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019 砂鉄の大地

「ここが砂鉄の大地ね」


 オボロ達のパーティと共に私は砂鉄の大地へとやってきた。

 少々遠かったから二日くらいかかってしまった。

 プレイヤーの野宿が禁じられていなければもう少し早く到着できたのにね。

 ずっとログインし続けられるプレイヤーに対する措置みたいなものだし仕方が無い。


「砂鉄の大地は粉の金属が大量に手に入るんだよね。地面の大半は砂鉄で濾過すればマナパウダーに、クリスタルダストとか色々手に入る。オリハルコンパウダーなんてものも手に入るくらいだしね」


「文字通り宝の山なのでござるな」


「だけど、そう易々とこの宝の山を回収させてくれないモンスターが居るんだよね」


 確かにね。

 地面から伝わる振動で結構近くに来ている。


「レクト、そこに居る!」


「了解!」


 レクトは私の指示に従って私の作ったホビーボウで地面を打ち抜いた。

 ズキューンと派手な効果音と光を弓から放ちながら矢が放たれる。

 その矢が地面に勢いよく突き刺さると地中から金属質な魚が飛び出してきた。


「サンドフィッシュだね」


 まあ、サンドフィッシュのなんなのかまでは分からないけどね。

 取り込んでいる金属で性質が大きく変わる砂鉄の大地に住む生物だ。

 地面から襲ってくるからかなり危険なモンスターだけど、私の感知能力から逃れることは出来ない。


 私って記憶失ったあと凄い痛みに常に襲われてるんだよね。

 怪我している箇所だけで無く、顔、腕、体など全身から常にね。


 最初こそこれはこの大けがが原因だと思っていたけど、そうで無いことに気がついた。

 だって、怪我していないところまで派手に痛むのはおかしいからね。

 手をつねると痛みが更に鋭くなる。


 そういう痛みとずっと過ごしているうちに気がついたんだよね。

 その痛みの詳細を確認していくと見えない箇所で何が起きているのかとかね。

 そしてその技術は割とすぐに獲得出来た。恐らく忘れていただけで元々呼吸でもするかのように使えていた物なんだろうね。


 その技術を思い出してからは私は痛覚のあるゲームでは周囲の状況を詳細に把握出来るようになった。

 見えない場所で潜んでいる敵を見つけたりとか手元を視ずに作業するとか色々と出来るようになったんだよね。

 最初は苦痛だったけどこういうことが出来るようになると結構便利な物だよ。


 だから地面からの震動で痛む肌がサンドフィッシュがどこに居るのかを教えてくれる。

 ほかのゲームよりも再現率が高いからより正確な位置がね。

 動きも読めるから何処に向かうのか分かるんだよ。


「ホムラ殿は凄いでござるな。こんな正確に索敵できるとは・・・・・・」


「戦闘出来ないと言うのを差し引いても凄すぎるだろ。森とかでもお前が居れば奇襲を受けないしな」


「そういうおしゃべりは後にして。まだまだ来てるよ。そことそこ!」


 にしても、サンドフィッシュって私みたいに感知できない人達には居るかどうかすら分からない程の隠蔽能力があるのがやっかいだよね。

 実際、視界内ではなにも変化は無いしね。

 音も極限まで抑えられてるからよほど耳が良くなければ聞き取れないだろうね。

 地面に耳を当てれば気がつけるかもだけど。


「ドルフィスはそこに移動して地面に盾を構えて。防いだところをオボロは攻撃して」


 レクトのホビーボウとリエラのホビーロッドで討伐しつつ、討伐できなさそうなのはドルフィスに防いで貰ってからオボロにとどめを刺させる。

 流石にホビーシールドとか作れてないからしょぼい盾だしかなり厳しいだろうね。

 オボロはそもそも地面に潜む相手に対する攻撃方法を持ち合わせてないからね。


 正直かなりやっかいだね。

 というか、これが一番楽な奴なの?

 私が居る前提で楽と決めつけてない?


 とにかく狩り続けないと危険すぎて採取が出来ない。

 とりあえず、半日くらいかけてようやく殲滅した。


「ようやく終わった・・・・・・魔力がすっからかんだ」


「矢を撃つ練習しておいて良かったね」


「そうだな。そうじゃ無ければホムラが即席で作った矢を使うことは出来なかった」


 錬金術で砂鉄を矢として作ったからね。

 質は悪いし重いしであまりよろしくない矢だけど練習のおかげで問題なく射れたみたいだ。


「なんか、あの怠惰な女が予想したとおりの状況に陥ってしまったことが釈然としないな」


「シャウラは怠惰に見えてもやるときはやるからね。そもそも工房運営してるのはシャウラだからね」


 結構負担かけてる自覚はあるしレクトとシャウラの関係がまともになることを祈りたいけどね。


「僕も考え直す必要はあるのかもしれない。だが、それよりもまずは素材採取だ。再びサンドフィッシュが集まる前に回収できるだけ回収するぞ」


 事前に用意していた樽に大量に詰めていく。

 樽がいっぱいになったらストレージにしまって空の樽を出してを繰り返してようやく空の樽が無くなった。

 百個くらい用意してたけども・・・・・・ここまで大変ならもっと持ってきて良かったかもしれない。

 ストレージは無制限だしね。


 さて、次に向かうのはここの隣接地帯の湖だね。

 奥地は本気で危険だから避けつつ向かおう。

 目指すはリスリウムの湖だ。

 出発進行!

イティア「あ、くれるの? ありがとね」バクッガキン

ゴブリンキング「!? 俺の魔剣が・・・・・・食われただと・・・・・・」

ビュウス「よりにもよってコイツの顔面に剣を叩きつけるとは・・・・・・・馬鹿な奴」

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