特異(得意)なバスケで異世界攻略 第23話
”この世界を変えてやる!”と誓った次の日、仕事終わりのミリカを食事に誘いデートのキャンセルを謝罪した後に今の想いを伝えた。
「俺の居た前の世界は日本って所で、とても平和でな国だったんだ。人の生き死になんて生涯で見る事なんてほとんどないし、人身売買なんてまず行われない。悪く言えば平和ボケした考えを持った人ばかりの国なんだ。以前も言ったけど俺はこの世界に来た当初は、いつか戻れるからそれまで目一杯楽しもうと思ってたんだ。でもミリカと出会い守りたい人ができ、ゴッズやモッグみたいに俺の事を心配してくれる人達もできた。」
ミリカは黙って聞いてくれている。
一息ついた俺は決心して、
「だから俺は全力でこの世界を変えてやる。魔王や勇者など知ったこっちゃねぇ。そんなのは勝手に戦わせとけば良い。俺は使える能力全て使ってさらけ出して、少なくとも俺の見える範囲では不幸は起こさない。その上で俺も全力で楽しむ。ミリカはもちろんこれから慕って付いて来てくれる人たちはもっと楽しませてやる。だからさ、ミリカ。これからも俺のサポートを頼む。まずはSランクを取得するつもりだ。確か貴族程度の権力はあるんだよな?」
『はい。あくまでも同程度ってだけで爵位までは付きませんが、色々優遇されます。ですがランクアップする為には貴族絡みの案件をこなし、推薦状を貰わないとなれません。そのためには冒険者としての実績を積んでから、護衛などの指名依頼を頂けるようにならないといけないので、スグにという訳にはいきません。』とミリカは少し残念そうな顔で教えてくれた。
俺はそこで、「貴族じゃないと駄目か?例えば王族とか?」と尋ねた。
ミリカはハッとした顔をしながら
『全然問題ありません!そういえば先日第2王女を救出されたんでしたね!』と満面の笑みで答えてくれた。
「ミリカ、俺は最短で進むって決めたんだ。だから使えるものは何でも使う。ちょうどAランクの申請も王都ギルドへ回っているんだろ?だったら帰ってくるのを待たずにこっちから貰いに行ってくる。そのついでに王女に面会の申し込みをしてみるよ。まぁそれからは行き当たりばったりでなるようになれってかんじだけどね。」と少し苦笑いをしながらウインクした。
それから明日朝にゴッズの協力を得る為にギルドに向かう事を約束し、ミリカを寮へと送った。
しかし恰好を付けた後でなんだが、真っ先にミリカとイチャイチャ出来る家が欲しいなぁと思ってしまった事は内緒で。。。
次の日、朝一で冒険者ギルドのゴッズの部屋に行き、俺の想いを伝えた。もちろん俺が異世界転移者である事も伝えた。
するとゴッズは表情を変えずに淡々とこう答えた。
『ロウ、お前には何かあると思っていたがまさか異世界人だとはなぁ。各ギルドの上層部のみが知っている事だが、確かに勇者召喚は行われた。目的など詳しい事は知らない。但しこの国クニソスではなく、この大陸の山脈を挟んで北の真逆にあるリガード国でだがな。ところでロウ。この大陸の事は知っているか?』
俺は知らないと答えると、
『簡単に説明するとこの世界には俺達の国クニソスがある大きな大陸と、その西の海を越えた所にあるルーフという魔族だけが住む大陸がある。俺達がいる大陸は大きく5つに分かれており、南側にこの国クニソス。北側に同じく人族の国リガード。東にドゥールという獣人族や海人族が住む国。その3国に囲まれた大きな山脈にドワーフ族の国ラテールや森林地帯にあるエルフ族の国リーベンがある。後、シエルという妖精族の国があるがこちらは場所は分かっていない。数年に1度位不定期で開催されるこの大陸の会議になると、伝える方法が無いにも関わらず必ず出席するらしい。』
『まぁ話はそれたが勇者召喚自体は一部の人間だけだが知るものはいる。もちろん特殊な力を持っている事も知っている。それを隠さず伝えるのであればお前の改革に協力してくれる人も沢山いるだろう。但し、同じ位その力を金や権力の為に悪用しようと寄ってきたり、目障りになるからと敵になったりする者たちが出てくる事は肝に銘じておけ。』
俺はゴッズの目を見ながら頷くと、
『俺も犯罪が多い世界は気に入らねぇ。ロウお前の活躍を期待してるぜ。今から王都ギルドマスターへの紹介状とお前への協力を惜しまないように手紙を書いておく。ちなみに俺の兄貴だから悪い奴じゃねぇ。心配するな。用意が出来たらミリカに渡しておくから後で受け取りにきな。』
俺はゴッズと握手を交わし、部屋を出た。




