055 アルターが示した希望
◇ ◇ 6月24日 海底の大地 アルターの洞窟 ◇ ◇
さて、昨日はいくつか転移ポータルを発見して探索終了だ。
オボロたちも2000m台の水圧になれてきたのか動きが結構スムーズになってきた。
でも、急激に成長しているって感じは無い。
地道に一歩ずつって感じだ。
「これは、間に合うのか怪しいね」
「だな。コクウの耐えられる深度6000mを耐えられるようになるかは怪しいな」
「エネルギー増幅訓練のおかげである程度は加速的に鍛えられてるだけでござるからな」
今までの修行が昇華して一気に深海まで潜れるようになってるだけだしね。
だからこれ以上一気に深海に潜るのは厳しいんだよね。
「コクウはどう思う?」
「元々駄目元だったしね。どこかで頭打ちになるのは目に見えてた。本来なら数ヶ月掛けて行わないと行けないしね」
一ヶ月でここまでいけたのは奇跡的だよとコクウは呟いた。
こうなるともう間に合いそうに無さそうだね。
「まあ、期日を過ぎるにしても元々それそのものは必要なんだしこのまま続けていこう。天空都市はまた別の機会にでも探そう」
「そうだな。とりあえず、ゆっくり時間を掛けて探索していこうか」
多分手に入れる前にイベントが挟まるだろうからずっとって訳にも行かないだろうけどね。
「にしても、アルターは今日も居ないね」
「昨日戻るときに一度寄ったのにいなかったでござるからな」
一体何処に行ったんだろうね。
そう思っていると洞窟の入り口から物音が聞こえた。
水から這い上がってきたのはアルターだった。
噂をすれば何とやらってやつだね。
どうやら今戻ってきたみたいだ。
「おや? 偶然だろうがたまたま会えたな」
「まあ、探索前に寄ったからね。今までどこに居たの?」
私が聞くとアルターはにやりと笑った。
「ちょっと苦戦したがいい情報がある。一時的に冒険者に掛けられた枷を解き放つスキルを習得する試練。その情報をな」
「試練!? しかも枷を解き放つって・・・・・・」
そんなのありなの?
「といってもこの世界の住民以外は枷はずれないからオイラが試練を行っても意味なかったけどな。生存も極めて困難な水中でいろいろしなきゃいけないし生存可能エリアが無いし水圧が変わる場所があるしで大変だったよ」
ああ、ちゃんと信用のおける人しか解放されないようになってるのね。
でも、短時間とはいえ戦闘者に匹敵するちからを得られるのは凄くいいね。
「クリアしてきたんだな」
「クリアしなきゃ情報として渡せないだろ。にしても一年近く向こうにいたのにまだここを探索してたんだな」
てっきりもう別の場所に行ってるかと思ってたとアルターは呟いた。
これってもしかして・・・・・・・
「なあホムラ、お前の受けた製作スキルの試練って・・・・・・」
「時間が加速する場所だったよ。アルター、君と分かれてからまだ二日しか経ってないんだよ?」
「え? マジで?」
あはは、コレは希望が見えてきたね。
試練の内容が水中での活動だし水圧の変化する場所もあるから訓練として最適だね。
「その情報はいくらで買える?」
「いくらでといわれるとまあ素材での交換になるな」
私はすぐにアルターに素材を渡して情報を購入した。
アクターメタルは拒否されたけどコネクトグラスは異様に食いついた。
そりゃかなり優秀な素材だもんね。
一目見れば欲しくなるよね。
「うわ、試練の場所まで到達するのも結構厳しそうだね」
「完全に迷路だね。しかも迷いの森の性質を持ってるから達が悪い」
よくアルターはここを発見できたね。
これは発見自体困難だよ。
「・・・・・・こういう地形ヒュルリ砂鉄山にもあった気がする」
「ヒュルリ砂鉄山にそういうのあったの?」
まあ数ヶ月もいたんだし探索してるよね。
「飢餓の洞窟って名付けた場所なんだよ。歩いていると急速にエネルギーが減少していく洞窟なんだ。とてもじゃないけど突破は難しいから探索してないんだよね」
「そんな危ない場所があったの!?」
そういえば危ないからあそこには近づくなとか言ってたおぼえがあるね。
ひょっとしてあそこに飢餓の洞窟があるってこと?
「ちなみに似てるというのは?」
「迷路になってるところだね。しかも迷いの森みたいに錯乱してくるところも同じ」
とういうことはこの海底の試練の洞窟にもなにかみょうなものがあると考えてもいいだろうね。
「よし、皆気を付けていこう」
私達はアルターに教えて貰った洞窟に向かって出発した。
シャウラ「冒険者のリミット解除の試練? 海底にあった? そこにもあったんだ。灼熱の大地にあるあそこだけじゃ無かったんだね。まああそこは占領されてるから使えないんだけどね。理由が理由なだけに非難はできないしね」




