表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裏話などいかがでしょう。  作者: むかしむかしあるところにね
8/8

 おまけ。バレンタインのその後。






 先生サマが迷宮を旅している間に、一応プレゼントっぽくリボンをかけた額を取ってきた。


 絵自体はおよそA5サイズのささやかなものだけど、額に入れるとちょっとした大きさだ。


 思考に耽っている先生は大抵目の前の物も見えていないので、サプライズもなにもなく、堂々とテーブルに置いた。


 カフェモカを飲み終えても先生サマは帰ってこない。このまま帰還を待つのも手持ち無沙汰なもので、とりあえずスケッチブックを広げて落書きを始めた。


 なにを書こうか。


 バレンタインが過ぎると次のイベントは。


 うん。ひな祭りだな。


 シャカシャカと鉛筆を走らせて、十二単のお姫様だ。


 着物はどんな柄がいいかなー……。




 書いては消し、書いては消し。


 どうにも着物が納得いかない。何か参考になる資料はないだろうかと顔を上げると、先生サマがこっちをじっと見ていた。


「あ、おかえりなさい」


「はい。あなたも」


 他の人が見たら、お互い変な挨拶だ。でも悲しいかなあたしは慣れてしまいましたよ、このペースに。


「ところで、この絵は」


「あ、ハッピーバレンタイン、です。お世話になってる家主サマにも感sy…っ」


 ……なんでこーなる?


 先生サマのペースには慣れたと思っていたけど、イキナリ口を塞がれるのは予想外です。


「……っん……んん?」


 ちょっとマテ? なんでこんなディープな……?


「すみません。とても嬉しかったもので」


 先生サマがやっと口を解放してくれた。


 嬉しい、と言いながら、いつもの逝け面がなにやらいつも以上のオーラを放出している。


 どーして。今そういう流れだったっけ? え? そもそも先生、嬉しいとキスする人?


「あ、えと、その。絵、気に入っていただけたでしょうか」


「はい。あなたの気持ちが、とても嬉しい」


 ? 気持ち? 感謝の気持ちがですか?


 そんなに感激されるほどだろうか。殺風景な書斎に彩りをって気遣いのつもりだ。


 もしかしてあたしが感謝や気遣いを見せるのが珍しいとか!?


「あ、あたしだって、普段から言葉にはしなくても、ちゃんと先生に」


 っっっ!!!


 あたし今なんか地雷踏んだ!? 先生サマの空気がおっそろしーまでにガラッと変わったんですけど!!


「……あなたという人は……」


 な、ななな、なんでっ? ナニゴト!? ほわっつはぷん!?


 え、あれっ………あれれっ!?!












 この後は、まあ、その、ごにょごにょ……。






 素敵な感想頂いたので、先生暴走スイッチが。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ