本文 1.状況説明(1000字)
プロットに矛盾が残ってるままなんだが、設定コネコネするのにもう耐えられないんで本文書き始めようよね。
西暦1432年夏、フランス王国フランドル伯領。
ここに、マルグリット・ド・ブルゴーニュという名の、貴族の娘がいた。
マルグリットは幼少期に洗礼を受け、修道院へ入って祈りを捧げながら生活していた。
結婚の機が熟せば、修道院から出られることになっていたが、彼女は既に17歳にもなっていた。
マルグリットの顔は醜かった。
眼が左右で大きくずれ込み、鼻はトンカチでたたかれたようにひしゃげており、唇は薄く鼻の下に糸を引いているようにしか見えなかった。それに加え、黄ばんだ歯がガタガタしており、サメの口内のようだった。
このような容姿であったから、彼女の母親は、彼女が結婚することはないだろうと、はなから諦めていたようである。
それは、彼女を修道院に入れる際に、多めに金を寄付し、司祭にこう言ったことからうかがわれる。
「この子は、生涯、修道女として暮らすでしょうから、どうか長く面倒を見てやってください。それから、変な噂が立つと困りますから、なるべく大衆の前にこの子を出さないようにしてくださいね」
さて、このマルグリットには、四人の兄弟がいたが、8歳の末娘をのぞいて、みな結婚していた。
末娘はマルグリットと同じ修道院で暮らしていたが、恥ずかしいからと言って滅多にマルグリットに近づかず、口もきかなかった。
それで、マルグリットが修道院内で気兼ねなく会話できるのは、もっぱら、同じように婚期を逃した貴族上がりの修道女たちとだけだった。
彼女らは、よくマルグリットのことを「可哀想なマルグリット」と呼んだ。
7.5:「末娘はマルグリットと同じ修道院で暮らしていたが、恥ずかしいからと言って滅多にマルグリットに近づかず、口もきかなかった。」とするか、「その上、末娘はマルグリットと違って城の中で暮らしていたので、マルグリットは彼女と話すことはおろか、会うことすらほとんどできなかった。」とするか悩ましい。今のところ後者が魅力的だ。だが、マルグリットは特別、露骨に差別されたわけではないんだ。むしろ、周囲に同情され、優しくされることも多かったのだが、しかしその優しさの内に侮辱が潜んでいた、と、こういう描き方がしたい。
考えてみれば、幼少期に修道院に入れられることは相当金のいる、敬虔な行為だったわけで、城の中で生活させられるより劣悪な選択肢であるはずはなさそう。




