072 第一限界突破の試練 16
◇ ◇ Side オボロ 第一エリア 八十二日目 ◇ ◇
『わかってしまえば簡単なものであったでござるな』
私は一日の休息期間を経て洞窟作りに再び挑戦した。
そしてついに洞窟を完成させた。
『なるほどな。柱を立てることで強度を引き上げたのか』
『当たり前のことだけど俺達も完全に忘れてたな』
『ボクもね。オボロが倒れた後になってようやく柱の存在に気がついたし・・・・・・・』
でもコクウちゃんのおかげでこれはつくれた訳だからね。
ホムラちゃんに柱云々の話をしているのを聞いてひらめいたわけだからね。
・・・・・・強度を引き上げるために柱を立てるという発想がなかったのがあれだけどね。
ホムラちゃんは柱のことは分かってたけどどうやら柱を立てて無くて洞窟が崩壊しているとは思ってなかったみたい。
まあ、実際に見ているわけじゃ無いんだし仕方ないんだけどね。
でもこういうのが分かったのと今までの失敗のノウハウからかなり前進できたよ。
多分最初から分かってても意味なかったと思うしね。
『よ~し、ようやく完成だよ。これで洞窟の完成だよ』
空気も注入し終えても洞窟は倒壊しなかった。
一度休んだからか知らないけど以前より錬金技術がしっかり使えるようになったからね。
自覚はなかったけど結構疲弊してたんだろうね。
また倒れて迷惑掛けないように気を付けないとね。
『出来上がった洞窟は一日様子見してその後に設備を建設していこう』
『そうだな。とりあえず、今日はこの辺で切り上げるか』
つづけて次の洞窟を作る気でいたけどそういえば倒れたばかりだったよ。
ものは出来上がったわけだし急いで作る必要は無いよね。
『そういえば最近拠点でホムラが作ってるあの機械って何なんだろうね』
機械? ああ、言ってたでござるな。
『スキルを習得させるための装置だと言っていたでござる』
『スキルを!? 試練とか受けないと手に入れられないものだよな!?』
『ドルフィス、武技もスキルの一種だぞ。全部が全部試練が必要なスキルばかりじゃ無いんだよ』
武技ってスキルの一種だったんだ。
となると錬金技術もスキルの一種だったりするのかな?
『そうなのか。だが、わざわざ習得させるための装置なんて何のために・・・・・・』
『アイテムボックスのスキルかな?』
答えようと思ったらコクウちゃんに言われた。
というか・・・・・・
『知ってたのでござるか?』
『いや、あれが何かは知らなかったけどわざわざスキルを習得させるための装置を作るんだとしたら状況的にそれかなって思っただけだよ』
『アイテムボックス・・・・・・まさか収納系のスキルか!?』
まあ名前で何となく分かるよね。
アイテムボックスって要するにアイテムを入れるボックスって事だしね。
それがスキルにあるって事は必然的に収納系のスキルになるわけだよ。
『ストレージの劣化版ともいえるスキルだね。ちょっと前にビュウスが作ったスキルなんだよ』
『ちょっと前っていつくらいだ?』
『ヒュルリ砂鉄山での訓練が終わる頃あたりかな?』
そんなに前にビュウスさんが作ってたんだ。
宙に浮かぶ槍を操っていてイティアさんに振りまわされている人ってイメージしか無かったけど・・・・・・
『そんな前にあいつが作ってたんだな。だとすると何故習得させなかったんだ?』
『そんなの言うまでも無いでしょ。必要なかったからだよ。試練を受け始めてようやく必要だって分かったんだしね』
だよね。
それまではホムラちゃんが居ればアイテムの大量入手は問題なかったわけだしね。
クラフター無しで冒険に出れば話は変わってくるんだろうけどね。
『ホムラは工房の資料にアクセスしてたまたま見つけたんだと思うよ。じゃなきゃもっと前に作り始めててもおかしくなかったしね』
『そうなるとなんでコクウはそのことを教えなかったんだ?』
確かに。
コクウちゃんはアイテムボックスのスキルの存在を最初から知ってたみたいだしなんで言わなかったのか気になるよ。
『そりゃ、試練中にスキルを習得する設備なんて作れるなんて思ってなかったからだよ。それに外に戻ってもスキルを習得する設備は購入できないしね』
なるほどね。
ホムラちゃんも貴重な設備とは言ってたしね。
しかも一つのスキルを習得するのに特化させてようやく作れたって言ってるからちゃんとした設備はかなり入手困難なんだろうね。
『こうなるとエネルギー問題を解決すれば一気に色んな問題が解決しそうだ。拠点も大きく広げられるんじゃ無いか?』
大きく広げられそうだね。
広げられないのは材料不足のせいだからね。
大量に確保出来れば当然広げられるよ。
『ならエネルギー問題を解決していかないとな』
そんな会話をしながら私達は拠点へと帰還した。
ビュウス「いくらホムラでもスキル付与設備を作るのは現地点では無理だよな」
ホムラ「特化させればギリギリいけそうだね」




