表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/298

034 メルトチョコレートゴーレム

 ◇ ◇ 6月2日 炎の大地 チョコレート草原 ◇ ◇


「チョコォォォォォォ!」


 出現したのは溶けたチョコみたいなスライムではなかった。

 いや、一見するとチョコスライムにしか見えないんだけどね。


「やっぱりスライムか」


「違うよあれは・・・・・・・」


 あのチョコスライムみたいなのにはコアがある。

 天然物みたいだけどあれを私が見間違えるわけが無い。

 あれは・・・・・・・


「ゴーレムだ」


「はぁぁぁ!?」


 恐らく本にあったメルトゴーレムって奴だろうね。

 流動するスライムみたいなゴーレムだ。

 核の存在するスライムと非常によく似てるけどね。

 でも明確に違うんだよね。


「ゴーレムだからスライムみたいな捕食攻撃は使ってこない。けどその代わりかなり強いから気を付けて」


 スライムみたいに捕食してこないんだ。

 というかよく考えたら捕食という特性があるからスライムが隠れるなんて不自然にも程があったね。


「メルトゴーレムね。天然物のゴーレムなんて珍しいね。ましてやメルトタイプともなるとね」


 コクウの言うとおりだね。

 そもそも人工のメルトゴーレムも珍しいからね。

 理由はまともに作れないから。


 動作が複雑すぎてどうすれば良いのか分からないから作られないんだよね。

 さらに、素材もいろいろと選別しないと作れない。

 更に言えば、かなり苦労を重ねて作り上げて出来るのがほとんどと言って良い程役に立たないスライム擬きだ。

 なんせ出来ることが限られて用途がほとんど言って良い程無いからね。


 正直、私でも作らないだろうね。

 作る意味が分からないレベルだもん。

 液体状のゴーレムでどうするつもりなのって感じだよ。


「ところでどうやって戦うんだ? 核があるらしいが見えないぞ」


「そんなものこうすれば良いんじゃ無いかな? 【硬化術(キュアリング)】」


 メルトゴーレムに触れて流動するチョコレートボディを固めた。

 まあ、何らかの方法で溶けた体が固められると動けなくなるという致命的な弱点を抱えてるから意味ないんだよね。

 スライムだと錬金技術は効きづらいけどゴーレムとなると普通の素材と同じように通じちゃうからね。

 そしてそのまま腰に携えていた包丁を抜いて【切断術(カッティング)】で斬り裂いた。


「おいおい、僕達の力なしで倒せるのかよ」


「倒せないよ。私はコアを露出させることしか出来ないからね」


 モンスターに直接的なダメージは与えられないからね。

 血を抜き取るとか耐性を剥がすとかそういうことは出来るけど向こうがそれ以上すると死ぬとなると急に出来なくなるからね。

 何処までいってもクラフターは戦えないようになってるんだよ。

 まあ、コアを露出させられる地点で割とその辺のルールガバガバな気もするけどね。


「というか呆然とみてないで止めさして」


「あ、ああ【砲撃矢】!」


 レクトが大砲のような矢を放つスキルを使ってメルトゴーレムにとどめを刺した。

 あっけない決着だったね。


「これなら試練中にこいつを倒せたんじゃ無いか?」


「モンスター相手に錬金技術を使えるようになったのは終盤だから無理」


 それも試練中にもう一つ試練を行うというとんでもないことをさせられて習得したからね。

 まあ、あれは厳密にはモンスターに見えるだけの別物だったんだけどね。

 でもそれがあったからこそ動いているモンスター相手に錬金技術が行使できるようになったからね。


「終盤ともなるともう材料集めきってただろうしわざわざ戦うという発想にはならないか」


「次もあるというのは分かってたしね」


 上位スキル獲得のためにもう一度訪れることになるのは最初から分かってたことだしね。

 今度は冒険者なら連れて行けるという仕様だからね。


「ところで、このメルトチョコスライムじゃなかった、ゴーレムは食えるのか?」


「食べられるよ。全身余すことなくね。私の見立てだとゴーレムコアも食材だね」


 ゴーレムコアを手に見た感じだと超濃厚で甘いチョコだ。

 スイーツモンスターと言っても過言では無いだろうね。

 コアもそのままかぶりついて食べられそうだ。


 でも、そうなるとこのゴーレムコアがどういう風に動いていたのか完全に謎なんだよね。

 天然物のゴーレムってよく分からないものが多いらしいしね。

 多分壊した瞬間に動いてた何かは駄目になったみたいだし今のこのゴーレムコアはただのチョコでしか無いね。

 どうにかしてコアだけを確保することが出来れば良いんだけどね。


「おお、そのコアも食べられるのか!?」


「・・・・・・まあいいか。コアも帰ったら調理してお菓子にするよ」


「よし!」


 ドルフィスが私の言葉で喜んでいる。

 とことん甘党だね。


「よしじゃ無いが。ホムラ、本当にいいのか? それは研究に使わなくて良いのか?」


「使えそうに無いからね。使うときは生きて捕獲して研究することにするよ」


 死んだ状態だと意味ないことが分かったからね。

 生きた状態で捕獲する手段は持ち合わせてないから仕方ない。


「それじゃあ、草を手に入れたら工房に戻ろうか。今回の探索はここまでにしよう」


 ドルフィスが凄いやる気を出して草を刈ってくれたおかげで大量にチョコ草が手に入った。

 チョコ草の安定入手の為にも植物育成とか行っていかないとね。

 イベントではアイテムを持ち込めるけど工房そのものは向こうで再建築しなければいけない。

 その時持ち込んだチョコ草を大量に育てられるようにいろいろとやっておかないとね。


 イベント開始は七月の終わり頃だ。

 それまでの間にチョコ草の育成方法を見つけてくれることを祈ろう。

シャウラ「と言うわけで。君の役目は栽培ね。チョコ草の栽培よろしく」

ビュウス「・・・・・・え?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ