008 シャウラの語るその後
「お帰り、割と危機一髪だったね。咆哮が聞こえたから何があったかは予想が付いたね」
帰ってきたらシャウラがだらけてないでしっかりソファーに腰掛けてた。
それと六人分の飲み物とお菓子が置かれてる。
「おい、聞こえたってどういうことだ? お前は居なかったはずだが?」
「ああ、私はホムラに頼んでホムラの近くの音、気配諸々を私にフィードバックさせるようにさせたんだよね」
確かその場にいなくても指示を遠隔で出せるように出来るプレイヤー特権の力とかいってたね。
まあ本人が流したくない情報が脳波とかの測定で遅れないようにワンテンポ遅れるらしいからそこまで便利というわけではないらしいけどね。
そもそも許可が無いと発動できないわけだし・・・・・・
「おいおい、プライバシーもへったくれもないな」
「そこそこ分かりやすい異常事態があったのに気がつかない君たちに言われたくはない。ゴブリンが増えた理由なんてゴブリンが住処から追いやられたかゴブリンキングが誕生したかとかいろいろあるでしょ」
「それを言われると耳が痛いね。信用されてなかったと言うことだし・・・・・・」
まあ、確かにそれは信用してないから私を媒介にして色々としてたと見られてもおかしくない行動だしね。
だからそれをしていることは言わないようにと言われてたんだよね。
まあ、状況が状況だから言わざるを得なかったわけだけど・・・・・・
「信用してないわけじゃない。君たちは経験が足りないから危険感知能力が低いでしょ。ただ、リエラは危険だと気付いて居たみたいだけどそのジェスチャーに君たちが気がついてないのはどうかと思うよ」
あ~なんか途中で身振り手振りでなんか動いてたね。
たまにするよく分からない動きということで流されてたけどね。
「そうだったのか・・・・・・」
「君たちは経験が浅すぎる。それを自覚して行動しないと痛い目見るよ」
レクト達三人がうなだれた。
まあ、完全に論破されてるからね。
仕方ないんだけど・・・・・・
「私は?」
「ホムラは言うことなしだよ。始めてだしそもそも君は身を守られる側だからね。いくらアレを手に入れたとはいえ焼け石に水だ。アレが尽きたらどうなるって話になるからな」
確かに・・・・・・アレがあれば一人でも自衛できるけどアイテムだから数に限りがあるからね。
となると一人で冒険というのはむりだよね。
「さて、と・・・・・・君たちは気になるよね。あの森で何が起きたのかを」
「お前は把握しているのか?」
「してるよ。これだよ」
そう言って渡されたのはドラゴン警報の紙だった。
ドラゴンが襲来する可能性のある地点が書かれている。
そこには暗闇の森の名も書かれていた。
「ドラゴンなの!?」
「ドラゴンなの。移動した後だから大丈夫だと思ってたんだけどどうやら移動した後に何かがあったみたいで暗闇の森に来たらしいんだよね。咆哮の質から恐らくは負傷してる。そして目を覚ましたのはドラゴンの身に何かしらの危機が迫ったからといったところかな。ホムラ、私がチャットを送る数秒前に変な声聞かなかった?」
「変な声? あ~たしかに妙な音が聞こえたかも」
まあ、森の中ではよくあると思ってスルーしてたんだけどね。
シャウラの耳にはそうは聞こえなかった訳ね。
「ホムラの耳がかなり良いから詳細に聞き取れた。ドラゴンのうなり声だ。それも声の位置からそんなに遠くない位置にいると言うことが分かったな」
ドラゴンのうなり声だった訳ね。
うん、凄い超絶大ピンチだったわけね。
「そんなわけで急遽撤退要請を出したわけだ。当分は暗闇の森には行けないだろう。なぜあんな距離にドラゴンが居たのかは分からないけどな。私的には暗闇の森、それも手前の方にドラゴンが来るとは思ってなかったわけだし・・・・・・ドラゴンの食料になりそうなのは暗闇の森の奥だし脅威から身を隠すにしてもあの場所は不自然だ」
「シャウラでも分からないんだ」
「そりゃ、多くの情報を仕入れているとは言え全部を知り尽くしているわけじゃないからね。予想を外すことはあるよ。ドラゴンが仮に襲来しても逃げる時間はあると思ってたんだけども、あの距離にいられたら動き出す前に気がつけなかったら割と危なかった。はぁ・・・・・・頭痛いよ・・・・・・PKとか色々と頭悩ますことが多いよ」
PK?
プレイヤーキラー?
いやいやいや、それはおかしい。
「PK何て居ないでしょ?」
「居るんだよな。ホムラ、君も今ではその気になれば出来るでしょ? あくまで直接戦闘が出来ないだけで生産物を扱えば割とどうにでもなる。知ってる? この世界はモンスターも作って使役できるんだよ?」
あ~なるほどね。
テイマーとかも居る訳ね。
なら割とどうにでもなる訳か・・・・・・
でもモンスターを作れるなら・・・・・・
「後で作って・・・・・・」
「ダメだ。やるなら他の生産者を雇ってからだよ。そうしないと作った後に餌とか用意できない」
あ~そうだよね。
維持するには餌が必要になるよね。
なら無理か・・・・・・・
「まあ、その辺は今後何とかなるから問題ないよ。さて、レクト・・・・・・・君達は冒険者だし一応生産活動できるよね」
「あ、あぁ・・・・・・出来るな」
「その中で料理とか出来る人は料理関係の知識を、鍛冶とかで武器のメンテができる人はホムラ達から色々教わって」
なんか、こっちに話し振られた!?
よく考えたらレクト達も生産活動できるんだったね。
「え、そういうこと前から出来たの?」
「ホムラのおかげで生産者雇えるようになったからね。それに伴って冒険者達に生産を教えても良い許可が出てるんだ」
へぇ~でも言い方的に冒険者として必須な生産の知恵を教える程度に止めろって感じかな。
「僕とオボロがそれぞれ木工と金属加工が出来るね。そしてドルフィスが料理が出来る。リエラ姉さんは・・・・・・拠点構築だな」
「ふむ・・・・・・そうなると・・・・・・ホムラの体は一つしか無いし一人ずつと言ったところかな。ところでホムラは木工と金属加工どっちがいい? ちなみに後で何人か生産者に教えるという前提の元でだよ」
あ~一気に教えるってことね。
それなら・・・・・・
「木工だね。まだ金属系武器の良い感じのが出来上がってないから教えるので優先すべきなのはこっちだと思う 」
機械で生産したコンポジット・ボウの残りを作り上げたり仕上げさせたりさせるのは比較的簡単だしね。
「と言うわけでレクトはホムラとともに工房に向かって弓の作り方を聞いてくると良い。矢が尽きたとき現地で調達できるようにと自力でメンテナンスできるようにね。毎回クラフターの護衛というわけじゃないんだから自力である程度は修理できるようになっておいた方が良い」
「なるほど、分かった。それじゃあ、よろしく頼む」
まあ、色々とあったけどとりあえず当初の目的は果たせたと言うことだね。
結局作ったメイプルポーションとかあまり使わなかったけどよしとしようかな。
ソニス「ドラゴンね・・・・・・うん、ドラゴンね。この地点では威厳あったんだね。うん・・・・・・」




