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皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞⑤ ~小春にうつろう祈念《いのり》の行先~  作者: norito&mikoto
第3章 二人を繋ぐ情念《おもい》のカタチ

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第5話・気持ちは分かるがどうにもできない ~続く効果に目を回す~

第3章 二人を繋ぐ情念おもいのカタチ



    第5話・気持ちは分かるがどうにもできない ~続く効果に目を回す~



 そんなことを言われても……



 ウスニーから、ここ十日ほどの様々なことを、これでもかとばかりの嫌味と共に聞かされて、インスの頭に最初に浮かんだのはそんな言葉だった。



 確かに、想定よりずいぶん大きくダメージを受けてしまっていたようで、訓練場で意識を失ってしまい、そこから今日までずっと眠り続けていたことで各方面に色々と……本当に色々としわ寄せが行ったのは分かる。



 それだって、そのうちのいくつかは、別にインスが絶対に居なければ進まない案件と言う訳でもない。



 もちろん、中にはそのせいで滞って、迷惑をかけることになってしまっているものもあるのは確かだけれど……だとしても、そこに関しても、インスにだって色々と、言いたいことはある。



 けれど特に、皇城側からの……さる高貴なお方からの問い合わせに関しては文字通り「知りませんよ。」と言いたい。



 ちなみに皇城側からは別の、正しく知る権利を有するところからも問い合わせは来ていたが、そちらは最初に一度だけで、しつこいほどではないらしい。



 そもそも、皇城側から一介の皇宮呪師でしかないインスに関する問い合わせがあること自体が異常だというのもある。



 まあ、実際のところは、今後のアインに関することを検討したいからにすぎないだろうが……



 そんな感じのことを飛びかけた意識の下で考えているインスだが、口に出していればウスニーから更なる説教が降ってくるところ。



 自分を()()()皇宮呪師だと思っているのはインスだけだ。



「……とりあえず……」



 いまだ治まらない不快な吐き気と戦いながら、億劫そうに声を絞り出すインスを、むっすりと顔を顰めてウスニーは見下ろす。



「……コレ……いつまで続くんですか……?」



 色々と大変だったことは分かったが、今はとりあえず、この不快感と吐き気を何とかして欲しい。



 重怠い身体でベッドに突っ伏したまま、のろのろと顔を動かして視線を向けると、ぴきぴきと音を立ててウスニーの額の青筋が増えていく。



 あんまり怒ると体に悪いんじゃないかなぁ? とぼんやり思うが、自分の思考が飛び飛びであることにインスは気づいていない。



「お~ま~え~は~っ!!」



 これだけ懇切丁寧に説明してやっているのに、聞くことがソレか!!



 怒りで握った拳がぶるぶると震えるのを感じつつ、ぼんやりとして目の焦点が合っていないインスを睨む。



 睨んでいる間にも数度、吐き気を堪えるような、気持ち悪そうな顔をして、口元を押さえているけれど……



「……心配するな……」



 見ているうちにウスニーの中に被虐心が湧きあがり、にやりと口元を歪めて笑みを作る。



「丸二日もすれば落ち着いてくる」


「……………………………………ぇ?」



 ごくあっさりと言われ、インスの頭が理解するのを拒む。



 青い顔でウスニーを見上げ、パチパチと瞬きを繰り返すインスに、ウスニーはそれはそれは愉しそうな笑顔を見せた。



「だから、丸二日もすれば()()()()()くるよ」



 言われた言葉を数回、頭の中で反芻して……



 さぁ~っと、インスの顔からさらに血の気が引く。



「……まる、ふつか……」



 この、とんでもなく気持ちが悪くて、今にも吐きそうなのに吐き出せない、ひたすら嫌な感覚が、丸二日……それに耐えて、丸二日経っても、落ち着いてくるだけ……



 そこまで理解した途端……



「あっ! おい! インスっ!!」



 白目を剥いて意識を飛ばしたインスを見て、流石にやりすぎたかと焦ったウスニーが声をかけ、突っ伏していた身体を上向きに返す。



 軽く揺らしてみるが、気づく様子はなく……



「……まあ、少ししたら目を覚ますか……」



 溜め息を漏らしたウスニーは、後は寝かせて、次に起きた時には食事を摂らせようと決め、部屋の外、廊下に待機させていた看護要員の神官呪師に声をかけた。


第3章第5話をお読みいただきありがとうございます。


引き続きインスとウスニーの病室でのやり取りでした。


十日間も眠りこけて周囲に迷惑をかけたにもかかわらず、ウスニーの懇切丁寧な説明(嫌味)をよそに、自分の不快感をどうにかしてほしいと訴えるインス。


まったく噛み合わない二人の温度差の行き着く先は、ウスニーによる笑顔の報復でした(笑)。


その言葉の意味を理解した途端に白目を剥いて意識を飛ばすインスの不憫さは、自業自得とはいえ笑ってしまいますね!


やりすぎたかと少しだけ焦りつつも、結局そのまま寝かせておくウスニーの容赦のなさも最高です。


目を覚ましたインスをどんな現実が待っているのか……?


次回もお楽しみに!


【第1部はこちら】


姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第1部・レッド・フレイムの呪い】

(https://ncode.syosetu.com/n1170lj/)


【第2部はこちら】


姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第2部・レッド・フレイムの残照】

(https://ncode.syosetu.com/n5488lq/)


【番外編・第1弾はこちら】


皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞①~悪夢の海で瞑る翳・代償と贖罪の狭間で望まれる~

(https://ncode.syosetu.com/n5697ln/)


【番外編・第2弾はこちら】


皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞②~滞留するのは魔力ちからの残滓~

(https://ncode.syosetu.com/n6684lr/)


【番外編・第3弾はこちら】


皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞③~重なり合うのは悪意おもいの欠片~

(https://ncode.syosetu.com/n5078lu/)


【番外編・第4弾はこちら】


皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞④~幻影人形ビジョン・ドールで選ぶ道~

(https://ncode.syosetu.com/n1705lx/)


【今後の連載スケジュールについて】


続きは本日22時から、毎日昼と夜、1日2話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「面白い」「続きが気になる!」と感じていただけたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【第5弾は完結まで執筆済みです。よければ最後までお付き合いください。】


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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