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転生はかすり傷に入りますか?――エルフJK、好物は干し芋。  作者: ひなゆづ
ぶら探【エルフのポーション屋編】

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悪夢と女子会と、特別割引。(イラスト付き)

---

--

-


リリサ

「ここは……どこ……?」


辺りは真っ白な空間。静寂。

風も、匂いすらない。


リリサ

「……ティナは?

ティナァーー!」


……静寂……


リリサ

「何よこれ……

ティナはどこなの……?」


その時、背後から気配が――


「お姉ちゃん♪」


リリサ(バッと振り返り)

「ティナ!?」


ティナ(にっこり)

「うん♪

ティナだよ!

お姉ちゃん、どうしたの?」


リリサ

「どうしたのって……

ここは一体どこなの――」


ティナ

「どこ?って普通におうちでしょ?

お姉ちゃん、大丈夫?」


リリサ

「え……?」


景色がぐにゃりと歪む。

気づくと周りはいつもの我が家。

湖畔沿いの木造の建物、木とハーブの香りが漂う。


ティナ(リリサを覗き込みながら)

「お姉ちゃん……?

大丈夫?ティナ心配だよ……」


リリサ

「え、ええ。

大丈夫よ、ありがとう。

――って……」


ティナ

「ん?」


リリサ

「あなた、今私の事なんて呼んだ?」


ティナ

「え?お姉ちゃんだけど……」


リリサ

「お姉ちゃん!?

あなた、ついに私の事をお姉ちゃんって呼んでくれるようになったのね!」


ティナ

「だってリリサお姉ちゃんはお姉ちゃんでしょ?」


リリサ(感涙)

「うッ……うぅッ!!」


ティナ

「もぉ〜泣かないの!

変なお姉ちゃん!」


リリサ(涙を拭いながら)

「だ、だって……」


ティナ

「見て見て!

お姉ちゃんが喜ぶと思って可愛い服着てみたんだ♪

似合うかな?」


挿絵(By みてみん)


フリルたっぷりのパステルカラーワンピース。


リリサ(ぐすっ)

「ええ。とっても似合ってるわ。」


ティナ

「えへへ♪

お姉ちゃんに褒めてもらえると嬉しい♪」


リリサ

「あなた、やっと女の子らしく――」


カレン

「あー!

ティナばっかズルい!

リリ姉、あたしと一緒にランニングしよ!」


リリサ

「カレンちゃん!?」


リオナ

「あら、リリサお姉様でしたらわたくしと今からティータイムですわよ。」


リリサ

「リオナちゃんまで!?」


ティナ

「お姉ちゃんはわたしのお姉ちゃんなの!」


カレン

「いや、リリ姉はあたしのリリ姉だから!」


リオナ

「リリサお姉様はわたくしのお姉様でしてよ!」


リリサ(天を仰ぐ)

「(あ……私、今死んでも悔いはない。)」


ティナ

「そうだ!

お姉ちゃんにお願いしたい事があるの!」


カレン

「あ!

あたしも!」


リオナ

「あら、奇遇ですわね。

わたくしもですわ。」


リリサ(幸せ笑顔)

「なーに?

お姉ちゃん君たちの言うことなんでも聞いてあげちゃう!」


3人

「「「靴下洗って!お姉ちゃん♡」」」


リリサ(靴下受け取り)

「え……?靴下?

くっさッ!?」


どこからともなくタライと洗濯板が現れる。


リリサ(ゴシゴシッ)

「な、なによこの靴下……

全然匂いが取れないじゃない……」


3人

「「「がんばれがんばれ♡お姉ちゃん♡」」」


リリサ(ゴシゴシッ!)

「うッ……うぅッ……」


3人

「「「がんばれがんばれ♡お姉ちゃん♡」」」


ゴシゴシッ!ゴシゴシッ!――


-

--

---


モンスターが目を覚ました。


リリサ(モゾっ)

「うッ……んん?

私、なんでソファで寝てたの……?」


3人

「「「!!!」」」


ティナ(白々しく)

「お、おはよう……

よく、寝てたね?」


リリサ

「私、何か夢を……

って臭ッ!?」


リリサ、勢い良く鼻息放出。

両鼻に詰め込まれた酢昆布がカレンとリオナへシュート!


――ペシッ!ペシッ!


カレン

「うぎゃッ!?」


リオナ

「ひぃぃッ!」


リリサ

「あ!ご、ごめんなさい!

今のは一体……?」


カレン(ゴゴゴッ)

「……ティナ?」


リオナ(にっこり笑顔)

「……ティナ様?」


ティナ

「あ……えっと……

ごめんなさい!!」


リリサ

「ティナ……?

あなた、私の鼻に何入れたの?」


ティナ

「えっと……その……

“酢昆布”☆」


リリサ

「……」


リリサ

「テ ィ ィ ナ ァ ァ ァ ! ! ! 」


---


数分後。

カレンとリオナに事情説明をされたリリサ、

ティナはこんこんとお説教をされた。


ティナ(しょんぼり)

「ほんとにごめんなさい……」


リリサ

「まったく……

とは言え、元はと言えば私が理性を無くしたせいだわ。

みんなに怖い思いをさせちゃったわね。」


カレン

「はいッ!

ぶっちゃけ怖かったです!」


リオナ

「ええ。

グレイがいなかったらわたくし、今頃どうなっていたのかと……」


リリサ(反省)

「本当にごめんなさい。

お詫びではないんだけれど、

今日は2人が来ると思ってたからプリンを作ってたの。

良かったら食べていって?」


カレン

「いいんですか!?やった!」


リオナ

「いただきますわ!」


ティナ

「あの……わたしの分は……?」


リリサ(キッと睨んで)

「あると思う?」


ティナ(しゅん)

「はい……我慢します……」


リリサ

「冗談よ。

ちゃんとティナの分も作ってあるから。」


ティナ(表情がちょっと明るくなる)

「あ、ありがとうリリサ!」


リリサ

「はいはい。

あとは飲み物ね。

リオナちゃんからもらったハーブティー、失敗したんでしょ?

淹れ直すから、手伝いなさい。」


ティナ

「はいッ!了解しました!」


---


数分後。


ティナ(お盆持ちながら)

「お待たせ〜!

今度は上手くいったと思う!」


リリサ(同じくお盆を持ちながら)

「こっちはプリンよ♪

口に合うといいけど……」


カレン

「わっ!凄い!

生クリームにさくらんぼまで乗っかってる!」


リオナ

「ええ!

とても美味しそうですわ!」


ティナ

「では早速!」


3人

「「「いただきま〜す!」」」


カレン(パクパク)

「おいしー!」


リオナ

「ええ!

まるでほっぺまで一緒にとろけるような口どけですわ!」


ティナ

「リリサの手料理ってどれもおいしいんだよねー!」


カレン(カップをすすり)

「ハーブティーもちゃんと美味しいよ!」


ティナ(ズズズッ!)

「ほんとだ!今度はちゃんとお茶の味がする!」


リオナ(カップを持って)

「ほっとする香りですわねぇ……」


リリサ

「ふふっ

皆喜んでくれて良かった♪」


リリサ(テーブルを囲む3人を眺めて)

「(あぁ……タイプの違う美少女が3人……)」


リリサ(うっとり)

「(尊い……尊すぎる……

これが桃源郷なの……?♡)」


挿絵(By みてみん)


ティナ

「ところでさ、

一応ポーションの取材に来てるんだから、

なんか紹介してよ。」


リリサ(我に返り)

「あ、そうだったわね。

今用意するから、ちょっと待ってて?」


リリサ、研究室から色とりどりの液体が入った小瓶を何本か持ってきた。


リリサ(小瓶をテーブルに並べ)

「皆が紹介しやすいようなポーションを用意したわ。」


カレン

「凄い!

ピンクとか水色とかカラフルで可愛い!」


リオナ

「ええ!

まるで香水のようでお部屋のインテリアとしても良さそうですわ。」


リリサ

「さすがカレンちゃんとリオナちゃん!

美的感覚が“ちゃんと”女の子らしいわ。」


ティナ

「……ん?

今、遠回しにわたし、けなされた?」


リリサ

「じゃぁティナは?

このポーション達を見てどう思う?」


ティナ

「んー、かき氷シロップ?」


リリサ(ジト目)

「……そういう所よ。」


ティナ

「……??」


カレン

「じゃぁまず、このピンクのポーションはなんですか?」


リリサ

「あぁ、それは美容液ポーションね。

化粧水、美容液、乳液これ1本で全部解決。」


リオナ

「まぁ!

これなら朝の忙しい時間にもぴったりですわね!」


カレン

「ティナみたいなズボラな人にもおすすめだね!」


ティナ

「あれ?またけなされた?」


リリサ

「若いうちからお肌のケアはしておく事に越したことはないわ。」


リリサ

「特にリオナちゃんね。」


リオナ

「わたくし……ですか?」


リリサ

「今までお屋敷から出たことがなかったのなら、

紫外線に対する免疫も弱いはず。

紫外線はお肌の天敵よ、すぐシミやシワになっちゃうんだから。」


リオナ(ゾクッ……)

「シミ……シワ……

わたくし、こちらのポーションをおひとつ購入しますわ!」


リリサ(にっこり)

「ご購入ありがとうございます♪」


ティナ

「……」


カレン

「これは飲むんですか?」


リリサ

「いいえ、塗るタイプよ。

使い方は普通の化粧水と同じ。」


カレン(小瓶を持ち上げ)

「へぇ〜!

塗るタイプもあるんだ!」


リオナ

「ポーションは飲む以外の使用方法もあるのですね!

新発見ですわ!」


カレン

「リリサさん、凄いなぁ。

どういう成分が入ってるんですか?」


リリサ

「ごめんなさい、作り方は企業秘密なの。」


リオナ

「あら……

ではこちらの水色のポーションは?」


リリサ

「このポーションは除毛ポーションね。

これも塗るタイプ。」


カレン(目が輝く)

「除毛!?」


リリサ

「ええ。

特にこれからの季節、女の子には必需品でしょ?」


カレン

「あたし、地毛が黒いから目立つんだよね……

でも市販の除毛クリームだと肌荒れちゃうし……

脱毛は高いしなぁ……」


リリサ

「安心して?

このポーションには肌が荒れる成分は入ってないわ。

ムダ毛だけ的確に排除する魔力も掛けてあるし、

脱毛に通うより安く済むわよ。

あとホワイトティーの香り付き。」


カレン

「マジッ!?

よしッ!買った!」


リリサ(にっこり)

「ご購入ありがとうございます♪」


ティナ

「……」


ティナ

「……ねぇ。」


リリサ

「なに?」


ティナ(ジト目)

「さっきからさ、取材という名目で営業してるよね?」


リリサ

「そ、そんな事ないわよ?

2人とも私のポーションが気になったから購入してるだけじゃない。」


ティナ

「用意したポーションが明らかに2人が食いつく効能な気がするんだけど……」


カレン

「まぁまぁ!

買うかどうかはあたし達が決めるんだしさ!」


リオナ

「そうですわよ。

こちらのポーション、気に入りましたらリピートさせていただきますわ♪」


リリサ

「そういうこと♪

2人とも、他に気になるポーションはある?

美容系以外にも、

風邪

疲労回復

痛み止め

ストレス緩和

なんでもあるわよ♪」


カレン

「あ、じゃぁあたしは――」


リオナ

「わたくしは――」


ティナ

「(だめだ……

2人とも完璧にリリサの術中にはまってる……)」


その後、2人は一通りポーションの取材 (?)をし終わった。


カレン(ご満悦)

「リリサさんってすごいね!

美容系から筋トレ系まで揃ってるなんて!」


リオナ(こちらもご満悦)

「ええ!

わたくし、入浴ポーションから日焼け止めポーションまで購入してしまいましたわ!」


リリサ(1番ご満悦)

「ふふっ♪

2人とも、ありがとうね♪」


カレン(財布の中身を確認)

「でも……お小遣い大分使っちゃうなぁ……」


リリサ

「お支払いなんだけど、

ティナの友達割りと、更に割引きする方法もあるわよ。」


カレン

「え?マジですか!?」


ティナ(ジト目)

「(なんか、嫌な予感がする……)」


リリサ

「2人とも、髪の毛ちょうだい?

2、3本でいいから♪」


カレン

「髪の毛!?」


リオナ

「まぁッ!?」


ティナ(悟り顔)

「(やっぱり。)」


リリサ

「髪の毛くれれば、定価の80%オフ。」


2人

「「……ッ!?」」


カレン(リオナを見つめ)

「80%オフなら……有り?」


リオナ(カレンを見つめ)

「……有り……ですわよね?」


リリサ

「交渉成立ね♪」


ティナ

「(2人の髪の毛なんて、何に使うんだろ……)」


ティナ(背筋がゾクッ)

「(うッ……また嫌な予感が……)」


――ぶら探フローレンス家編、無事?取材完了!


放課後ぶらり探検倶楽部。レポート。


■調査場所

エルフのポーション屋


■調査員

カレン・ホワイトロック


■調査結果


場所は湖畔沿い。商店街からまっすぐ湖畔道を行った所。

学校からランニング15分くらい。


見た目は木造のロッジ風。

まさしくエルフの家って感じでした!

看板は無くてお店って感じはあんまりしないかも?


店内(?)は木の温もりと、薬草の香りがして落ち着く雰囲気。

店主のリリサさんも美人で、優しくて、手作りプリンが美味しかったです!


ただ、リリサさんに“お姉様”は絶対!言ったらだめです。


ポーションの種類はたくさんあって、美容系から治療系、筋トレ系!までありました。


自分も何種類か買ったので早速試してみます。


■顧問より

評価S+++++


先生、感動しました!素晴らしいレポートです!

フローレンスさんのお姉さんのポーション、バチ効きしますよ!


先生も胃腸に効くポーション飲んでます。

飲んだ瞬間から痛みは引くし、気持ちが高ぶってもう最高!


もうリピート確定です!


追記――

ポーションの効果が切れました。

気が大きくなりすぎて少し過大評価してしまいました。

評価訂正→A+でお願いします。


効果が切れると、急に不安に襲われます……

手は震えるし、ポーションが欲しくてたまりません。


先生、明日まとめ買いしようと思います。


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