特異(得意)なバスケで異世界攻略 第8話
ドンガさんと別れた後、まだ夕方にもなっていなかったので次は冒険者ギルドへ登録しに行く事にした。
街の人に声を掛け、道を聞きながら10分程歩くと剣と盾の絵が描いてある看板を掲げた体育館程の大きな2階建ての建物があった。正面にある両開きの重くしっかりとした作りの木製の扉を押し開けると、右手にお酒がメインの食堂みたいな所と、正面には可愛い女性が3人並んで座っているカウンターがあった。
(この世界は綺麗な人や可愛い人しかいないのか?)と顔に出さない様に心の中でガッツポーズをしながら3人の中でも俺の好みどストライクの可愛い女性の前に向かった。肩口までの黒髪で目は茶色、少し小柄のスレンダーな女性だ。ちなみに興味はないだろうが俺は綺麗な美人さんも好きだが、笑顔が似合う可愛い女性が好みだ。
「すみません。冒険者登録をしたいのだけど、場所はここでも大丈夫?」と少し軽い感じの口調で尋ねると、
受付のお姉さんは『はい。こちらで登録できますよ。それでは早速こちらの用紙に記入してください。記入が終わりましたらランク決めのテストを行ないます。ランク決定後、それに見合った冒険者ギルドの簡単なご説明を行います。』と笑顔でこちらもフレンドリーな感じで応答してくれた。
手渡された用紙には名前・職業・特技の欄があった。俺は異世界人ってこと以外は隠すつもりは無いので、【ロウ】【バスケットマン】【回復以外】と記入し、お姉さんに手渡した。(回復手段もそのうち考えないとな)等と思っていると、案の定お姉さんが、
『ええっと。。。バスケットマンって聞いた事の無い職業なんですが。。。特技も回復以外って事は武器も魔法も使えるって事ですか?』と聞いてきたので、もちろん全部本当です!と伝えると『テストで嘘がバレちゃうとランク査定にかなり響きますけど本当によろしいですか?』と念押しするので、俺は笑顔で親指を突き立てた手を前に出した。
受付のお姉さんに、カウンター横の廊下を奥に進んだところに椅子があるので待っているように言われ、そこで待っていた。暫くして2mはありそうな服がはち切れんばかりのムキムキのおっさんが『お前がロウってやつで冒険者新規登録に来たヤツか?』と聞いてきた。座っていた俺はムキムキの体からおっさんの顔に視線をあげると、白い髭を生やしたスキンヘッドが俺を品定めする様に見ていた。
「そうだ。俺がロウだ。」とあまりの厳つさに少しビビりながらも、威勢よく答えた。
『じゃあ早速テストを行おうか。魔法の方は水晶での魔力測定と得意な魔法を一つ見せる事。格闘の方は得意な武器を使っての実践だ。こちらの相手は俺がする。おっと紹介が遅れたが俺はここのギルドマスターのゴッズだ。よろしくな!何か変な奴が来たって聞いたから俺が直々に見てやる事にした。精々嘘つきにならない様に頑張りな。』と言うおっっさんの後に付いて行き、奥の格闘場みたいな所へと到着した。
『まずは魔力測定からだ。この水晶の上に手を置くだけで良い。魔力があれば水晶が光る。その明度で大体の魔力量が判るようになっている。さあ、早速どちらの手でも良いから置いてみろ。』
おっさんに言われるまま俺は手を置いてみた。すると目が開けれない位に水晶が光り輝いた!
『おおっ!これは驚いた!てっきり口だけ坊主だと思っていたら本当に凄い魔力を持ってるとはなぁ。魔力だけなら上級魔導士と引けを取らないぞ!ましてやお前は駆け出し冒険者だ。一体今までどうやって過ごしてきたんだ?』おっさんの問いに俺は、
「実はな、本当にこの数日以前の記憶が無いんだ。気が付いたら森の中にいて、この街の大きな商会主のドンガさんって方の行商帰りに出会って、一緒に連れて来て貰ったんだ。何となく自分の名前と戦い方は覚えているから、生活と身分証の為に冒険者登録をしに来たんだ。ドンガさんの護衛をしていたケントさんって冒険者に色々教えて貰ったってのもあるんだけどな。」と答えておいた。ほぼ嘘では無いしな。
おっさんは『そうか。色々ありそうだがまぁ良いだろう。身分証無しで無事街に入れたって事は犯罪歴を鑑定する水晶にも検問所で触っているだろうからな。じゃあ次はなんでもいつで良いから得意魔法を見せてみろ。』
おっさんの言葉に俺は頷き、「あの的を使っても良いか?」と許可を取りそれに向かって両手を突き出した。




