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049 アルター・パンドラ

 ◇ ◇ 6月22日 海底の大地 ◇ ◇


 水深2000メートルに到達しようとしていた。

 未だに転移ポータルが見つからない。


『そろそろ僕達は水圧でまともに動けなくなりそうだ』


『水圧そのものにはエネルギーを使って耐えられるでござるが動きが鈍るのは死活問題でござる』


 そして、レクト達はついに限界を迎え始めた。

 水圧で身体がまともに動かなくなってきたのだ。

 全身が水の重りを纏ってるようなものなのだから当然だけどね。


『これは中々厳しい事態になってきたね』


『いそいで転移ポータルを探した方が良いんだけど、見つからないんだよね』


 どうやらここは海底の大地と呼ばれる場所らしいんだよね。

 おそらく砂鉄の大地や灼熱の大地みたいなのと同じだと思うから転移ポータルがどこかにあると思ったんだけど見つからない。

 海底の大地は名称こそマップで分かったけどマップ情報未取得だからどこにポータルがあるか分からないからね。

 本当に何処にあるんだろうか?


 海底付近を泳ぎながら探してるけど未だに見つからない。

 そろそろレクト達がエネルギー切れというより体力切れで動けなくなりそうなんだよね。

 ずっと重い鎧を慣れているわけでも無い水中で着ているようなものだしね。


『ん? これは生体反応?』


『生体反応? それを今言うってことは人?』


 人なんだよね。

 誰かがいる。

 しかも、その周囲には空気がある。

 転移ポータルがなくてもそこでなら休めそうだ。


『とりあえず、その周囲を探ってみよう。入り口が見つかるかもしれないからね』


 私達は生体反応がある岩山にやってきた。

 岩山の下の方に入り口があった。

 色んな仕掛けが入り口に施されており水が減圧されるようになっていた。


 これを見る限りどうやらこの中に誰かが住んで居るみたいだね。

 それなりに高度な術式だ。

 私にも作れるけどそういう知識はないから適切な形で作れと言われても難しいだろうね。

 それ以前にこれを維持するエネルギーをどこから持ってきてるのか分からない。


 私達が洞窟の中に入って水中から出るとそこには誰かが居た。

 なんか店みたいな建物の前でボロボロのパーカーだけを羽織った一人の少女がそこにいた。


「いらっしゃい。オイラの店にようこそ」


 白い髪で薄い水色の瞳の女の子だった。

 少女は私達を見てなんとも思ってないみたいだ。


「店? 店なのここ?」


「オイラの店だよ。焼きそばパンにホットドックの二種類しかない」


「それ、焼きそば単体も増やせるよね?」


「それはオイラのポリシーに反する」


 いや、炭水化物on炭水化物の料理が良いってこと?


「てか、なんでこんな誰も来ないところで商売なんてしてるんだ?」


「まあ、遭難したからだ。水深が深すぎてエネルギーが持たん。海の上に出れたところで陸がどこかわからなきゃ何処にも行けないしな」


 いや、そんなあっさり遭難したとか言うなよ。

 てかパーカーがボロボロなのはそういう理由か。


「とりあえず、その格好はあまりよろしくないし水着をあげるからこれを着て」


 私はストレージに収納してあった布を錬金術で加工して水着にして少女に渡した。


「おお、ありがたい。オイラの錬金術じゃ布は作れなかったからな」


「って、君も錬金術あつかえるんだ」


 いそいそと水着を着る少女に私は尋ねた。

 てか、男性もいるのに割と堂々とその場で着替えてるね。

 まあ、レクトは気を遣って後ろを向いてるけどね。


 ドルフィスはコクウにハッ倒されてる。堂々とみてたんだね。

 まあ、ドルフィスはそういうの気にしないだろうし仕方ない。


「さて、と。とりあえずオイラの自己紹介でもしておくか」


 水着を着た後、ボロボロのパーカーを着てくるりと振り返った。

 その両目はさっきと違って青く光り輝いていた。


「オイラの名前はアルターだ。よろしくな」


 こうして私達はアルターという少女と出会った。

レクト「ところでどうやって焼きそばとかをはじめとする食料を手に入れたんだ?」

ホムラ「十中八九錬金術だと思うよ」

レクト「いくらなんでも万能すぎるだろ!?」

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