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召喚の書と共に異世界生活  作者: くるみ


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15.金策





〜翌日〜



「ーー…とりあえずこれからの予定は一旦決まったけど、安全策をもう少し固めたいよね。」


昨日、あれからさらに話し合ってドッペルゲンガー達の担当が決まった。


1.レニはレオナの身分証を持って冒険者ギルドで活動を続ける。


2.レヌはフィーリディ伯爵家へ戻り貴族内の情報を集める。


3.レネは吟遊詩人として周辺諸国を周り、歌にシルフのヒールを乗せて、歌で傷を癒すことができる噂を広めて教会にスカウトしてもらう。


4.レノには、聖地周辺の身分証がなくても入れる小さな村などから、生活用品や食料を購入してきてもらう。


一旦聖地外での活動はこんなもので、レナにはみんなとの通信役と私の異世界語教師として聖地に残ってもらう予定だ。


ただ、いくら冒険者でもCランクは決して高い方とはいえないので、護衛として全員シルフを連れて行って貰おうかなと考えている。


なんだかんだ攻撃も回復もできて、小さいから存在感も少ないシルフは護衛として最適な気がする。

前に召喚した子達は、聖地周辺のパトロールをしてもらっているので、追加で4体召喚しようとみんなで泉へやってきた。





「…よし、これでおけ。みんな名前は相棒からちなんで、ルニ、ルヌ、ルネ、ルノ。これからしばらくはペアで動いてもらうことになると思うからよろしくね。」


『わかった〜。』『あなたレニ?じゃあ私達が相棒だね〜よろしく!』『私の相棒はだれ〜?』


新しく召喚したシルフ達が、それぞれの相棒を見つけてその肩に座っている。


これで安全も多少保障されたし、すぐに行動を開始したいところ…だが、実はもう一つ問題点がある。


それはお金。


この世界の通貨は全世界共通で、1白金貨=10金貨=100銀貨=10,000銅貨。

為替とかの概念がないのは楽でありがたい。


身分証を持っていない人が街に入るには、保証金として10銀貨取られるとのこと。

レニは身分証があるからいいけど、レヌとレネは2人で20銀貨、レノも買い出しをするのにお金がないんじゃ話にならない。


レオナのこれまで貯めたお金を合わせても、銀貨10枚程度しかないので、圧倒的に金欠だ。


『…多少リスクはありますが、聖地内の植物や鉱石を売るのが最も早く資金を集める方法かと思います。』


レナの言うことは一理ある。この世界の物流はわからないけど、聖地は他と違った環境なので、一般的に考えたら生えてる植物や鉱石も他にはないものかもしれない。


貴重なものはそれだけで価値があるので、金策としては確かに最も効率が良いのだが…

問題はどうやって聖地のものを手に入れたかを説明することだ。


『拾ったとでも言えば何とかなると思います。元々レオナは今回、聖地付近での依頼を受けていますし、C級程度の冒険者が聖地に入れるなど誰も思わないでしょう。』


言いたいことはわかるが、それでも多少なりとも疑われるのは間違いないだろう。


…まぁでも、それしか方法はなさそうよね…紫水晶は召喚素材として取っておきたいし…。


「…となると、どうせやるなら利益を最大限に引き出したいよね。この世界ってこう、オークション?みたいなことができる施設ってあったりするの?なるべく評判が良くて、匿名でできるところ。」


『ご主人様の考えるオークションに最も近しいのは、アルラントの海沿いに位置する貿易都市_サイドポートで月に一度行われる"アンシェール"だと思います。主催者である"アイル商会"は全大陸で見ても、五本指に入るほどの大規模商会です。恐らく聖地産のものを扱うのも初めてではないでしょう。

加えて、商会専属の鑑定士がアイテムを鑑定してくれるので、物の価値を見誤ることもないかと。』


これはかなり良さそうだ。

大規模商会であれば、名誉のためにも、目先の利益に目が眩んでしまう事はなさそう。


一応ギルドに直接売却することも考えたが、レナ曰く、ギルドは母体は大きいが各地のギルドではギルド長が権威を振るっているので、最悪奪われて口封じされる可能性もゼロではないのだとか。


もちろんそれをするのは、ギルド長もかなり高いリスクを負うことになるらしいが、それでも商会のような名誉を商売にする仕組みに比べるとしがらみが少ないらしい。

よりリスクが低い方を取るならこの"アンシェール"への出品が良さそうだ。


「…よし。それじゃあ、一旦各地に散る前に、お金稼ぎだけしちゃおうか。流石にみんなで行くわけには行かないから、誰か一人にお願いするとして、護衛にシルフ3体連れて行けば最悪逃げることはできそうよね?」


シルフの風魔法は、風の操作でかなり移動速度を上げられる。しかも重ねがけができるらしいので、理論上はシルフがたくさんいるほど速く移動できる。

もちろん人体には限界があるので、一気に重ねがけし過ぎるのは無理だけど…。


それでも、レオナは元々高速で動く戦闘スタイルなので、元の移動速度プラスシルフの風魔法があれば、そうそう捕まることはないそうだ。


「…本当は私も行きたいんだけどなぁ、オークションとかめっちゃ楽しそう…。でもまぁ命大事にだから、身の安全が確保できるまでは聖地に篭るしかないか…。」


私もいつか、"アンシェール"を見に行きたいな…。




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