姉は、家族。
夕方。フローレンス家。
――ガチャッ。
ティナ
「ただいまぁ〜……」
リリサ
「おかえり。
目の具合はどう?」
ティナ
「すっかり良くなったよ!」
リリサ
「良かった。
私のポーションのおかげね♪」
ティナ
「あの眼帯のおかげで、厨二病疑惑に更に拍車がかかったけどね。」
リリサ
「あら、じゃぁ厨二病設定でいくことにしたの?」
ティナ
「まさか!
カレンが誤解を解いてくれたよ。
あと、わたしが転生者って理解してくれた。」
リリサ
「そう。
カレンちゃん、良い子ね。」
ティナ(にへぇと笑顔)
「うん!
カレンと友達になれて、ほんとに良かった!」
リリサ
「ふふ、良い友達が出来て良かったわ。
お姉ちゃん、ちょっと嫉妬しちゃうけど。」
ティナ
「はは!何それ!
カレンは友達。リリサは家族でしょ?」
――ズキューン!!
リリサの胸が打たれた音がした。
……
リリサ(顔真っ赤、胸を押さえる)
「……クリティカル……食らったわ……」
ティナ(困惑)
「……え?ど、どしたの?」
リリサ
「そう!私達は“家族”!“姉妹”!
かけがえの無い関係なのよッ!」
ティナ
「え?うん。」
リリサ(思わずティナを抱きしめる)
「ティナ……あなたはなんていい子なの……
今まで“ガサツ”だなんて言ってごめんなさい……」
ティナ(顔がうずまる)
「なにッ!?急に!?
ってか、苦しい!!離して!!」
リリサ(スッと冷静に)
「あら、ごめんなさい。
ちょっと理性を抑えられなかったわ。」
ティナ
「……とりあえず、着替えてくるから!」
ティナ、自室へ。
リリサ(ウキウキ)
「(家族かぁ。嬉しい事言ってくれるじゃない♪
今日はあの子の好きなご飯にしてあげましょう♪)」
数分後。
――ガチャッ。
ティナ(ジャージ装備)
「見て!学校のジャージ!
これが今日からわたしの正装だから!」
リリサ
「……部屋着のワンピは?」
ティナ
「ワンピも楽だけどさー!
やっぱわたしはこれだよ。
ジャージしか勝たんッ!!」
リリサ
「というかそのジャージ、今日体育で着たんじゃないの?
汚れてるでしょ。」
ティナ
「大丈夫大丈夫。
ボール投げただけだから!」
リリサ
「大丈夫じゃないわよ。
洗濯しなきゃいけないんだから、早く着替えてきなさい。」
ティナ
「えー……
ジャージは二日目まではセーフじゃない?」
リリサ(ピクッ)
「どう考えればセーフになるのよ。
普通は毎日洗濯するの。」
ティナ(裾をくんくん)
「でも臭くないし、いけるっしょ。」
リリサ(こめかみを押さえつつ)
「……やっぱガサツJKだったわ……」
リリサ
「いい?一度着た服は毎日洗濯するの。
汚れだって時間が経つと落ちにくくなるんだから。」
ティナ
「……わかったよぉ……着替えてくるよ……」
リリサ
「……まったく。
女子力向上修行はまだまだ続きそうね。」
---
夕食。
本日の献立
・魚の塩焼き
・ほうれん草のおひたし(鰹節乗せ)
・わかめと豆腐の味噌汁
・デザート代わりの干し芋
ティナ(いつもの白ワンピ)
「わぁー!わたしの好物ばっかだ!」
リリサ
「一応ね。
あなたが嬉しい事言ってくれたから、ご褒美よ。」
ティナ(満天笑顔)
「ありがと!リリサ!」
リリサ(照れ照れ)
「え、ええ。
(自分で作っときながらあれだけど、この笑顔は反則級ね……)」
リリサ
「じゃぁいただきましょうか。」
ティナ
「うん!いただきまーす!」
---
リリサ
「どう?学校生活は?」
ティナ
「んー、まぁまぁかな。」
リリサ
「なによ。まぁまぁって。」
ティナ
「てかさ、みんなから“いい匂い”するって言われるんだけどなんで?」
リリサ
「あぁ、それは私が作ったあなたの体の特徴の一つね。」
ティナ
「特徴?」
リリサ
「季節ごとの花の香りがするように作ったのよ。」
ティナ
「マジで!?わたし、歩く芳香剤!?」
リリサ
「言い方。せめて香水とかにしなさい。」
ティナ
「でもさ、なんでそんな特典つけてんの?」
リリサ
「女の子らしくて可愛いじゃない。
しかもちゃんと季節限定なのよ?」
ティナ
「季節限定?今は何の香り?」
リリサ
「今は春だから沈丁花の香り。」
ティナ(知らない)
「……??
夏は?」
リリサ
「夏はくちなし。
秋は金木犀の香り。」
ティナ
「……女子力たけぇ!!
でも冬は?あんまり花咲かなくない?」
……
リリサ
「……冬は朝の澄んだ空気の匂い。」
ティナ
「急に概念になった!?」
リリサ
「しょうがないでしょ。思いつかなかったんだから。」
ティナ(ハッと気づく)
「って事は風呂キャンしてもバレないってことじゃない!?」
リリサ
「やめなさい。ラフレシアの香りになるわよ。」
ティナ
「……はい……」
食事は続く。
ティナ
「そういえばさ、
今日の体育で遠投したんだけど、
わたしの記録7mだったんだよ?
周りは30mとかいってんのに。」
リリサ
「あら、ある意味新記録ね。」
ティナ
「この体さぁ、もうちょっと筋肉つけれなかったの?
力むと変な声出るし、恥ずかしかったんだけど。」
リリサ
「おしとやかな女の子に筋肉はいらないでしょ?
変な声は知らないわよ。あなたの責任ね。」
ティナ
「え?あの声、わたしのせいなの?」
リリサ
「そりゃそうでしょ。あなたの体なんだから。
筋力が欲しければ筋トレでもすれば?」
ティナ
「体動かすの無理〜。
てかさ、リリサに聞きたい事あった。」
リリサ
「なに?」
ティナ
「筋トレすれば、ボールを星に出来るの?」
リリサ
「……?どういうこと?」
ティナ
「カレンが遠投した時、
もの凄い衝撃波と一緒にボールが飛んでったんだよね。
そのまま星になった。」
リリサ(引き気味)
「へ、へぇ……?」
ティナ
「魔法は使っちゃダメって言われてたし、単純にフィジカル化け物って事?」
リリサ
「……そうね。
ぜひ、今度カレンちゃんの体を詳しく見させてもらいたいわ。」
ティナ(ジト目)
「またいやらしい事言ってる……」
リリサ
「ち、違うわよ!
研究者として!純粋な興味があるの!!
もしかしたら、ポーションの応用に使えるかもしれないし!」
ティナ(ジト目)
「ほんとかな〜?怪しいなぁ?
新しい妹枠にしようとしてたしなぁ?」
リリサ
「……まぁ、あの竹を割ったような性格は魅力的だわね……」
ティナ
「やっぱり!!
絶対ウチに連れてこないから!!」
リリサ(妄想が膨らむ)
「ふふ、美少女エルフとスレンダー体育会系少女に囲まれる生活も……悪くないわ。」
ティナ
「(今度、カレンに防犯ブザー持たせよ……)」
リリサ
「ところで、週末は予定ある?」
ティナ
「え?特にないけど。」
リリサ
「そう。良かった。
またお手伝いしてもらいたいの。」
ティナ
「えぇ〜……めんどくさ……」
リリサ
「ご褒美あげるから、ね?」
ティナ
「……考えとくよ。」




