表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生はかすり傷に入りますか?――エルフJK、好物は干し芋。  作者: ひなゆづ
ぶら探【バーガー屋編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/51

ピエロとバーガーと、味覚の暴力。


帰りのホームルーム。


ミラ先生

「はい、じゃぁ皆さん……

部活動が終わったら、馬車や変な人に気をつけて帰るように……」


生徒たち

「はーい。」「先生さよなら〜。」

「柔道部は今日も自主練だって。」


リオナ(バッと立ち上がって)

「ではおふたりとも、早速マクドンナルドンへ参りましょう!」


ティナ

「リオナ、午後の授業中、ずっとウキウキしてたよね。」


カレン

「だよね!

ずっと左右にゆらゆら揺れてたよ!」


リオナ

「あら、そうでしたの?」


カレン

「楽しみなのわかるけど、ちゃんとミラ先生に声掛けてこ!」


ティナ

「一応、出席取らなきゃだもんね!」


リオナ

「そうでしたわね!」


カレン(教壇にいるミラ先生に声かけ)

「ミラ先生!マックに行ってきます!」


ティナ

「出席つけといてください!」


リオナ

「行ってきますわぁ〜!」


ミラ先生(苦笑いしながら手を振る)

「……気をつけてねぇ〜……

レポート忘れないようにね。」


3人

「「「は〜い!」」」


リオナ

「お迎えの馬車が来てますので、

お2人も一緒にいかがかしら♪」


ティナ

「え!?いいの!?

やったー!」


カレン

「あたしは走って行くつもりだったけど……」


ティナ

「まぁまぁ!

せっかくだからお言葉に甘えなって!

部活動なんだから3人で行動しないと!」


カレン

「そう言って楽しようとしてるだけでしょ〜!

しょうがないなぁ……」


リオナ

「ふふ♪

では参りましょうか♪」


3人、教室から退室。


ミラ先生

「(あの子たち……大丈夫かな……

まぁマックに寄るだけだし……大丈夫だよね。)」


ミラ先生

「(私も、ゆるそうな部活の顧問になれたし、ほんと良かった……)」


ミラ先生、教室から退室。

隣の元空き教室『ぶら探部室』へ向かう。


ミラ先生

「(私は……部室で生徒たちの提出プリントをゆっくりチェックしてよ。)」


――ガララッ。


ミラ先生

「……ふぅ……

って、臭ッ!?」


ギャル魔族(顔面マスキングテープ、マスク着用)

「あ!ミラちゃん先生!

おっつ〜!☆」


オタク男子(エアブラシ片手に、マスク着用)

「デュフッ!

ミラ先生殿、空き教室をお借りしてるでござる!」


ミラ先生(鼻を覆う)

「なな、何してるの君たちッ!?」


ギャル魔族

「何って、角の塗装☆

キャンディレッドにしてもらってるの!」


オタク男子

「見てくだされ!この透明感!!

“至高の逸品”でござるッ!!」


ミラ先生(胃が……)

「こ、校則で化粧は禁止ですッ!

それと、この部屋すっごいシンナー臭いから!」


ギャル魔族

「化粧じゃなくて塗装だからセーフっしょ!☆」


ミラ先生(混乱)

「え、えぇ〜……?

塗装はアウト……?セーフ……?」


オタク男子

「硬化剤入りなのでもう落ちないでござる!」


ギャル魔族

「マジッ!?

最強じゃんッ!☆」


ミラ先生

「と、ともかく……

今日からこの教室は放課後ぶらり探検倶楽部の部室だから……

そうじゃなくても学校で塗装は禁止ね……?」


ギャル魔族

「何その名前!?ウケるんだけど!」


オタク男子 (ツボにはまる)

「デュフ!

デュフフフフ!!」


ミラ先生

「ほら……2人とも、早く自分の部活に行かないと……

欠席扱いされちゃうよ……?」


ギャル魔族

「はいは〜い☆」


オタク男子

「御意ッ!」


ミラ先生(胃がキリキリ……)

「(お母さん……私、学校の先生になるのが夢だったけど……)」


ミラ先生(遠い目)

「(個性豊かな生徒たちに囲まれて……

私、上手くやってけるかな……)」


---


校門前。

きらびやかな貴族仕様のヴァレンシュタイン家の馬車は無く、

いたって平穏な校門。


ティナ

「あれ?リオナの馬車は?」


リオナ

「あら……?

お迎えがきてませんわね……」


カレン

「グレイさん呼べばすぐ来てくれるんじゃない?」


リオナ

「そうですわね!

こんな時こそ“ポケベル”の出番ですわ!」


リオナ、胸ポケットからポケットサイズのベルを取り出す。


カレン

「あ!やっぱ待った!!」


リオナ

「まぁ?どうされました?」


カレン

「やっぱさ、みんなで歩いて行こうよ!」


ティナ

「えぇ〜……

リオナの馬車に乗っけてってもらえば楽じゃない?」


カレン

「まぁまぁ!

リオナのせっかくの街デビューなんだしさ、

色々見ながら行こうよ!」


リオナ(目がキラッキラ!)

「まぁ!

素晴らしい提案ですわ!!」


ティナ

「えぇ〜……」


ティナ(諦め笑顔)

「……もう、しょうがないなぁ。

じゃぁみんなで歩いてこ!」


カレン

「よっしゃッ!

じゃぁマックに向けてしゅっぱーつ!」


ティナ

「おー!」


リオナ

「ですわぁ!」


---


湖畔の街。商店街ゾーン。


夕飯の買い出しや下校中の子供達、

商店の呼び込み等で賑やかな街並み。


「あはは!」「待て待て〜!」

「今日はレタスが安いよー!」「おっちゃんもう少し負けてよ〜!」


リオナ(街並みに興味津々)

「すごい……街にはこんなにたくさんの人々が……

学校、いやそれ以上に賑やかなのですね!」


ティナ

「リオナ、ちゃんと前見て歩かないと転ぶから!」


カレン

「あはは!

はぐれないでね!」


その後もリオナの街並みへの好奇心は留まらなかったが――

一行いっこうはなんとか目的地前へ。


ティナ

「ほら、見えてきたよ!」


店の前には客引きをしながらキレッキレのダンスを踊る例のピエロ“ドナルドン”の姿。


リオナ

「昨日のピエロさんですわ!」


テテテッ!と走り出すリオナ。


カレン(歩く速度が遅くなる)

「うっ……」


ティナ

「カレン、大丈夫?」


カレン(青ざめ)

「だ、だいじょぶ……だいじょぶ……」


ティナ

「全然大丈夫そうじゃないけど……」


リオナ(ドナルドンに向かって)

「ごきげんあそばせ!

わたくし、リオナ・ヴァレンシュタインと申しますの!」


ドナルドン(動きがキレッキレ)

「やぁ!

僕はドナルドン!

ハンバーガー食べてくかい?」


リオナ(ティナ達に手のひらを指し示ながら)

「ええ!

今からティナ様とカレン様といただきますわ!」


ドナルドン、ティナとカレンに向かって――


ドナルドン

「ランランルー!」


カレン(ビクゥッ!)

「ひぃッ!!」


ティナ

「大丈夫!

ただの挨拶だから!」


カレン(俯きながらガタガタ)

「……」


ティナ(カレンの頭を撫でて)

「大丈夫、大丈夫だから。

怖くない怖くない。」


カレン(顔を少し上げ、ボソッと)

「――ってやらぁ……」


ティナ

「カレン……?」


カレン(涙目ファイティングポーズ)

「シャァオラァ!

やってやらぁ!!

かかってこいやぁ!!!」


ティナ(背後からカレンを羽交い締め)

「落ち着けぇーー!!」


ドナルドン(ニッコリ)

「はは!

僕に勝てると思っているのかい?」


リオナ

「まぁぁ!

カレン様とドナルドン様の舞踏会の開幕ですの!?」


ティナ

「勝手に舞踏会始めんな!

ほらカレン!目瞑って!

わたしが誘導してあげるからッ!」


カレン(ゼェ……ゼェ……)

「う、うん……

お願い……」


カレン、目を瞑りながらティナに手を引かれ入店。


リオナ(ぺこっとお辞儀)

「あら……

ではドナルドン様、ごきげんよう。」


ドナルドン

「ごゆっくり〜!

I'm lovin' it!」


---


マクドンナルドン店内。


ティナ

「もう目開けて大丈夫だよ。

落ち着いた?」


カレン

「うん……

ありがとうティナ……」


リオナ

「わたくしのわがままのせいで……

申し訳ございませんわ……」


カレン

「だいじょぶだよ!

ほら、せっかく来たんだし早く注文しよ!」


---


3人は注文を済ませテーブル席へ。


ティナ

「2人は何頼んだの?

わたしはテリヤキバーガーセット!」


カレン

「あたしはジャンボマックセット3個!

飲み物はプロテイン無かったから全部コーラにした!」


リオナ

「わたくしは、何が良いのかわかりませんでしたので……

店員様おすすめのトリプルパティギガマックXLセットというものにしました!」


ティナ

「何そのデカそうなやつ!?

リオナ食べ切れる?」


リオナ

「どうでしょう……

“ご一緒にナゲットもいかがですか?”と聞かれましたので、

ナゲットも注文しましたの。」


カレン

「まぁ食べきれなかったらあたしに任せなって!」


ティナ

「あんた、ジャンボマック3つ頼んでるんでしょ?」


カレン

「大丈夫、夕飯分の余白は残してるから!」


ティナ

「胃袋どうなってんの……」


店員

「お待たせしましたー!

ジャンボマックセット3個とテリヤキバーガーセット、ギガマックセットとナゲットでーす!」


カレン

「おっ!きたきた!

じゃぁ早速――」


3人

「「「いただきまーす!」」」


ティナ(包みを開けて、バーガーをひと口)

「(うまっ!前世のマックと同じ味!)」


リオナ(目が輝く)

「まぁぁぁ!

これがマクドンナルドン……これがハンバーガー……

お飲み物は紙のコップに入ってますのね!」


ティナ

「紙コップに感動してる人初めて見た。」


カレン(もぐもぐ)

「ほら、早く食べてみなって!おいしいから!」


リオナ

「ええ!

では早速――」


リオナ(ハンバーガーの包みを開けて、ひと口)

「(もぐっ……)」


リオナ(ぱぁぁぁぁッ!!)

「ん〜〜〜!!」


リオナ(大興奮)

「な、なんですのこの味!

ケチャップとマスタード、多めの塩コショウで味付けされたハンバーグ……

味覚が調味料の暴力を受けてますわ!

なのに……なのにとても美味ですのッ!!」


ティナ(テリヤキもぐもぐ)

「あはは!

リオナ、顔が高貴から遠ざかってるよ!」


カレン(2個目のジャンボマックもぐもぐ)

「うん!

お嬢様感0の顔してる!」


リオナ

「だって……とても美味しいんですもの!

こちらのポテトは――

塩辛いのに止まりませんわ!!」


カレン

「リオナ、ポテトにナゲット用のソースつけるとめちゃ美味いよ!」


リオナ

「まぁ!?

ナゲット用のソースをポテトに!?

そんな調味料に対する冒涜……許されますの……?」


カレン(3個目へ)

「いいからいいから!

やってみなって!」


リオナ(ポテトを恐る恐るソースに)

「で、では……」


リオナ(ソース付きポテトをひと口)

「……んまぁぁぁぁ!!?

なんですのこれ!?なんなんですの!?」


ティナ

「ついに語彙力までなくなった!」


カレン

「へへっ!

美味しいでしょ?」


リオナ(感動)

「あぁ……わたくし、本当にお屋敷から出て良かったですわ……

世の中にはこんなにも美味しい物があるのですね……」


カレン

「他にも美味しいお店あるからさ、またみんなで行こうよ!」


ティナ

「だね!

なんだかんだこうやって3人で買い食いするの楽しいね!」


リオナ

「ええ!

明日はどこに行きましょうか!」


カレン

「また明日、学校で話し合って決めようよ!」


ティナ

「さんせー!」


---


数十分後。


リオナ(うぷっ)

「……」


ティナ(げふっ)

「……」


カレン(飲み物のストローくるくる)

「……」


リオナ

「もう……食べられませんわ……」


ティナ

「わたしも……リオナのハンバーガー、顔よりでかかったもん……

手伝って食べたけどもう限界……」


カレン

「ごめん、あたしも無理……

ジャンボマックセット3つは調子乗った……」


リオナ(半分ほど残ったバーガーを見つめて)

「これ……どうしましょう……

グレイへのお土産にしましょうか……」


ティナ

「やめときな……

マックは冷めるとめちゃ不味くなるから……」


リオナ

「では……

お父様へのお土産にしますわ……」


――ぶら探第1回、マクドンナルドン無事(?)調査完了!


放課後ぶらり探検倶楽部。レポート。


■調査場所

マクドンナルドン湖畔の街店


■調査員

リオナ・ヴァレンシュタイン


■調査結果

わたくし、人生初“マクドンナルドン”を堪能して参りました。


まずはお店の外にいらっしゃったドナルドン様、

こちらから挨拶をしましたら気さくにお返事をいただきました。

(カレン様は怖がっておりましたが、わたくし的には素敵な方だと思います。)


店内は黄色と赤色のポップな印象でした。


何を注文すれば良いのかわからず、店員様におすすめを尋ねたところ、

『期間限定ギガマックセットがおすすめです。』

と仰りましたので、わたくしはそちらを注文しました。

そうしましたら『一緒にナゲットもいかがですか?』と尋ねられました。


『お願いしますわ。』


わたくし、ほぼ即答でした。


テーブルに着き、しばらくすると店員様がお料理を持ってきてくださりました。


人生初のハンバーガー……

まず驚きましたのは、お料理が陶器ではなく、“紙”に包まれて提供された事ですわ。


まるで大切なお手紙を開封するような高揚感を感じました。


さらに、お飲み物は紙で出来たコップで提供されました。

なぜ、染みてこないのかしら……

企業努力を感じられます。


もう一つ、驚いた事がありますの。


ハンバーガーとポテトは“素手で食す”ということです。


わたくし、店員様がナイフとフォークをお忘れになったのかと思いましたの。


しかし、ティナ様とカレン様はハンバーガーの包みを開けると、そのままワイルドに食されていました。


マクドンナルドンは素手で食す、とても野性味溢れるお食事処ですのね。


お味はとても魅力的でした。

ケチャップとマスタード、さらに塩辛いハンバーグと肉汁……

わたくしの舌の上で調味料達がまるでワルツを踊っているような感覚でしたわ。


ただ、半分ほど食べ進めた頃、急激な胸焼けと胃もたれに襲われました。


食べきれなかったハンバーガーとポテトはお父様へのお土産にいたします。


■顧問より

評価B+


とても詩的な文章なのですが、レポートというより“日記感”を感じました。

次回からは客観的なデータもよろしくお願いします。


マクドンナルドン、先生も食べたくなりました。


追記――

冷めたポテトは油で揚げ直すと美味しく食べられます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ