102 コクウの特訓
◇ ◇ Sideコクウ 第二エリア 321日目 ◇ ◇
う~ん・・・・・・
何というか上手く行かないね。
『【雷撃槍】!』
ボクはセクターの雷の邪眼の力を改良して編み出した槍の武技を第二エリアのモンスターに放った。
モンスターは槍が突き刺さるとそのまま沈んでいった。
『違うんだよね。なんかスタンしてるというより槍の衝撃で一撃で仕留めてる感じがする』
とはいえ第二エリアならともかく第三エリアに向かうのはかなり厳しい。
ボク自身まだあそこの水圧を克服出来てないからね。
拠点なしで向かうのは自殺行為だしね。
『下手に強すぎるというのも考え物だね。武技の練習が禄に出来ないよ』
通常攻撃ならともかく武技をつかって手加減するのは困難を極めるからね。
ちゃんと想定通りの効果が発揮できるかどうかを確認するためにはもう少し強いモンスターが必要になるよ。
ハァとため息を吐く。
こうすると上手く行かずにしょぼくれているようにみえるだろうね。
そんな演技をするのはどこに人の目があるか分からないからだ。
ホムラには知られてるけど知らない人は多い方が良い。
ボクには感情が無い。
いや、厳密にはあるんだけどすぐに失われてしまうんだ。
感情燃動炉という特殊な器官を持って生まれたからね。
ボクの発する感情は全てこの炉に吸い込まれて消えてしまうんだ。
だからボクには喜怒哀楽というものはない。
ボクの普段の表情はどこまでいっても演技だ。
喜びも悲しみも笑いも怒りも何もかもがハリボテ・・・・・・それが私だ。
まさに心の中は虚空・・・・・・虚ろなんだよ。
だからボクは欲しいんだよ。
感情をね。色んな人と過ごすことですぐに消えちゃうけど感情を感じることが出来る。
感情燃動炉で他人の感情を奪って炉にくべることは出来るけどそれ自体に価値があるとは思えない。
ボクはボク自身が発する感情にこそ価値があると思ってる。
他人の感情を手に入れても虚しいだけだ。
ボクが姉妹を助けようとするのもそれが理由だ。
会ったことも無い母親とはほとんど無関係で父親が作り出した人工生命体が何かしらの要因で六人に分かたれた六人の義理の姉。
彼女たちに会いいろいろと過ごせば手に入る気がするんだよ。
少しでも多く自分の感情を感じたい。
だからボクは行動するんだよ。
欲しい物を手に入れる為にね。
強欲なボクは欲しいと思ったものは諦めたくは無いからね。
そのためにも少しでも多く力を手に入れないとね。
ボクは所詮感情燃動炉で強くなったに過ぎないんだからそれを使いこなすためにも真の意味で技術を身につけないと。
コレがあるから実質弱体化はほぼ意味ないんだしね。
とはいえ弱くなったんだからこの機会に技術を手に入れないとね。
さて、あともう少しで工事が完了するみたいだね。
ホムラが直接工事すれば一日くらいで終わった気がするけどね。
第三エリアの設備建設のためのノウハウを詰むためにやったんだろうね。
遠隔操作で拠点建築が出来ればボク達の手を借りずにどんどん建設できるからね。
工事が終わったら第三エリアで水圧耐性をつける訓練の再開かな。
第三エリアの突破はもう目の前だしあと少しだね。
それまでには武技を完成させたいところではあるかな。
コクウ「そういえばシャウラが怠惰でイティアが暴食ってボク含めなにげに七つの大罪に関係する人多いよね。嫉妬と憤怒と傲慢と色欲に相当する人が今後出てくるのかな?」




