006 レクトパーティ
4月17日、今日ついに冒険に出発する。
行き先は暗闇の森だ。
私はレクトの仲間達に護衛されながら暗闇の森へと向かう。
そこに居るのはレクトと三人の仲間達だ。
タンクの男に魔法使いのエルフの女に忍者のエルフの女だった。
タンクの男の人以外全員エルフじゃん。
「俺の名前はドルフィスだ。よろしくなホムラ!」
盾を持った厳つい大男が話しかけてきた。
今は皮鎧だけど全身鎧とか似合いそうな見た目だね。
いつか彼のために全身鎧を作るのも良いかもしれない。
まあ、重量がアレだから素材は選ぶ必要がありそうだけどね。
「拙者の名はオボロでござる。ホムラ殿、本日はよろしくお願いするでござる」
次は全身黒づくめの忍者の格好をしたエルフの女の子だ。
大体私と同じくらいだから120cm前後の身長だね。
「ちなみに言っておくでござるが拙者は195歳の大人でござる。ソナタとは違って大人なのでござる」
あ~うん、低身長で子供に見間違われることが良くあるんだね。
凄い気にしてそうだ。
なにげにこういう子と縁があるよね。
店番NPCのレリアも低身長なの気にしてるしね。
でも、あの子はオボロ程低身長じゃないんだけどね。
いつか身長に効くポーションとか作ってみようかな。
このときの私が知るよしもなかったが将来自分自身も低身長で悩まされる日が来ることになるとは夢にも思ってなかった。
作ったポーションが効かず低身長で嘆く未来の自分をこのときの私は想像だにしていなかった。
「・・・・・・・」
「あ~彼女はリエラだ。僕とオボロの姉さ」
ってオボロとレクトって兄妹だったんだ。
耳と目元以外は全身隠してるからエルフという共通点くらいしか分からなかったよ。
と言うことはドルフィス以外全員姉弟なんだね。
リエラはロギロスみたいにアルビノなんだね。
魔法使いみたいな格好で杖を持っている。
「リエラって無口なの?」
「無口なんじゃなくて呪いで喋れないんだ」
うわぁ・・・・・・呪いとかこのゲームにあるんだ。
解呪とかって出来ないのかな?
ポーション系もしくはそういう魔法開発をすればいけそうだけども・・・・・・
「呪いって解呪できないの? そんなに強力な呪いなの?」
「強力と言うより性質がやっかいといったところだな。本人じゃなきゃ解呪出来ないというのがな。それでいて言葉を封じているから事実上の解呪不可だ」
本人が解呪行動を起こさないと解呪できないのに呪文詠唱を封じて解呪出来ないようにしてるって相当タチ悪い呪いだね。
「あれ、じゃあ魔法とかって使えないんじゃ・・・・・・」
「無詠唱で使える低位魔法なら使えるから問題ないんだ」
無詠唱で使える低位魔法ね。
なら魔法は依然として使える訳ね。
「無詠唱で解呪は・・・・・・」
「魔法触媒の杖の問題で出来ないな。君が作った杖は品質が高いから並の杖よりも性能が高いが魔法を行使する前提で作られた物じゃないからね。あれが魔法を使う前提で作られた物であればもっといけたとは思うが・・・・・・」
なるほどね。
杖の品質というよりそういう風に作ってないから結果的に魔法の杖としては弱くなってる訳だ。
そうなると魔法の杖として作ればもう少し高度な魔法が使えるってことだね。
なら、次は魔法の杖を作るのも良いかもしれない。
「さて、そろそろ出発するぞ。行き先は暗闇の森だ」
「暗闇の森って・・・・・・浅いところだよな」
浅いところ?
どういうこと?
「ああ、シャウラに奥地まで行かないように注意喚起されてる。だから奥にまではいくことはない」
「うむ、拙者もこんな木製の刀で奥地に行く気にはなれないでござるからな」
奥地ってそんなに危険なんだ。
なら、現在の装備で向かわない方が良いよね。
そして私達は暗闇の森へと出発した。
歩いている間私はストレージに入れていた借りた本を読んでいた。
薬学知識の本だけどね。
にしても魔法の杖に必須な薬品があるなんてね。
道中でその材料であるマナハーブとマナストーンを手に入れた。
材料全部は集めきれなかったけどこれは定期的に集める必要がありそうだね。
恐らく調合難易度はそこそこ高そうだからね。
しかし、ゲームだから研究くらい材料消費なしでやらせて欲しいものだけどね。
なんでもそういうモードはあるけど後々そのモードにすることで足を引っ張るからやめといた方が良いって言われてるんだよね。
具体的になんなのかを聞いたら手に入るお金が五割くらい差が出るらしい。
他にも影響はあるらしいけどね。でも手に入る資産が半分になるのは割と致命的だよね。
要するに利益を出すのが難しくなるってことだからね。
確か何かを売るときに材料費が徴収されるという仕組みなんだよね。
商品価格から材料費等を除いた利益を半分にした金額が手に入るって仕組みらしい。
まあ、無限に材料が使えるようになるわけだから相応のデメリットはあるってことだよね。
ちなみに購入不可のファンタジー系素材なんかは売った地点で数が相応の量減るという形になるらしい。
でも、手に入る資金が減る以上冒険者と気軽に契約できないし素材集めは極めて困難になるだろうね。
だからファンタジー系素材の扱いが難しくなると言うのは大きなデメリットかもしれない。
まあ、課金すればそれも解決だけどね。小さい工房レベルなら数ヶ月百円程度で済むからね。
そもそもそのモードなら何かを売るとかしないで自分で使えばいいからね。
仕様の裏を突いた稼ぎ方とかしない限りは自由に食べたり飲んだりしても減らない無限資材で料理に工芸とかし放題だからね。
消費するだけの人にはそこまでじゃないけど何かを作る人にとっては天国みたいなゲームがこのクラフティングオンラインだからね。
そんなことを考えていたら暗闇の森にたどり着いた。
片道30分ってところ・・・・・・おや? なにこの台座みたいなの?
まるで祭壇だね。
「これはプレイヤーのみが使える転移ポータルだ。常に冒険していられるわけじゃないからそれをどうにかするために古きクラフターがあちこちに設置した物らしいぞ。君みたいなプレイヤーと一緒に居るときしか使えないから今まで使ったことがなかったわけだが・・・・・・」
私が居るから使えるって訳ね。
転移地点暗闇の森入り口と登録されている。
この台座の上に立てば工房入り口、町といけるわけだね。
そういえば工房に向かうときにこれよりも規模が大きいのを使ってたよ。
町にある祭壇は結構違うもんね。
こうなると冒険は本当に二の次って感じだね。
何処まで行っても生産特化のゲームってことだよね。
まあ、通常の方法で攻撃するのは不可能なゲームだし当然かな。
さて、たどり着いた暗闇の森だ。
ここから私達の冒険の始まりだ。
ソニス「生産特化のモードは利益が半分になる。かなりやっかいな仕様だよね。でも、最悪なのは非売品のファンタジー系素材が材料費として換算されないことだね。だから事実上の大赤字とか普通にあり得てしまうのがこのモードの致命的な欠点だったりするよ。材料費は省かれるから良いだろとなるのは現実の素材だけで作ること前提だからね。仕方ないね。そもそもこのモードでファンタジー系素材を扱うのは推奨されてないことと公式から言われてたりするからね」




