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007 暗闇の森

「一ゴブ、二ゴブ、三ゴブ・・・・・・・」


「何その単位?」


 ゴブリンの数え方の単位か何かかなと思いつつその山を見た。

 そこにはさっき倒したゴブリンの山があった。

 そしてそのゴブリンの山をオボロが数えていた。


「由緒正しきゴブリンの数え方でござる」


「そんな数え方はない」


 オボロが言った途端それを否定するようにレクトが言い放った。

 まあ、どう考えても一部が使っているだけの単位だもんね。

 でも一匹とか一人とか数えるのもアレだから私もそういう風に数えようか。


「にしてもこのゴブリン・・・・・・素材に出来るの?」


「肉は食えた物じゃないが骨とか内蔵が色々使えるらしいぞ。まあ、ゴブリンの肉は食う気になれないけどな」


 ハハハと笑いながらドルフィスが言い放つ。

 まあどう考えても食べるのに向いてないでしょ。

 でもそういうのは持ち帰ってから調査してから結論を出した方が良いけどね。


 不可能とは色々試行錯誤して結論を出した人間だけが言って良い言葉だという言葉もあるしね。

 シャウラの尊敬する人のセリフらしいけど結構良い言葉だよね。

 不可能かどうかは沢山試行錯誤してから言うべきだと私も思うしね。

 まあ、そういう言葉を利用して人に無理矢理何かをさせるのはどうかとは思うけどね。

 なんか悪い意味でとらえることも出来なくはない言葉だしね。


 ただ、ゴブリンの肉が食べられるかとかでどうこうするのは少し間違ってる気もしなくもないけどね。

 でも捨てるのってもったいないじゃん。

 やるだけやってみようか。


 とりあえずストレージに全部しまっていく。

 一つ残らず全部ね。


「スゲェな。プレイヤーのストレージって奴は・・・・・・」


「自分の力で戦えない呪いと引き替えに無限にアイテムを収納できるストレージに転移ポータルの使用権利など色々あるでござるからな。クラフターの最上位に位置するといっても過言では無いでござる」


 ちなみにクラフターというのはプレイヤーを含む製作者のことだね。

 基本的にこの世界の住民は出来ることと出来ないことがはっきりしてるんだよね。

 その中でも全ての生産が可能なのがNPCクラフターと呼ばれる生産者だ。

 生産活動全般が出来る代わりに全ての戦闘能力を失っているから戦えないのが特徴的なんだよね。


 この世界の住民は最初何者でもなく、後に自分が選ぶ形で生産者か戦闘者かを決めるらしい。

 ちなみに冒険者は一部の生産能力を残したどっちつかずだね。

 まあ、冒険する上で武器のメンテナンス、食事、拠点構築などが出来ないとダメだからね。

 シャウラはそういうのが出来ない純戦闘者の扱いが難しいから雇ってないとか言ってたしね。


 しかもシャウラが言うには純戦闘者は面倒な性格の持ち主が極めて多いとのことだからね。

 生産者を見下すような馬鹿は意外と多いから内に引き込みたくないとかぼやいてるからね。

 誰かに支えて貰わなきゃ何も出来ないくらいに色々と捨てまくってるのにね。


 まあクラフターの話に戻すけどクラフターは生産全般が行える。

 つまりプレイヤーと似たような存在な訳だね。

 だからプレイヤーとクラフターは一緒くたにされてる。

 そしてプレイヤーはこの世界で異世界より来たりしクラフターという扱いだ。


 クラフターもストレージは持っているけど無限じゃないし、ポータルも使えないからプレイヤーの下位互換みたいな位置づけだからね。

 だから上位互換みたいな扱いを受けてるわけだね。


 え? なんで色々知ってるかって?

 この世界のプレイヤーの扱いについてシャウラに説明されたからね。

 道中知らなきゃ困るだろうからって行くことが確定した時にね。

 色々書かれた本を渡されたよ。凄いわかりやすくまとめられてた。


 ちなみにその本にメイプルポーションとか極めて作りやすい薬が書かれてたときはショック受けたね。

 私が頑張って開発したメイプルポーションのこと本の政策とか考えると結構前から把握していたみたいだからね。

 シャウラ曰く、メイプルポーション完成させてから来るとは思わなかったとのこと・・・・・・完成諦めてくるかそもそも行かないかのどっちかになると予想してたみたい。


 まあ、他にも比較的簡単に作れそうな物から研究の役に立ちそうな情報まで詳細に記されてたよ。

 これ、私が薬作りするって言ってから調べてまとめ上げたらしいからね。

 怠惰だけどやるときはやるんだね。

 しかも、かなり良いポーションの作り方とか書かれてたからね。

 見落とすかもと思われたのかシャウラに口頭で説明されたけどね。

 それだけ重要なポーションだからね。冒険の役にたつポーションなんてないでしょ。

 使うときが楽しみだよ。

 

 そんなことを考えながら私はゴブリンの死骸を全てストレージに収納した。

 結構な量だけど問題ない。

 どれだけ採取しようが持って帰れるからね。

 無限ストレージ様々だよ。


 暗黒樹と呼ばれるこの森の木を切り倒して丸ごと収納する。

 この森特有の闇払い草と呼ばれる薬草かどうかは分からない草を採取する。

 結構大量だね。

 採取中にゴブリンがまた山になってたりするけどね。


「妙だな・・・・・・やけにゴブリンが多い」


「流石に盾もこうも攻撃が激しいともたねぇぞ。一度撤退するぞ」


「拙者の刀もボロボロでござるからな。ゴブリンといえどこうも大群をなぎ払うと・・・・・・」


「・・・・・・」


 気がつくと皆装備がボロボロになっていた。

 まああれだけ山になるほどゴブリンを狩ってたらそうなるよね。

 にしても何かが・・・・・あ、シャウラからフレンドチャットだ。

 えっと、直ちに撤退せよ・・・・・・


「レクト! 急いで撤退するよ。緊急だから以降の素材は気にせず急いで!」


「え? あ、あぁ! 皆聞いたな撤退だ!」


 いくつか回収残しがあるけど急いで撤退しよう。

 シャウラが直ちに撤退と言う以上何かがあったのは確実だ。

 ゴブリンが多すぎるという言葉もあるしね。

 このときのシャウラの指示が間違っていたことはほとんど無い。

 間違っていたときにしても危険が運良く去ったというのが後から分かったわけだからね。


 私達はポータルにたどり着いた。

 その瞬間派手な咆哮が聞こえた。

 すぐにポータルで移動したからその正体は分からないまま私達は拠点へと戻ることとなった。

ソニス「シャウラがホムラの状況を理解しているのはフレンドがどこに居るのかを示すものがあるからだね。危険を察知したのはまあ次回判明するよ」

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