1.異世界転生と召喚の書
ちょっと待って、一旦落ち着こう。
これは夢…(ムギュ)…ではなさそう。ほっぺたつねったら普通に痛かったわ。
え、何。もしかしてあれか?今流行りの異世界転生ってやつか??嘘でしょ…
とりあえず一旦落ち着いて、辺りをもう一度よく見渡す。空には二つの球体。目の前には一本の巨木。
うん。どう見ても地球じゃないね。
地面は普通に芝生っぽいけど…あれ?何これ、めちゃくちゃ分厚い…本?何でこんなところに本が落ちてるんだろう。
目を覚ました場所から少し離れた場所に、少なくとも厚さ20cmはありそうな本が一冊落ちている。
何となくその本を手に取ってみる。かなりの分厚さではあるが、持ち上げると意外と重くはない。
…というか、むしろ軽い?
スマホと変わらないぐらいの重さしかない。六法全書ぐらいのサイズ感なのに…。
色々困惑しながらも、持ち上げた本を開こうとした、その瞬間…
パァッ
え、何?!本が急に光出したんだけど?!何で?!
…ジジ…ジジジ…コネクト。
『…接続完了いたしました。初めまして、あるじ様。ワタクシは、"召喚の書"。どうぞ、よろしくお願いいたします。』
「へぇあ!?誰?!」
急な話し声に驚いて変な声を出してしまった。
今聞こえたのって何?…ショウカンノショ…召喚の書?…もしかしてこの本?!
「今喋ったのって…あなた?」
手元にある本に向かって問いかけてみる。
『左様でございます。ワタクシは召喚の書。世界を渡る際に、あるじ様に付与されたスキルでございます。』
世界を渡る…っていうことはやっぱり、ここって異世
界なのか…
「えっと…召喚の書…さん?」
『ワタクシはあるじ様のスキルでございますので、お好きに呼んでくださって構いません。』
「…名前をつけても良いってこと?…うーん、そうね…"鍵"なんてどうかしら?…まだこの世界について何も知らないけど、これから生きていくのに、あなたが鍵になりそうな気がするの。」
『構いません。これからはワタクシ、キーめがあるじ様のサポートを務めて参ります。』
「うん!よろしくね、キー。」
これが私"楠木あかね"と、相棒"召喚の書"のドタバタ異世界生活の始まりであった…




