054 潜水艇は望めない
◇ ◇ 6月23日 海底の大地 ◇ ◇
水圧を耐える為の訓練をしながら私達は海底の大地を探索していた。
出来るだけ強い水圧に長時間耐えれた方がいいからね。
もっと深い所に転移ポータルがあればそこを目指すのが良いだろうと言う考えだ。
既に転移ポータルの位置が分かってるから昨日みたいに大慌てで探索しなくて済むからじっくり水圧に耐える訓練をしつつ探索が出来る。
とりあえず、海底の大地の特殊なエリアを探そうと考えてる。
特殊なエリアには転移ポータルがあるからね。
付近を探せば見つかるだろう。
『ところで、海底の大地の地図はシャウラは入手していたのか?』
『居ないみたいだよ。というか流石に水中を生身で探索する人がほとんど居なかったみたいで探索履歴がほとんど無かったんだって』
転移ポータルは誰が作ったのか分からない代物だからね。
当然その時の探索履歴なんて残っては居ないだろう。
『なんで砂鉄の大地は探索されてるのに海底の大地は探索されてないのでござるか?』
『いや、当たり前だよ。僕達はプレイヤーの転移の力の恩恵を受けてるんだ。空気の確保、休憩所の確保が極めて困難な水中を生身で探索出来るわけがない』
『おまけに転移ポータルの祭壇がすごい分かりにくい位置にあるしね。アルターが再起動させたって話だしアルターが来るまでは安全地帯が存在してなかった可能性が極めて高い』
そういうわけだから砂鉄の大地以上に探索が厳しい場所がここなんだよね。
灼熱の大地も大概だけど諸々の都合で探索が厳しすぎるんだよ。
耐性さえつければ休む場所も確保出来る地上と違って空気をどこかで確保しないと生存すら危ういのが海の中だからね。
転移ポータル無しだと基本乗り物かなんかで乗って移動するだろうしまともに探索なんてされてるわけが無い
さらにいえば転移ポータルの祭壇のおかげで生存可能な安全地帯が出来上がってたらしいしアルターが再起動させるまでは安全地帯そのものが存在してなかっただろうしね。
まともに探索されてたらあちこちの祭壇をアルターが再起動するなんてことはしないだろうからね。
『という事は相当難易度が高い探索って事か?』
『まあ、乗り物なしでの海底探索って地点で難易度はかなり高いと思うよ』
『流石に短期間で潜水艇を作るのは無理があったから出来上がってないんだよね』
海辺の工房では潜水艇の作成が行われてるけど水圧に耐える装甲とか技術が見つからないとかで出来てないからね。
こんな短期間で作れるような物じゃ無いよね。
ゴーレムの作成も数ヶ月かかったしね。
超加速空間じゃなかったらとんでもない日数が経過してたしね。
『あれ? スキル習得の超加速空間で試作とかは・・・・・・』
『あっちの世界には肝心の海が無いから試験運用が出来ないんだよ。水圧が問題になる程深い湖もないしね』
そもそもちゃんとした水の湖は一カ所しかないしね。
しかもプールに出来るくらいには浅い湖だ。
『海が無いのでござるか?』
『もっと探索すれば行けたんじゃ無いか?』
そうでも無いんだよね。
『試練の目的である天かける船である飛行船を作らないと移動できないからね』
『ってことは舞台が空に浮かぶ島なのか?』
『あ~ってことは探索限界が最初からあった訳か』
飛行船を動かした地点で試練突破で元の世界に戻っちゃうからね。
新たな島に移動しようにも移動できないからね。
『となると潜水艇の試作は向こうで出来ない訳か。飛行船は作れたのか?』
『作ってない。必要ないからね』
そもそも私が飛行船のコアを作らないと動かないしね。
それに向こうで見つけた万能素材をこっちで全部見つけてるわけじゃ無いからね。
作れるとは思うけど今は優先させるべき事がほかにあるしね。
『となると船も厳しいのか?』
『船は小型モーターボートなら作れるけど正直意味ないと思うよ』
転移ポータルもあるし逆に時間がかかるでしょ。
『無理して乗り物を使う必要はないでしょ。潜水艇も作れたとしても深海まで到達できるか分からないし素直に水圧を克服した方が早いよ』
まあ、限界深度を伸ばすのは正直難しいしね。
結局の所そうなるんだよ。
『よく考えたらそうだよな。はぁ・・・・・・こんな調子で本当に間に合うんだろうか』
間に合うかどうか正直微妙だしね。
でも、やれることは一個ずつやって進めていこう。
シャウラ「ところで潜水艇はできた?」
セルフィス「一応出来たよ。ゴーレム技術を使って動くようにしただけだけどな。深度700までなら耐えられる。空気の浄化とかは今のウチには荷が重すぎる」
シャウラ「だよね~。手持ちの素材じゃそれが限界だと思ってたよ」
リフェリス「こいつ、こんな性格だったか?」
ビュウス「フィルは物を作ると性格が変わるんだよ」




