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転生はかすり傷に入りますか?――エルフJK、好物は干し芋。  作者: ひなゆづ
高校生活開始編

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16/34

転生魔法は、ペット用。


放課後。


夕暮れの湖畔の街をティナとカレンが歩いている。


カレン

「初日おつかれー!どうだった?」


ティナ

「めっちゃ疲れた……」


カレン

「だよねー!

気分転換に走って帰る?」


ティナ

「……疲れたって言ってるでしょ……?

歩いて帰るのもしんどいのに。」


カレン

「そっかそっか。

じゃぁのんびり帰ろ。」


ティナ

「カレンはさ……わたしが転生者って信じてくれないの?」


カレン

「またその話?

転生ってスライムとか単純な生き物限定じゃん?」


ティナ

「え?でも市役所……じゃなくて魔王城に“転生届”って窓口あるじゃん。」


カレン

「あれはペットの動物とか魔物専用の窓口でしょ。」


ティナ

「え?」


ティナ

「(そういえば、受付の人が

『ペットではなく養子縁組にします』

とか言ってたような……)」


カレン

「ティナはさ……ほんとに転生してきたの?」


ティナ(声を荒らげる)

「だから本当だって言ってるじゃん!」


ティナ(しゅんとして)

「なんでみんな信じてくれないの……」


カレン(固まる)

「……」


カレン

「わかったよ。」


ティナ(顔を上げて)

「カレン……?」


カレン(満点笑顔)

「その設定、大事にしてこ!

明日から“そういうキャラ”扱いしてあげるから!」


ティナ(ぷるぷる)

「(……こいつ!!)」


カレン

「あたし、ここの角曲がった先が家だから!

また明日ね!」


ティナ(不機嫌)

「……また明日……」


---


フローレンス家。


――バァァァン!!

勢いよく玄関が開く。


ティナ

「……ただいまッ!!」


ズンッズンッ!!


リリサ

「おかえり。

――何怒ってるの?」


ティナ

「……もう、わけわかんないッ!!」


バタンッ!!

勢いよく自室の扉を閉めるティナ。


リリサ

「……何かあったのかしら……」


---


夕食の時間。

ティナは部屋に引きこもって出てこない。


――コンコン。


リリサ

「ティナ、ご飯できたわよ。出てきなさい。」


ティナ(扉越しに)

「いらない……」


リリサ

「何があったのよ。お姉ちゃんに教えて?」


……


反応無し。


リリサ(ため息)

「……入るわよ?」


――ガチャ。


ティナ、布団を頭まで被ってうずくまっている。


ティナ(布団の中から)

「……勝手に入ってこないで。」


リリサ

「何があったの?」


……


ティナ(モゾモゾ布団から出てくる)

「……クラスのみんなに『どこから来たの?』って聞かれたから、

転生してきたって言ったら信じてくれなかった……」


リリサ

「あー。」


ティナ

「それどころかみんな、わたしの事“変な子扱い”してきてさ……

『厨二病なんじゃない?』ってコソコソ言われて感じ悪かったんだけど。」


リリサ

「なるほどね。まぁ無理もないわよ。」


ティナ

「なんで?」


リリサ

「人間、ましてやエルフの転生ってね、ものすごく大変なの。

何十種類という素材を用意したりね。」


ティナ

「じゃぁなんで魔王城に転生窓口なんてあるの?」


リリサ

「あれはね、基本的に大切にされてたペットが亡くなった時に利用するのよ。

元ペットの魂なら人馴れしてるし、

小動物くらいなら素材も少なくて済むから……

例えばスライムとかね。」


ティナ

「……カレンもそんな事言ってた気がする……

でもなんで戸籍登録課なの?」


リリサ

「ペットも大切な家族でしょ?

基本はペット用の窓口。

だから転生前情報も記入欄少なかったでしょ?」


ティナ

「そういう事なの!?

ってか、そしたら受付の人冷静すぎない!?

エルフの転生者が来たんだよ!?」


リリサ

「だってお役所仕事ですもの。」


ティナ(ドン引き)

「えぇ〜……」


ティナ

「でもさ、なんで厨二病扱いされなきゃいけないの?」


リリサ

「だってあなた、

普通は動物にしか使わない転生技術で

『わたしは転生して来ました』ってまじめな顔で言われてみなさいよ。

“こいつは変な奴だな”って思うでしょ?」


ティナ

「そういう事!?

てかそういう大事な話は先に教えてよ!!

わたし、めっちゃ恥かいてるじゃん!!」


リリサ

「しようと思ってたわよ?

でも『リリサはもう帰って』って言ったのはあなたでしょ?

話すタイミング無かったのよ。」


ティナ

「……ぐぬぬ……!」


リリサ

「あなた、自分で自分の首絞めてたのよ。」


ティナ

「……酷い事して、ごめんなさい……」


リリサ(ティナの頭を撫でる)

「大丈夫よ。気にしてないから。」


ティナ

「……リリサはさ、わたしの体作るのにどれくらい大変だったの?」


リリサ

「そうねぇ……素材集めに“150年”くらい掛かったかしら。」


ティナ(Now Loading)

「……」


ティナ(目がポーン!)

「ひゃ、ひゃくごじゅうぅぅ!?!?」


リリサ

「ええ。」


ティナ

「ちょっと待って……

リリサって今、何歳なの?」


リリサ

「今年で203歳だったかしら……

いや204歳……?」


ティナ(驚愕)

「……に……ひゃく……」


ティナ

「見た目そんなピチピチなのに!?」


リリサ

「あら、嬉しい事言ってくれるじゃない♪」


ティナ

「200歳とかお姉ちゃんというよりお婆ちゃんじゃん!!」


リリサ(ピクッ)

「……失礼ね。中身は“永遠の17歳”よ?」


ティナ(爆笑)

「ぶふぅ!!

い、いや……200歳が17歳って!!む、無理あるって!!」


リリサ(ギロッ)

「……ティナ、それ以上言ったら、どうなるかわかってるわよね?」


ティナ

「ひぃッ!?

ごめんなさい!!」


リリサ

「女の子を年齢でからかうもんじゃないわよ?」


ティナ

「はい……」


……


ティナ(のび〜)

「あぁ〜なんか、リリサの年齢聞いたら、

自分の悩みなんてちっぽけだったなー。」


リリサ

「何よそれ。またからかってる?」


ティナ

「いや、全然!?

ってかさ、この体、なにで出来てるの?」


リリサ

「珍しい薬草とか、鉱石ね。」


ティナ

「え?」


リリサ

「だから、薬草と鉱石。」


ティナ

「……待って。

わたしの体、草と石ころでできてんの!?」


リリサ

「ざっくり言うとそうね。」


ティナ

「わたし、自然素材!?無添加!?

オーガニック美少女だったの!?」


リリサ

「エコでサステナブル。地球に優しい体ね。」


ティナ

「そりゃ、転生してきたなんて信じてもらえないわけだわ!!」


リリサ

「でしょうね。

明日から“厨二病キャラ”でいくか、

“擦れたネタで滑った美少女”でいくか、どっちかにしなさい。」


ティナ

「……どっちも致命傷な気がするんだけど……」


リリサ

「まぁ、頑張りなさい。」


ティナ

「(致命傷でも死ななきゃかすり傷か……

明日から適当に話合わせよ……)」


リリサ

「じゃぁご飯にしましょ?冷めちゃうわよ。」


ティナ

「は〜い。」


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