特異(得意)なバスケで異世界攻略 第21話
アレンさんも俺の事を見つけ、こちらにやって来た。
『ロウ様。先程は本当にありがとうございました。護衛中の私語は出来る限り禁じられておりますので、この場を借りてお礼を申し上げます。それとお恥ずかしながら、ロウ様に頂いた高級回復薬は私にはスグお返しする事は出来ませんが、ティア様が王都に到着後手厚くお礼をさせて頂くと申し上げていらっしゃいましたので、しばらくの間お待ち頂けたら幸いです。』
俺は「別に構いませんよ。あの1本でアレンさんの命が助かったのですから、これ以上の無い使い所だったのですよ。」と伝えた。
するとアレンさんは満面の笑顔で握手を求めて来て、
『王都までの護衛依頼の手続きをしないといけないのでこれで失礼させていただきます。王への建前上Aランク冒険者以上でないと依頼を出せないのが残念です。また王都にいらっしゃったときは兵士詰め所へ顔を出してください。プライベートで個人的にお礼をさせてもらいます』と言い残し、速足で2階へと向かっていった。
先程の2人への報告時は流石に回復薬で助けた事までは伝えてなかったので、ミリカが『やっぱりロウさんは素敵♡』とちゅっとキスしてきた。俺は慌てて周りを見回した。「よかったー。誰にも見られてなさそうだ。」とミリカの方を見ると顔を真っ赤にしてうつむいていた。そして『ロウさんが素敵すぎて無意識のうちに…。』とブツブツいっていた。
あまりにもその姿が可愛かったので、ミリカの頭をかるくポンポンとなでて耳元で『可愛いお嬢さん。続きは今晩のディナーの後でどうでしょうか?』囁いた。
頭をぶんぶんっと縦に振った真っ赤な顔のミリカに分かれを告げた後、ミリカの仕事が終わるまでの間少し買い物に出かけた。
それから少し経った後、待ち合わせ場所にやって来たミリカに『モッグの所に一緒に武器を取りに行ってくれないか』と言い、一緒にモッグの店へと向かった。
店に入り、俺たちの顔を見たモッグはスグにミリカを抱きしめ、『良かったな。幸せになれよ。』と涙を流しながら喜んでいた。
それから楽しそうな会話をする二人を見守っていた俺に、
『すまん。待たせたな。最高の武器が出来たぜ。これでミリカを守ってくれ。絶対に悲しませるんじゃねーぞ!』と双剣を渡してくれた。
鞘から抜き、手に持ってみると驚くほどフィットする。刃の部分は鏡のように磨き上げられており、重さもナイフ位の重量しか感じない。聞くと、刃の素材はミスリルでそれ以外はスカイドラゴンの骨で造っており、自動修復機能も付与しているとの事。
「これってかなり高価なもんじゃ…」と言おうとしたら『そんな細かい事はどうでも良いから早く出ていきな』と店の奥へと引っ込んだ。
明らかに照れ隠しだったが、俺は『ありがとうございました。ミリカもこの双剣も大事にします』と大声で伝え、ミリカと二人で店を後にした。
それから二人でディナーを食べた後、待ち合わせの前に購入した物をミリカにプレゼントする為に夜景が綺麗な場所へやって来た。ちなみにプレゼントを買ったお店や、この場所等は屋台の食べ歩きの時に色々情報収集していたのだ。
夜景を少し堪能した後、ミリカに「目をつぶって左手を出して」と言い、その可愛い手の薬指に指輪をはめてあげた。そして目を開けてもらい指輪を見て驚いているミリカに伝えた。
「俺が居た世界には結婚して妻になる女性に指輪を贈る習慣があるんだ。本当は指輪をプレゼントする際にプロポーズするんだけど、順番は逆になっちゃったね。でもミリカには俺の気持ちを受け取って欲しかったんだ。愛してるよ。ミリカ。」そして俺はミリカを抱き寄せキスをした。
『ありがとう。一生大事にします。私も愛しています。ずっとあなただけです。』と抱き着いて来るミリカと何度もキスをした後、この指輪には1度だけだが、致命傷になる怪我や呪いに対し身代わりになってくれる魔法が付与されている事を伝えた。
ミリカと明後日の休日デートを約束し、ギルドの寮まで送って行った。寮の前でお休みのキスをしている所を他の受付嬢に見られてしまい、寮から出てきた数人の女の子達に連行されていくミリカにサヨナラを告げ、俺も宿へと向かった。それにしても早く家が欲しい。こんなの生殺しだーと心の中で号泣していたのであった。




