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013 オボロと刀づくり

「えっと、本当に良いんだね?」


「二言はないでござる」


 まさか、こうなるなんてね。

 工房ランクが上がったおかげで砂鉄の大量入手が可能になったからようやく刀作りが出来る。

 出来るんだけれども・・・・・・まさか、オボロが刀を自分で作りたいと言い出すとは・・・・・・


 しかも生産者としても登録して刀鍛冶を本格的にする気で居る。

 冒険もするし刀鍛冶もする。二足わらじを履く気だよこの子・・・・・・

 まあ、オボロがいいなら良いんだけどね。

 金属系はまだ人に教えられる程極めているとは言いがたいし生産者を増やせる程資金に余裕がないらしいから当分は三人でやっていくことになるだろうね。


 え? 二人は私とオボロ、もう一人は誰かって?

 それは決まってる。


「決意ハ固いんダシ、さっサト始めようじゃなイカ」


 ロギロスだ。

 というか私達がロギロスに色々教わる立場だ。

 なにせ私が木工で色々教えている間、機械のアップグレードの為に鍛冶を始めたからね。

 工作機械でいろいろと金属加工してたけど、どうも今の機械の性能だと鍛冶で作った方がいい切れ味の刃物が作れるとか何とか・・・・・・

 それで鍛冶を始めたらしい。


 そして一足先に刀を完成させて店に売りに出してるんだよね。

 私が作っていない間の金属剣もロギロスが作ってたみたいだしね。

 まあ、鞘は作り方しらべて木材加工で作ってたしね。

 だから既にロギロスが刀を作ってたことは知っていた。


「ホムラ殿をずっと待っておったのだ。ホムラ殿が居ないと作り方を教えないと言われておってな。シャウラ殿が教えてくれたものを理解出来ているかテストするという地獄があったのだ。本当に恐ろしい地獄だった」


 要するに勉強地獄だったということね。

 シャウラのことだから横になりながらやる気の無い格好でやってたんだろうけどね。

 でもあの体勢でもきっちり色々と教えるからね。ちゃんとした体勢でどうこうすれば反感はそこまで抱かれないくらいには頭いいのにね。

 しかも、つまらない話をぐだぐだ話すのではなく、わかりやすいたとえとか面白い話に絡めて確実に理解出来るようにしてくる辺りが凄いんだよね。


 だからか、オボロはそういうのが一切無いテストが地獄だと言っている。

 意外と楽しいんだよね。シャウラの学習教室。

 テストはスラスラとけるのは良いけど退屈って人は一定数居るだろうからね。


「サテ、それじャア作っていクゾ」


 まずはたたら製鉄で玉鋼を作る。

 設備は結構大がかりなものだったけど割と安く買えた。

 というか一部を私に作らせる形で費用を引き下げたらしい。

 だから私を待っていたのか。


 一日で出来るようなものじゃないのでシャウラの元にオボロを返して木材で出来た天秤ふいごよ呼ばれる部分を作った。

 これを作り上げれば今度こそたたら製鉄ができる。

 にしてもかなり興味深い仕組みだよねこれ。


 この設備は近世たたらとよばれる形式によるものらしいね。

 設備の詳細みたけどかなり複雑な構造をしてる。

 かなり緻密に作られた代物みたいだね。

 まあ、深く理解するには時間がかかりそうだけどいまは使い方だけ知っておけば良い。


 4月25日に出来上がったので、私とオボロの二人で炉の両端にある二つの天秤ふいごを動かして空気を送って玉鋼を作った。

 丸一日くらいかけてね。

 そりゃ数が必要だしね。


 4月26日にようやく刀を作る準備に取りかかれた。

 長かった・・・・・・というか今気がついたんだけど・・・・・・


「ロギロスはどうやって刀を?」


「玉鋼ヲ直接仕入れていたかラナ。といウカ気付クノ遅クネ?」


 直接仕入れていたんかい!?

 ちなみにシャウラ曰く、今後魔力基板で改良して自動生成させるためにも私にこの設備を作らせたらしい。

 まあ確かに天秤ふいごとか児童に出来そうではあるけれども・・・・・・


 まあそんなこんなで4月26日にようやく刀作りを開始した。

 何本も鍛えてオボロと一緒に作り上げて・・・・・・


「これぞ、至高の一振り」


「でござるな」


 更に二日くらいかけてようやくオボロに使わせる刀が完成した。

 まあ、前日は玉鋼の補充だったから実質二日で作った物だけどね。

 いや~ほんとうに偶然だけど改心の一振りができたよ。

 これを何本も作れるようになりたいね。


「さて、あとはこれに鞘を作れば完成だね。君の刀だよ」


「拙者の刀でござるな」


 にしても刀にこだわるなら忍者じゃなくて侍の格好をすれば良いのにね。

 作業するときはあんな黒づくめの格好じゃないから素顔を見せてるんだよね。


「にしてもなんで忍者みたいな格好を?」


「拙者は肌がよわいのでござるよ。特殊な薬を使ってないと触れられただけで痛むくらいには」


 ・・・・・・それって普通じゃ無い? それとも普通じゃ無いの?

 この世界の人達は触られて痛まないのが当たり前なんだね。

 だとすると結構問題なのかもね。

 だって情報処理しきれないわけだし・・・・・・


「工房の中なら良いの?」


「まあ、薬の効果が切れれば塗り直せば良いだけでござるからな。外ではそうも行かぬので薬の効果が切れないようにあのような暑い格好をしているのでござる。正直忍者じゃなくて侍の格好がいいのでござるが・・・・・・」


 体質的に無理ってことね。

 レクトの姉も妹も問題抱えてるね。

 まあオボロの体質なおしはどうにでもなるでしょ。

 出来なくても最悪現実の人間みたいに耐えられるようにすれば良いともうからね。


 さて、色々と課題ができてきたけどどれから達成するべきか・・・・・・

 魔力基板も時間がかかるしね。

 とりあえず、あの兄妹が次のステップに進めそうならそれの指導をするのもありかもね。

 よし、それじゃあどんどん頑張っていこうか。

ソニス「オボロの格好が判明したと思ったらホムラの重大事実が判明。しかもホムラは全員が同じだと勘違いしてるよ。風に触れれば痛むのは当たり前ってとんでもない世界だね・・・・・・経験は絶対にしたくない。多分本人にとっては当たり前でも他者にとっては地獄の苦しみだよ」

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