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転生はかすり傷に入りますか?――エルフJK、好物は干し芋。  作者: ひなゆづ
お嬢様登校編

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27/34

転校生は、白銀のお嬢様。


週明けの月曜日。


8時15分、学校の教室。


――ガララッ。


ティナ(目をこすりながら)

「おはよ〜……」


教室には数人の生徒、カレンも既に登校していた。


生徒たち

「「おはよ〜。」」


カレン(元気!)

「おっはよー!!」


ティナ(ビクッ)

「朝から声デカすぎ!

心臓飛び出るかと思ったわッ!」


カレン

「え〜?

お腹から声出せば目覚めるじゃん?」


ティナ(席につく)

「ビックリしてそのまま永眠コースもあるからね?」


カレン

「ははっ!

大袈裟〜!

それよりさ、リオナ、説得出来たかな?」


ティナ

「どうかな〜?

あのキザおじさんを説得出来たとしても、

今週はさすがに来れないんじゃない?」


カレン

「だよねー。

色々手続きとかあるだろうしね。

1日2日じゃ無理か〜。」


その時――


ダダダダッ!

ガララッ――!!


ティナ

「おはよ〜。

どしたの?そんなに慌てて。」


カレン

「おっはよ!

朝トレ?ランニング登校はあたしもするけど……

廊下は走っちゃダメだよ!」


男子生徒(息切れ)

「ハァ――ハァ――

違うわッ!」


男子生徒(汗を拭い)

「今、校門に……

王族みたいな馬車が停まってるッ!

真っ白ででけぇやつッ!!」


ティナ&カレン(顔を合わせながら)

「「まさか……」」


---


校門前。


汚れ1つ無く磨かれた純白の馬車。金装飾が施され、後部には羽と王冠の紋章。

どこからどう見ても庶民の通う学校に似つかわしくない存在感。


生徒A

「なにあれ!?王族来た?」


生徒B

「今日、凄い人の公演とかあったっけ……」


生徒A

「カバンぶつけて傷つけたら……

ヤバいよな……」


生徒B

「うん。

多分ウチの貯金全部無くなる。」


生徒A

「貯金だけで済むかな……

内蔵売るとかじゃないと無理じゃね?」


生徒B

「内蔵で足りる?

死ぬまでタダ働きさせられそう。」


生徒A

「むしろ、来世まで働かされそう。」


生徒B

「父ちゃんと母ちゃん悲しませないように……

近づかない方が利口だな……」


登校中の生徒たち、馬車から距離を置いて校舎へ。


馬車の周りにぽっかりと空間が出来る中、御者が静かに扉を開ける。


最初に降りてきたのは女執事、無表情ながらどこか気品に溢れた、凛とした立ち姿。


グレイ

「お嬢様、足元にお気をつけください。」


リオナ(扉から半身出て)

「まぁ!

ここが“学校”というものですのね!」


リオナ(足元確認せず一歩)

「ティナ様とカレン様の仰る通り、同年代の方たちがこんなに……

――あッ!」


リオナ、盛大に足を踏み外す。

体が前に倒れかかったその瞬間――


グレイ(即座に受け止め)

「お嬢様、

浮かれる気持ちもわかりますが、

“足元にお気をつけください”と申し上げましたが?」


リオナ

「……外の世界は確かに危険ですわね……

お父様の仰る通りでしたわ……」


グレイ

「今のはお嬢様の不注意です。

地面と親交を深める前に、ご学友と親交を深める方がよろしいかと。」


リオナ(少し赤くなる)

「……存じておりますわ。」


……


リオナ

「それで、ティナ様とカレン様はどちらに?」


グレイ

「まずは教員の方たちにご挨拶を。

職員室に参りましょう。」


---


ティナ(教室の窓から覗きながら)

「……うわっ!

マジでリオナじゃん!」


カレン(ティナの隣で同じく覗きながら)

「ちゃんと制服着てるし、今日から通うのかな?」


ティナ

「箱入りだったのに行動力半端ねぇ……」


カレン

「でも、またリオナと遊べるじゃん!

同じクラスだったらいいな〜!」


ティナ

「わたしが先週このクラスに入ったんだし……

さすがに違うクラスじゃない?」


カレン

「あー、そっかぁ。

でもお昼は一緒に食べようよ!」


ティナ

「だね!

昼休みなったらどのクラスになったか探しに行こ!」


――カランカラ〜ン♪


始業のベルが鳴る。

生徒たちはそれぞれ自席に座り、担任が来るのを待っていた。


――ガララッ。


ミラ先生(小声)

「みんな〜……

おはよ〜……」


生徒たち

「先生おはよ〜」「おはよーございまーす。」「今日も声小さい〜」


ミラ先生

「え、えっと、今日はこのクラスに、

新しい仲間が、増えます……!」


生徒たち

「「えっ!?」」


教室がざわめく。


「また?」「最近多くない?」「机足りる?」

「(また女子だったらいいな……)」


ミラ先生

「み、皆さん、ぜったい、ぜ〜ったい!

失礼のないように……」


ティナ

「……まじか。」


カレン(小さくガッツポーズ)

「よっしゃぁ!」


ミラ先生

「では、ヴァレンシュタインさん、教室へどうぞ〜……」


リオナ

「はい。」


白銀ウェーブをなびかせ、小柄な少女が現れる。

優雅、おしとやか、気品溢れるその歩き姿。


リオナ(スカートの裾をつまんでお辞儀)

「皆さま、ごきげんよう。」


生徒たち

「「お、おぉ〜……」」


「なんかお嬢様っぽい!」「エルフの次は貴族?」

「最近の転校生、キャラ濃くない?」


リオナ(クラスメイトを見渡しながら)

「わたくし、リオナ・ヴァレンシュタインと申します。

ティナ様とカレン様にお誘いいただき、この学校へ――」


リオナ(ティナとカレンを発見)

「――ティナ様!カレン様!

お会いしたかったですわ!!」


生徒たち

「様付け!?」「急に格式上がった!」

「語尾が“ですわ”の人、初めて見た。」


ティナ(赤面)

「みんなの前で様付けやめて!」


カレン(手を振って)

「リオナー!

あたしも会いたかったよー!」


ミラ先生

「ふ、フローレンスさんとホワイトロックさん知り合いだったの!?

じ、じゃぁ席は……ホワイトロックさんの隣で……」


リオナ

「かしこまりましたわ!」


カレン

「やったぁー!」


ティナ

「3人、並んだね。」


ミラ先生

「申し訳ないんだけど……

ホワイトロックさんの隣の席の人たち、

1人ずつずれてもらっていいかな……」


生徒たち

「「「はーい。」」」


女子生徒

「せんせー、ダーク君は〜?」


ダーク、一番後ろの廊下側席。


ダーク(ほくそ笑む)

「……フッ、

この時が来たか……」


ダーク(机を持ち上げながら)

「……ここもまた……

俺のいるべき場所ではなかったということだな……」


ダーク、そのまま廊下へフェードアウト。


ミラ先生

「わわわぁ!?

後ろへ!そのまま廊下じゃなくて後ろにズレて!?」


ダーク(廊下に机をセット)

「……フッ……」


廊下で待機中のグレイと目が合う。


ダーク(硬直)

「……」


グレイ(無表情、腕を組み、背筋真っ直ぐ)

「……」


ダーク(視線が少し泳ぐ)

「……貴様、何者だ?」


グレイ(真っ直ぐな視線、瞬きせず)

「廊下は冷えますよ。」


ダーク(少しどもる)

「べ、別に……

ここが俺の居場所だ……」


グレイ(真顔圧)

「風邪を引かれてはお嬢様が悲しみます。

教室へお戻りを。」


ダーク(敗北)

「ひっ……

き、昨日のレッドゴーレムとの戦で暗黒竜の魔力が消耗していてな……

今、暗黒竜はリカバリー中だ……

貴様、命拾いしたな……」


ダーク、再び教室へ。


……


ミラ先生(少し魂が抜けかけ)

「……ファ〜……」


ミラ先生 (キリキリ)

「(私のお腹が……)」


ティナ

「……ダーク君、グレイさんに完敗だったね。」


カレン

「正論一言だけで本職倒すの、強すぎない?」


リオナ(まだ教壇)

「あの、わたくしの机と椅子は……」


ミラ先生(魂が戻る)

「……ハッ!

ご、ごめんなさい!

誰か隣の空き教室から机と椅子持ってきてもらえる?」


カレン(手を挙げて)

「は〜い!

あたし行ってきまーす!」


ティナ(挙手)

「じゃぁわたしも行きます〜」


二人、席から立ち上がる。


リオナ

「お二人とも……

ありがとうございますわ!」


カレン

「待っててリオナ、すぐ持ってくるから!」


リオナ(感動)

「これが友情……」


リオナ(目尻をハンカチで拭いて)

「友の為に自らが行動する……

これが共同生活なのですねッ……」


ティナ

「感情が重いわッ……!

泣く程の事じゃないから!」


---


リオナの机を設置後。


教室の一番後ろの席、窓側からティナ、カレン、リオナ。


リオナ(ルンルン)

「ここからわたくしの第2の人生の幕開けですわぁ♪」


ティナ

「お嬢様、テンション爆アゲじゃん。」


カレン

「分からない事あったらなんでも聞いてね!」


カランカラーン♪


――授業開始のベルが鳴った。


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