表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生はかすり傷に入りますか?――エルフJK、好物は干し芋。  作者: ひなゆづ
ぶら探【エルフのポーション屋編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/51

護衛隊、猫探します。


フローレンス家。周囲の雑木林。


黒スーツにサングラスの屈強な男数人と、

女執事がフローレンス家周囲を取り囲むように監視中。


――ガサッ。


護衛隊

「現在、監視対象はソファで気を失ったままです。」


グレイ

「こちらからも目視で確認できます。

引き続き、フローレンス様の監視をお願いいたします。」


護衛隊(敬礼)

「ハッ!」


グレイ

「なお、お嬢様の自立を促す為に、過剰な護衛は禁止です。

ワタクシからの“合図”があるまで待機するように。

よろしくお願いいたします。」


護衛隊

「ハッ!

それでは持ち場に戻ります。」


グレイ

「(ここからならリビングの様子も良く見える……

現在、お嬢様とカレン様は談笑中、ティナ様はキッチンでハーブティーの用意、問題ありませんね。)」


グレイ

「(ワタクシ含め木の陰に2人、屋根に1人、キッチンの勝手口に2人。)」


グレイ

「(更に念の為、湖の水中に1人。

完璧な包囲網でございます。)」


水中護衛隊(シュノーケル装備)

「(シュコー……)」


グレイ

「(フローレンス様が目を覚まし、

またお嬢様に危害を加えるような事がありましたら……

ティナ様には申し訳ございませんが、次こそは――)」


――ガササッ!


グレイ

「……ん?」


茂みから飛び出してきたのは1匹の子猫。


子猫

「にゃー!」


グレイ(視線は落とさず、リビングを睨んだまま)

「ね、猫……?」


子猫(グレイの足元ですりすり)

「にゃぉ〜!」


グレイ

「……ッ!」


グレイ

「クッ……

今は任務中なので……少し、待ってていただけますか……?」


子猫、グレイの足元でぴょんぴょん飛び跳ね、抱っこをせがむ。


子猫

「にゃ〜!にゃぉ〜!」


グレイ

「クッ……」


グレイ、視線はフローレンス家のまま身をかがめ、子猫を抱っこ。


グレイ(子猫なでなで、視線はフローレンス家)

「君は迷子……ですか?

お母様はどちらへ?」


子猫(気持ちよさそうに)

「ゴロゴロ……」


グレイ(なでなでする手が止まらない)

「ふわふわ……

模様は……?君の模様はどんな色なのですか?

白?

三毛?

キジトラ?

……見たい……しかし今は護衛任務中ッ……!」


子猫(グレイの腕の中で)

「ゴロゴロ、にゃ〜ん……」


グレイ(苦しそうな表情)

「クッ……!」


---


フローレンス家。キッチン。


ティナ

「とりあえずポットにお湯沸かしたけど……

茶葉はどれくらい入れるんだろ?」


ティナ

「まぁいいや!目分量で!

なんとかなるっしょ!」


ハーブティーの茶葉を袋からバサッ!


ティナ

「……たまに、こうやってじいちゃんにお茶入れてたなぁ……

いっつも『ソラが淹れる茶は日本一だ!』なんてお世辞言われてさ。」


ティナ

「……」


ふわりとハーブの香りが漂う。


ティナ

「良い匂い……もういいかな?」


カップにハーブティーを注ぐ。


ティナ(フッと微笑む)

「じいちゃんだったら

『こんなハイカラなもんより日本茶だ!』って言うんだろうなぁ。」


ティナ

「あとはおやつか。

わたし用にリリサが買ってきてくれてたやつがあったはず。」


ティナ、戸棚を開ける。


ティナ(ごそごそ)

「たしか、この辺に……

あった!」


ティナのおやつラインナップ。


・干し芋 (大好物)

・醤油せんべい

・酢昆布

・おばあちゃん家で出てくるゼリーみたいな甘いやつ。


ティナ(ドヤ顔)

「うん、甘いからしょっぱいまで完璧だ!」


ティナ

「……干し芋はわたし用だから……

出さないでおこ。」


ティナ

「よし!お茶とおやつの準備できた!

2人ともお待たせ〜!」


ティナ、お盆を持ってキッチンからリビングへ。


ティナ

「美味しく淹れられたかわかんないけど……

あとこれ、おやつね!」


カレン

「ありがとー!」


リオナ

「いただきますわ!」


カレン(並べられたおやつを見て)

「おやつのチョイス渋くない?」


ティナ(ドヤ顔)

「わたしの好物尽くしだよ!」


カレン

「おばあちゃん家行った時に出てくるラインナップなんだけど。」


リオナ

「この酢昆布とやら、お父様の靴下と同じ匂いがしますわ!」


ティナ(ピクッ)

「2人とも酷くない!?」


カレン(くんくん)

「まぁまぁ!

てか、このハーブティーめっちゃ良い匂いするね!」


リオナ(優雅にカップを持ち上げて)

「ええ、

とても心が落ち着く香りですわ。」


ティナ

「あー!話逸らしたな!?」


カレン

「ごめんごめん!

せっかくティナが用意してくれたんだからおやつもいただくよ!」


リオナ

「そうですわね。

わたくしもこの酢昆布以外はいただきますわ。」


ティナ

「いや、酢昆布めっちゃ美味しいから!

1回食べると止まんないよ?」


リオナ(きっぱり)

「結構ですわ。」


ティナ(ムスッ)

「むぅ……」


ティナ

「むかつくからリリサの鼻に酢昆布詰めたろ。」


カレン

「リリサさん、完全にとばっちりじゃん。」


ティナ、気絶中のリリサの鼻に酢昆布を突っ込む。


ティナ

「よし。」


リリサ

「う……うぅ……」


リオナ

「うなされてますわね。」


カレン

「大丈夫?

目覚ましたらめっちゃ怒られるやつじゃない?」


ティナ

「最近暴走しすぎた罰だよ。」


カレン

「そ、そっか?

まぁとりあえず、ハーブティー飲んでみようよ!」


ティナ

「だね、美味いかな?」


――ズズズッ。


ティナ

「……」


ティナ

「……香りは良いのに味がしない。」


カレン(ゴクッ――)

「……ほんとだ!

お茶風味のお湯だね。」


リオナ(お嬢もひと口)

「あら……本当ですわね……

グレイなら上手に淹れられるのですが……」


ティナ

「グレイさんならどっかに隠れてるんじゃない?

外見ればいるかも。」


ティナ、リビングの窓を開け周囲を見渡す。


ティナ(目を細め)

「んー……」


グレイ、木陰に身を潜み、子猫を撫でながら鬼の形相でこちらを睨んでいた。


ティナ

「いた。」


ティナ(目のハイライト消滅)

「なんか猫撫でながらこっち睨んでる。」


カレン

「え?なんで猫?」


リオナ

「まぁ?」


ティナ(手招きしながら)

「お〜い、グレイさ〜ん!

ちょっといいですか〜?」


グレイ、木陰から姿を表し、リビング前へ


グレイ(子猫なでなで)

「お呼びでしょうか?」


ティナ

「えっと……

ハーブティー淹れたんですけど、味がしなくて……」


グレイ(なでなで)

「なるほど、茶葉はどれほど入れられましたか?」


ティナ

「……目分量で、バサッと。」


グレイ(なでなで)

「抽出時間は?」


ティナ

「……30秒くらい?」


グレイ(なでなで止まらず)

「なるほど。

原因は茶葉の入れすぎと抽出時間の短さです。

まず、ハーブティーはまとめて作らずに1杯ずつ作ること。

茶葉はティースプーン1杯程で、抽出時間は3分ほどがよろしいかと。」


ティナ

「……」


グレイ(なでなでなでなで)

「抽出中はポットに蓋をし、香りが逃げぬよう――」


ティナ(ツッコミ耐えれなかった)

「すみません!

さっきからその腕に抱いてる子猫が気になるんですけど!!」


グレイ

「失礼。

こちらのハナちゃん、潜伏中にワタクシの足元に擦り寄ってきまして、

おそらく母猫とはぐれた迷子かと。」


ティナ

「ハナちゃん!?」


カレン

「もう名前つけてる!!」


リオナ

「まぁ!可愛らしい子猫さんですわ!」


グレイ

「ワタクシからも質問が1つございます。」


ティナ

「え、なんですか?」


グレイ

「こちらのハナちゃん、模様はどのようで?」


リオナ

「真っ白で美しい毛並みですわよ。」


グレイ(一瞬目の輝きが増す)

「真っ白ッ……

お嬢様、ありがとうございます。」


カレン

「抱っこしてるのに見てないんですか?」


グレイ

「ワタクシ、任務中ですので。

瞬きもせずフローレンス様を監視しておりました。」


ティナ

「え……こわ……

この人、人間なの?」


リオナ

「グレイは忠実な執事ですわよ?」


カレン

「もはや種族:執事だね。」


グレイ

「お褒めの言葉、ありがとうございます。」


ティナ

「褒めてないからッ!」


リオナ

「グレイ。」


グレイ

「はい。なんでしょうか。」


リオナ

「そちらのハナちゃん様のお母様を探してきなさい。」


グレイ(ハッとして)

「しかし……

ワタクシはお嬢様の護衛任務が……」


リオナ

「わたくしは大丈夫ですわ。

そちらのハナちゃん様、きっとお母様と離れ離れになって心細かったのですわ。」


グレイ

「しかし……」


リオナ

「これは命令です。

お母様を探してあげなさい。

護衛隊の方々にも協力していただくように。」


グレイ

「……かしこまりました。

みな、集合せよ!」


護衛隊

「「「「ハッ!」」」」


水中護衛隊 (ザパァ!)

「ハッ!」


ティナ

「えっ!?こんなに隠れてたの!?」


カレン

「水の中まで!?」


グレイ

「今からこちらの子猫、ハナちゃんの母親を探します。

みな、分散して探すように。」


護衛隊

「「「「「ハッ!」」」」」


シュバッ!――


グレイ(お辞儀をして)

「お嬢様、ありがとうございます。

それではワタクシも母猫探しへ行ってまいります。」


リオナ

「ええ。お気をつけて。」


……


ティナ

「とりあえず、お茶淹れ直してくるね?」


カレン

「今度はあたしも手伝うよ!」


リオナ

「ではわたくしも――」


その時――


リリサ(モゾっ)

「うッ……んん?

私、なんでソファで寝てたの……?」


3人

「「「!!!」」」


モンスターが目を覚ました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ