041 水中戦闘の厳しさ
◇ ◇ 6月11日 かつての水竜岬 ◇ ◇
「ぜーハーぜーハー」
「あはは、予想以上に駄目だったね」
「笑い事じゃない気がするけどね」
まさか酸欠になるなんてね。
私とコクウは平気だったけど動いている最中に皆酸欠になってた。
恐らく体内の分解をしながらの水中戦闘は想像以上に難易度が高かったんだろうね。
「はぁはぁ・・・・・・コレじゃあ厳しいでござるな」
「戦闘よりも先に水中活動を身につけた方がいいのかもしれないね。ボクも余り動けてなかったし・・・・・・」
「ふふふ、ちょっと私に考えがあるんだよね」
まあ、深海に行く上で短期間で耐性を獲得するにはどうしたらいいかを考えてたんだよ。
考えて考えて気がついた。
「何をする気でござるか?」
「肉体改造を行うんだよ。文字通り体を錬金術でちょっとね」
「それはもうマッドサイエンティストの考えなんだけど!?」
確かに狂った科学者の発想だよね。
でも、私自身の体を見てて気がついたんだよ。
これって、かつての私自身が自らの体を錬金術で改造した痕跡みたいなのがあるなって。
まあ、気がついたのはとんでもないスキルを手に入れる為に奔走したのがきっかけだけどね。
無意識に体が動くとかそういうのから時間を掛けて解析していった結果見つけたんだよ。
「大丈夫だよ。酷いことにはならないから」
「いや、既に発想そのものが駄目な気がするけ、ござるけど・・・・・・いや、硫酸の湖の地点で今更な気もするでござるな」
よく考えたらそうだね。
既に今更って感じだよ。
「ボクとしてはいいと思うけど具体的にどうやって改造していくつもり?」
「シンプルに水から酸素を取り込めるようにするという感じだね。エラ呼吸とかではなく皮膚からそういう事が出来るような機能を産み出すという感じかな?」
皮膚に肺と似たような機能を作り出すといった感じかな。
「それはもう人類のできるじゃない気がするでござるな」
「何言ってるの? ボクも君も皮膚呼吸は僅かだけどしてるんだよ?」
「そうなのでござるか!?」
コクウの言うとおりだね。
最も先祖の名残みたいなものだけどね。
人の大きさでは皮膚呼吸してもほとんどまかなえないから完全に肺とかに依存するようになったって感じだしね。
「それを徹底的に強化するんだよ。ちなみにやることは今までと変わらないんだけどね」
特殊な薬品を飲んでまず足から空気を吸うという感覚をつかませる。
そして次は面積を広げてそして完全に水の中に浸かって活動するといった具合だね。
「結局はこうなるんだな。で、その薬品はどうやって作るんだ?」
「いや、薬品よりも先にやることがあるよ。その薬品が効果を発揮するように体をちょっと弄らないとね」
「え!?」
私は手始めに近くに居たレクトに触れ改造を施す。
まあ、簡単だしすぐに済むよ。
ただし、凄く痛いけどね。
「グゲェ・・・・・・・」
レクトは変な声を上げて倒れた。
急にされたということもあって痛みに覚悟を持たないままされたから気絶したんだろうね。
仕方ないと言えば仕方ないかな。
「さあ、オボロとドルフィスもやろう」
「ちょっとまて!? なんでレクトは今倒れたんだ!?」
「拙者達は何をされるのでござるか!? その改造は本当に大丈夫なものなのでござるよな!?」
どうやらレクトが変な声をあげてそのまま倒れたから不安になってるみたいだね。
事前に色々と教えておくべきだった気がするね。
「安心して良いよ。一瞬凄く痛むだけだから。すぐに収まるよ」
「ああ、なら安心でござるな」
「いや、安心でござるなじゃないだろ!? 気絶する程痛むってとんでもない痛さなんだろ!?」
う~ん、これじゃあドルフィスに処置が施せないよ。
よし、こうなったら・・・・・・
「コクウ、ちょっとドルフィスを動けないように押さえてて」
「わかった」
「ちょ!? コクウ!? あ、ま・・・・・・グベェ」
私はコクウが押さえた隙を見計らってドルフィスに処置を施した。
ドルフィスはそのまま気絶したけど問題は無いだろう
「さて、最後はオボロだよ。覚悟は良い?」
「いいでござるよ。といってもどうせ無理矢理するのでござろう?」
まあ、そうだけどね。
私はオボロにも処置を施した。
「一瞬凄い激痛が走ったでござるがそれほどではないでござるな。レクト兄も情けないでござるな。この程度の痛みで気絶するようじゃ今後が大変だと思うでござるよ」
だね。
とりあえず、薬品とか作らないとだし今日の特訓はここまでにしておこうかな。
ホムラ「痛みで倒れるなんて情けないよね」
オボロ「痛みだけで倒れるのは情けなすぎるでござる」
コクウ(耐えられるのは君たちが常に痛みにさらされてるからなんだけどね。まあ情けないのはじじつだし黙っておこう)




