔力を持つ一部を除き、ほとんどの生物は近づくことができない。
「…魔素?魔素って何?キー知ってる?」
『魔素とは、魔法やスキルを発動する際に必要なエネルギーのことでございます。』
「ほえー、やっぱり異世界だから魔法とか存在するんだ…ってあれ?このユノの木のイラスト、なんか見たことあるような…」
本から顔を上げて、目の前に聳え立つ巨木に目を移す。
「…あっ!これじゃん!これユノの木じゃん!!…ていうことは…」
あたり一帯に散らばった枝や木の葉を見渡す。
「ねぇキー、ユノの木の枝と葉って、この落ちてるものでもいいの…?」
『はい。枝は長さが1mを超えてるもの、葉は欠けているところがないものであれば問題ありません。』
数えきれないほどの木と枝が地面に落ちている。
見える範囲内に他の木は見当たらないため、全てユノの木から落ちたもので間違い無いだろう。
…もしかして、トレント召喚し放題なのでは…?
〜5分後〜
「とりあえず一体分の素材集まったよ!それでどうすればいいの?」
『では、召喚素材を一箇所に集めてください。…続いて、トレントが記載されたページを開いたまま、素材に向けてください。』
召喚素材を一箇所にかき集める。
召喚の書を素材の山に向けた瞬間、光りながら本が素材を吸い込んでいく。
バフッ
本が素材を全て吸い込むと、何かが煙を立てながら本から現れた。
「おぉ!これがトレント!…ってなんか思ってたのと違う…」
煙が消えてそこに現れたのは、体長1メートルもないぐらいの小さな木。
「トレントってこう、もっと大きくて厳つくて、長い枝を振り回してる厳ついイメージだったんだけど…」
目の前の小さな木をじっくり観察する。
見た目は普通の木をそのまま小さくした感じで、枝にはパラパラと葉っぱも生えている。
木の幹の部分には小さな目のようなものもついていて、こちらを見つめ返してくる。
しばらく睨めっこをしていたら、不思議に思ったのか
小さな木がこちらを向きながら、少し首?を傾げるような仕草をした。
…ちょっと可愛いかも…
頭に生えている小さな葉っぱを触ってみる。
ぶるぶると震えたと思ったら、枝をこちらの手に載せてもっと撫でてポーズを決めていた。
…ちょっと可愛いかも…!!




