053 水圧に耐える為に
◇ ◇ 6月23日 海底の大地 アルターの洞窟 ◇ ◇
一日が経過して再び海底の大地にやってきた。
海底神殿の洞窟のことはアルターの居る洞窟だからアルターの洞窟と名付けた。
けっこう安直な気がするけどね。
「あれ? アルターの姿が見えないね」
「どうやら外出中みたいだね。常にここに居るわけじゃ無いみたいだね」
アルターの屋台には所用で外出していますと書かれている。
私達くらいしか来そうに無いのに本気で店を開いてるつもりなんだね。
「まあアルターはそのうち戻ってくるだろう。僕達は僕達でやるべき事をしよう」
「ってことは水圧を耐える為の訓練か? また訓練かと嘆きたくなるな」
だよね。
結構訓練多めだしね。
正直うんざりするくらい訓練が多い。
冒険してるよりも訓練の時間の方が長いからね。
「とはいえ、ここで限界を迎えてたらいつまで経っても深海にたどり着けないでござるからな」
「ホムラは水圧は平気か?」
「割と平気。というか試練の中でクラフティングアルターの習得試練を乗り越えてから妙に頑丈だしね」
あれを受ける前はシャワーで皮膚が腫れてたのにそういうことがなくなったからね。
でも硫酸<シャワーでダメージが大きいのは何故だったんだろうとは思うけどね。
いくら克服したとは言え硫酸で皮膚が腫れないのはおかしいとは思う。
今となってはどっちも平気だけどね。
「ボクの見立てではホムラは訓練しなくても問題無さそうだよ。少なくとも深海を潜る分にはね。ボクも冒険者のロールが当てられて弱体化してなければ単身で行けたんだけどね」
「って、弱体化してたの!?」
ワイバーンとか瞬殺してたよね!?
それで弱体化してたんだ。
「してるよ。というか冒険者になると戦えない程では無いにせよ戦闘能力が激減するからね。そうじゃなかったらいくら相性が悪いとはいえ本気出してないアルター相手に苦戦はしないよ」
弱体化してなければどうにでもなったんだ。
末恐ろしいね。
「ってことはレクト達も・・・・・・」
「当然、制約は受けてるだろうね。冒険者の制約を一時的に外すスキルなんかがどこかにあれば短時間のパワーアップが出来るようになるだろうね。何処にあるのか知らないけど」
何処にあるのか知らないけどと言っている辺りそういうスキルが存在しているのは確定な訳ね。
「ところでクラフターは?」
「弱体化無しだけど攻撃不能ってところだね。冒険者みたいに身体能力が低下しているなんてことはないよ」
ってことはなんだかんだで冒険者も冒険者で良いところばかりでは無いんだね。
戦闘能力に差があるのは知ってたけど弱体化までするんだ。
「あ!? ってことは外部から入ってきた人達が冒険者になるのって・・・・・・」
「凶悪な力で大暴れしないように縛り上げるという目的があるんだろうね」
なんというかそういう縛りもあったわけだね。
つまりアルターとコクウは本来の力を発揮できてないんだろうね。
元々この世界の住民のオボロ達は本来の力とか関係ないしね。
「というわけでボクも水圧に耐える訓練に参加するよ。深度6000mより深くに居るだろうし簡単にはいかないでしょ」
「確かコクウが耐えられる深度がそこまでだったな。というか6000mって結構な深度じゃないか?」
レクトが疑問を問いかけた。
確か一番深い所で10000m位だった気がするし・・・・・・
「さらにいうと現在の深度よりも強力な水圧がかかる場所に居る可能性があるんだよね。周囲の深度よりも強い水圧がかかる場所に居ないとはとても思えないしね」
あ~そういえばあちこちで変な環境の場所があったもんね。
当然とんでもない水圧がかかる場所もあるよね。
「あ~そういう可能性もあるのか。ということは10000mとかそんなレベルじゃ無い水圧を克服しないと行けなくなるのか?」
「だろうね。最低でも倍を耐えられないと難しいと思うよ。あと水圧の変化にもね」
って、水圧の変化ってそれはえげつない。
いきなり水圧が低くなったら爆発するかもしれないしね。
思いっきり何かを押してたらそれが急に消えたら勢い余って飛び出す、そんな現象が全身で引き起こされるんだからね。
「クッソ、水圧は予想してたけど水圧の変化とか予想できねぇよ。それに対応できないと下手したら身体を破裂させてしまいかねないぞ!」
「内側からエネルギーを使って押し返して原形をとどめるという感じで水圧に耐えてるからね。そうなるのは必然だよ。でもコレの訓練方法はどうしようかと考えてるんだよね」
確かに、水圧の変化の訓練とか簡単にできるものじゃない。
水圧が変化する場所でも見つけないと無理でしょ。
「とりあえず、今は水圧に耐えれるように訓練をしていこう。ここの探索どころじゃ無いしね」
「そうだね。水圧の変化とかは考えずできることからやっていこう」
ただでさえ時間が無いのに訓練する方法が無いとかやめて欲しいよ。
そんなことを考えつつ私達は訓練を開始した。
コクウ『本当にどうやって水圧変化を訓練したら良いかな?』
ホムラ『探すしか無いよね』




