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転生はかすり傷に入りますか?――エルフJK、好物は干し芋。  作者: ひなゆづ
ぶら探【オカ研共同調査編】

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50/51

さっきまで、いた。


太陽は完全に沈み、人工の灯りも無い。

月も出ていなく、空と地面の境界が消えるほどの闇。


拝殿の鈴紐だけが、白く浮かんで揺れている。


ティナ・カレン・ダークチームは境内を少し進み、拝殿まであと50m。


カレン(振動MAX)

「……なにあれッ!?

骨!?骨が揺れてるッ!!」


ダーク

「……フッ

あれは現世うつしよ隠り世(かくりよ)の隔たりを穿うがつ、共鳴の鐘(パラレル・ベル)だぞ?」


カレン (半分パニック)

「意味わかんないッ!!

わかる言葉で喋ってよッ!!」


ティナ

「カランカランするやつ。」


カレン (納得)

「あ、なんだカランカランするやつか。」


ダーク (敗北)

「……フッ……」


ティナ (辺りを見回す)

「でも、本当に真っ暗だね……

2人とも、転ばないように気をつけてね?」


カレン (ヴヴヴ……)

「……うん。

ティナも気をつけて?」


ダーク

「おう……」


カレン

「てかさ――

ティナは怖くないの?」


ティナ

「わたし?

怖いっちゃ怖いよ?

でもカレン見てると逆に落ち着くんだよね!」


カレン

「どゆこと?」


ティナ

「ほら、わたしよりビビってるからさ。

わたしが冷静じゃないと。」


……


カレン (少し赤くなる)

「……意外と……

頼もしいところあるじゃん……」


ティナ

「そう?

ふたりでパニックになって死にたくないから。

生存本能だよ。」


カレン (スーン)

「……そっかぁ。」


ダーク 、かっこつけようとして深呼吸。


「……スゥ」


ダーク (声が上擦る)

「……あ、安心しろ⤴︎

何かあったら⤴︎俺が守りゅッ!⤴︎」


ティナ

「ん?ごめんダーク君なんて言った?」


ダーク (撃沈)

「……なんでもない……」


その時。


――ザァーーーッ!


ティナ

「うわっ!?

急に風吹いてきた!?」


カレン (頭を抱えてしゃがみ込み)

「ひぃいいい!!!」


ダーク

「……フッ

どうやら歓迎されているようだな……」


風が止んだ。


ティナ

「カレン、大丈夫?

立てる?」


カレン (残りMP(メンタル・ポイント)1.5)

「もうやだぁぁぁ……

帰りたいよぉ……」


ティナ、カレンの前で手を差し出す。


ティナ

「しょうがないなぁ……

ほら、手、繋いであげるから。」


震える手でティナの手を強く握る。


カレン

「……ありがと……

絶対離さないでね!?」


ティナ

「うわ、手ビッチョビチョじゃん!

手汗やばすぎ!」


カレン (赤面)

「今そういうこと言う!?」


ティナ

「しかも振動すげぇ!

スマホのバイブより震えてるよ!」


カレン

「……もうティナ嫌い!」


ティナ

「なんで!?

カレンが怖がってるから手繋いだんじゃん!」


ダーク

「……おい。

ここで仲間割れするな……」


ティナ

「わたしと手繋ぐの嫌なら代わりにダーク君と繋ぎなよ!」


カレン

「それはやだ!

代わりにティナが繋ぎなよ!」


ティナ

「なんでわたしが!?

わたしも嫌だよ!」


ダーク (MPに25のダメージ)

「……ッ!」

「(シュン……)」


カレン

「ちゃんと謝ってよ!」


ティナ

「わかったよ……

酷い事言ってごめん。」


ティナ

「あとさ……

わたしも怖いんだから、カレンも絶対、手離さないでね?」


カレン

「うん!

じゃぁパパっと調査して早く神社から出よ!」


ダーク (ふたりの光景を目の当たりにしながら)

「(……ティナと手を……)」


ダーク (ドキドキ)

「(……羨ましい……)」


ティナ (ダークの方へ振り返る)

「じゃぁ行こっか!」


ダーク

「お、おう……」


3人はついに拝殿前へ。


3人 (拝殿を見上げて硬直)

「」


ティナ (見上げながら)

「……あのさ。」


カレン (同じく拝殿を見上げながら)

「……うん。」


ダーク

「……」


ティナ

「なんで拝殿が“ピンク色”なの?」


カレン

「さぁ?恋愛成就の神様がいるからじゃない?」


ティナ

「……全然怖くないんだけど。」


カレン

「さっきまで怖がってたの、ちょっと恥ずかしいんだけど。」


ダーク

「これなら……

暗黒竜を解く必要も無さそうだな……」


ティナ (暗闇に目が慣れてきた)

「よく見たらあそこに吊ってる絵馬、全部ハート形じゃん。」


カレン

「ほんとだ!可愛い!」


ダーク (しめ縄を見つめ)

紙垂しでも、やけにカラフルだな……」


カレン

「もう普通にさ、お参りだけして帰ろ?」


ティナ

「だね!

リオナ達もすぐ来るだろうけど、先にお参りしちゃお!」


3人、小銭を賽銭箱に投げ入れる。


カランカラン――


ペコッ――ペコッ――


パンッパンッ――


カレン (目を閉じ手を合わせ)

「(人類最強になれますように。)」


ペコッ――


カレン (目を開け、振り返る)

「ふたりとも、なにお願いした――」


…静寂…


カレン

「……え?」


カレン

「……うそでしょ……?

さっきまで隣に……」


風が吹く。

どこからか花の香りのような、甘い匂い。


カレン

「……ティ、ティナの匂いじゃ……ない……」


カレン

「……………………」


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!」


――ティナとダークが消えた。

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