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召喚の書と共に異世界生活  作者: くるみ


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11.従者契約 ※別視点





「ーー……その後、アメジストを持って探索する訳にもいかないので、すぐに引き返して洞窟を出ようとしたのですが、途中でグレートアラネアに出くわしてしまい…。」


聖獣様にこれまでの経緯を話した。

少し長くなってしまったが、聖獣様は静かに全てを聞いて下った。


「お主ら、冒険者ギルドでC級に上がれる力があるのならば、グレートアラネアに対抗できないとは思えぬな。…それとも我の知らぬ間にギルドの強さが変わったのか?」


聖獣様の言う通り、グレートアラネアはC級モンスター。確かにC級の中でも強い方ではあるが、同じくC級冒険者で組んだパーティならば、本来勝てないことはないのだ。


「…本来ならば、一戦できる力はあったと思います。しかし、アメジストを手に入れたことにより浮かれて周囲への警戒を怠ったため、グレートアラネアに奇襲されてしまい…前衛のアダムが怪我を負って走れなくなったので、逃げることもできなかったのです。」


あの時、モンスターに一度も遭遇しなかったことと、アメジストを見つけて浮かれたことでかなり警戒心が落ちてしまい、攻撃されるまで誰もグレートアラネアが忍び寄っていたことに気づかなかったのだ。


アダムは吹き飛ばされた際に肋骨を何本も折ってしまったようで、イリアの治癒魔法でそこそこ動けるまで回復はしたが、長時間逃げ回るのは難しかった。


もともと魔素が濃いせいで全力を出せない状況の中、さらに怪我人まで出てしまっては、いかに同じ階級のモンスターとはいえ太刀打ちできなかったのだ。


「あの若造か。仲間を囮に逃げるとは、腐り切った奴だな。…それでお主はこれからどうするつもりなのだ?」


故郷の親元からは、逃げるように飛び出してきたので戻ることはできない。

他の仕事をしようにも、冒険者一筋でやってきたので他の職種は全くわからず、この年齢で見習いからとなると、どこも雇ってくれるとは思えない。


「…わかりません。今回のことがあったので、もう誰かとパーティを組むのは難しいと思います。…かといってソロで受けられる依頼には限度があるので…日々細々とした依頼を受けて、生きていくしかないのかもしれません。」


「それならば、我らについて来るか?…あそこにおるのは我の契約者なのだが、今は訳あって聖地で暮らしていてな、お主を助けたのもご主人の力なのだ。」


「…契約者!!聖獣様が人間と契約されたのですか…!?」


まさか、聖獣様が人間と契約するなんて…オクトナシア王家との契約はどうなってしまうのだ?


「…それは話せば長くなる。今はお主のことが先だ。」


「…わ、わかりました。…もちろん助けていただいた命ですし、聖獣様のお側に仕えることができるのは願ってもないことです。しかし、聖地で暮らしていると仰っていましたが、私の魔力では立ち入ることもできません…。」


「そんなことか。それならば問題ない。お主がご主人と主従契約を結べば良いだけだ。ご主人の膨大な魔力は、我ですら契約した途端魔力が何倍にも膨れ上がったくらいだ。お主を聖地に入れるようにするなど造作もない。」


主従契約、それも人間と…

しかし相手は命の恩人なのだから、これも恩返しと考えれば受け入れられないこともない。


たが、問題は魔力量の話だ。

いくら聖獣様の仰ることとはいえ、流石に信じられない。主従契約により、魔力が多少受け渡されることは聞いたことがあるが、それによって増えたとしても大した量ではないはず。

それを聖地に入れるようになるほど増やすなど想像もつかない。


「…そのような者がいるなんて、にわかには信じられませんが…聖獣様が仰るのであれば、主従契約を結ぶことに異存はありません。」


「ふん、まぁよい。今は疑っているかもしれぬが、契約が成立すれば何も言えまい。…こっちに来い、ご主人が寝ている間にさっさと済ませるぞ。」


…え??寝てる間にって…え、無許可?!?!


「ご主人とは言葉が通じぬため意思疎通ができないのだ。起きている間では色々と説明が面倒だろう。とにかくさっさと始めるぞ。」


「…えぇ…。大丈夫かな本当に…。」





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