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皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞⑤ ~小春にうつろう祈念《いのり》の行先~  作者: norito&mikoto
第3章 二人を繋ぐ情念《おもい》のカタチ

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第4話・詰めるは怒りか心配か ~秘薬の効果に悶絶す~

第3章 二人を繋ぐ情念おもいのカタチ



      第4話・詰めるは怒りか心配か ~秘薬の効果に悶絶す~



 アインは呪師寮に帰る時間になって皇宮医務殿から連れ出され……抵抗するようなそぶりは見せたが、結局は素直に帰って行ったのがアインらしいな……とインスは微笑ましく思う。



 そうやって、意識を逸らしていないとこの不快感にどっぷり囚われて吐き気で死ねる。



 ウスニーが(無理やり)飲ませた薬……薬ですよね? 毒じゃないですよね? 何だか本気で体調が悪くなった気もするんですが……?



 と内心で疑問を浮かべてしまうくらいには劇物だったソレを思い出し、再び吐き気に襲われて唸るインスを冷ややかに見下ろすウスニーの目に若干愉悦が浮かんでいる気がするのは被害妄想か?



「それで? 言い訳は?」



 腕を組み、顎を逸らせて見下ろすウスニーが何を言っているのか分からない。



 青ざめて悶絶し続けるインスはいまだ涙目のまま、億劫そうにウスニーを見上げた。



「……いいわけ……?」



 震える声で聞き返した瞬間、ウスニーの額にピキリと音さえ立てて青筋が浮かんだ。



「……っ……!?」


「お~ま~え~は~っ!!」



 がしっと襟元を掴んで引っ張り上げられて、目を白黒させるインスの体をがくがくと揺らすウスニーに遠慮がない。



「ちょ……っ!? ウスニーさ……っ!?」



 あまり揺らされると吐き気が酷くなる。



 必死になってウスニーの腕を叩き、放して欲しいと主張するが、むしろ首が絞まるほど強く引き上げられて鼻先に顔を突き付けられた。



「……五回ももたなかったじゃないか……?」



 低く、押し殺した声が恨めしげに告げる。



 半ば意識を飛ばしながら、何の話だろう? と少し考えて……



「……あぁ……」



 漸く何を言われているのか分かった。




 今回、アインの授業で使われた幻影人形という魔法は、本来は戦闘訓練……模擬戦で使われる敵性人形を作り出す魔法。



 インスが皇宮呪師学校に在学中、当時の教員複数から寄ってたかって幻影人形との模擬戦を強いられた時、五回目までは確実に死亡判定となるダメージを受けた事があった。



 しかも、その後もそのまま訓練が続けられて、結局、何回の死亡判定を受けたのか、インス自身も覚えていない。



「嘘は言っていませんよ? 五回目まではちゃんと数えていられましたから」



 それに、最初から「正確なことまでは覚えていない。」と伝えた上で告げた回数が五回。



 数えていた回数が五回目までだったから、そこまでは大丈夫だろうと言っただけ。



 ギリギリと歯を鳴らして、ついでにインスの襟元を掴んで絞るように持つ手にもさらに力が入って締め上げて、青くなったインスが、バシバシ腕を叩く。



 いい加減、放してくれないと窒息しそうだ。



「で、何で三回でこうなった?」



 パッと手を離したウスニーが、ぐったりとベッドに突っ伏して咳き込むインスを睨む。



「……おそらく、ですが……」



 ゼイゼイと肩で息をしながら言葉を絞り出したインスが告げたのは、一回ごとの間隔と位置。



 かつて呪師学校在学中に受けた死亡判定は授業時間内に繰り返しであっただけ。



 対して、今回はごく短い時間に何度も死亡判定を受けるようなダメージとなった。



 しかも、同じ動きを繰り返させたので、正確に、同じ位置に複数回に渡ったため、その分負担も大きくなったのだろう。



「……………」



 むすっとした表情で腕を組み、インスを見下ろすウスニーの目に、まだ納得しきった様子はなかったが、インスから言えるのはそれだけだ。



 気持ち悪いのと、絞められすぎて痛む喉と、不快感でひっくり返りそうな胃と、ひたすら重怠い身体を持て余してぺしゃっとベッドに突っ伏して呻く事しかできない。



「……というか……何を飲ませたんですか……?」



 必死に息をして、少し落ち着く合間に問い詰める。



 一言告げるだけでも億劫で、声を出すたびにせり上がる不快感に吐き気が止まらない。



 おかげで、涙が浮かぶのも止められなくて、ずっと涙目のまま。



 流石に大泣きするようなことはないが、正直泣きたい気分ではある。



「主神殿の医務殿に伝わる秘薬だ。安心しろ。効き目()()は保証してやる」



 全く安心できない返答を青筋を浮かべた笑顔で言われ、どうやら相当怒っているらしいことに漸く気づく。



 気づいたことが分かったのだろう。



 そこから、全く笑っていない笑顔でウスニーはインスの意識がなかったこの十日ほど。



 何が起こっていたのかを懇切丁寧に嫌味混じりで説明し始めた。


第3章第4話をお読みいただきありがとうございます。


今回は、アインが帰った後の病室で繰り広げられる、ウスニーによる恐怖のお説教タイムでした。


激重なアインの宣言から一転、主神殿秘伝の「秘薬(劇物)」の副作用で、涙目で悶絶するハメになるという厳しい現実……(笑)。


インスなりの計算(言い訳)はあったようですが、それ以上に心労をかけられたウスニーの静かなブチギレの温度差が激しいです。


しかし、完全に自業自得とも言えるインスの不憫さは、相変わらず(いつも通り)だな……とも思いますwww


果たしてインスはウスニーからどんな事実(嫌味)を突きつけられることになるのか?


次回もお楽しみに!


【第1部はこちら】


姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第1部・レッド・フレイムの呪い】

(https://ncode.syosetu.com/n1170lj/)


【第2部はこちら】


姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第2部・レッド・フレイムの残照】

(https://ncode.syosetu.com/n5488lq/)


【番外編・第1弾はこちら】


皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞①~悪夢の海で瞑る翳・代償と贖罪の狭間で望まれる~

(https://ncode.syosetu.com/n5697ln/)


【番外編・第2弾はこちら】


皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞②~滞留するのは魔力ちからの残滓~

(https://ncode.syosetu.com/n6684lr/)


【番外編・第3弾はこちら】


皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞③~重なり合うのは悪意おもいの欠片~

(https://ncode.syosetu.com/n5078lu/)


【番外編・第4弾はこちら】


皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞④~幻影人形ビジョン・ドールで選ぶ道~

(https://ncode.syosetu.com/n1705lx/)


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日12時から、毎日昼と夜、1日2話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「面白い」「続きが気になる!」と感じていただけたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【第5弾は完結まで執筆済みです。よければ最後までお付き合いください。】


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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