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ルビーアイ・カタストロフィ  作者: アゲハ
5章 その名はカタストロフィ
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93話 亀裂

私はどうすれば良いの……


何とかしなきゃ……


理由は無い


解決策も無い


でも、私は言葉にしたかった


言葉にすれば、何かが変わるも知れない


その一心で言った




「咲子…… 何とか助けて上げる…… それならパパを()()()()する事は無いでしょ!」







咲子は首を横に振る







何が……







奴の呪縛から抜けられても何がダメだと言うんだ!?







「無理よ、泉…… 全てを識ってしまった…… それじゃ、藍が救えない……」



「藍の何がパパに関係有るのよ!?」



「…… ねぇ、泉…… 藍が家に来てから、親達の様子が()()()()()()じゃ無い?」





今度はなんだ!?


確かに…… そうだが……


()()()()をしていた……


それがどうしたと!?





「ええ、まぁ……」



「藍ね…… 片親なの」



「うん……」



「藍のパパ…… 殺したの…… 龍パパなの」



「はぁ!? 何言ってるのよ!? パパがそんな事するわけ無いでしょ!!」



「でもね、泉…… 何で龍パパは…… 藍に謝罪したの? ズッと…… ズッと謝罪したの?」



「…… でも…… パパはそんな事しない!!」



「理由になってないよ……」



「しない! しないよ、バカ!」



「だから…… それも理由になってない……」






認められるか…… そんな事!







「ね? 結果…… 出たでしょ? 泉は龍パパを救う…… 私は龍パパを殺す…… 正反対の位置に居るのよ」



「だからって……」







それ以上の言葉が出なかった



真実かも知れない……



そう思ってしまった



でも、認められる訳が無い



そんな思いを巡らせた時、咲子は言った







「私ね…… 貴方が(うらや)ましかった」







突然の事に一瞬、言葉を無くす







「な、何よ…… いきなり……」



咲子は笑った


その顔は、とても…… 優しかった



「英語が出来て…… 友達も居て…… 勉強も優秀過ぎた…… 両親が何も言わなくても、多分、比べられて居るんじゃ無いかと…… いつも思ってたわ……」



「そんな事無い!」



「貴方も思ってたでしょ? 何をやっても、()()()()()()()()()と……」



「思って無い!!」








嘘だ







嘘だ……







私……








思ってた……







さっきもママの…… 咲子が私よりも上を行って居る事…… それを聞いた時、とても悔しかった……







そんな事、おくびにも出さないつもりだったのに…… 咲子は気付いて居たんだ……







私も知らなかった感情を……







「泉…… だからね…… 私は嫉妬(しっと)した…… 貴方の才能に嫉妬した…… 超えたい…… そう思った…… そしてイメージとして持っていたソレを、完成させた」



「イメージ!? 胡桃ママの言っていた…… 遙かに恐ろしい力!?」





「そうね…… 私は…… 超えたよ…… 貴方を……」








「咲子……?」









「ククク…… ねぇ…… 泉……」











「な、何よ……」








多分







()()()()()だろう








私の予想と……








咲子の言葉が重なる








咲子は言った








冷静に……








静かに……








「だから…… 殺し合おう♪ どちらが上か決めよ」








「アンタ…… 本気で言ってんの……?」



「本気よ、泉…… やるしか無いでしょ…… それに、やるなら今しかないでしょ? ハッキリさせるべきだよ…… どちらが上か、ね」








やるしか無い……








本当に、そうなのか……?







まだ、迷いが有った







無いわけが無い……







ズッと一緒だったのに……







突如、悪魔が口を開いた





「ならば、そろそろ戦いの鐘を鳴らそうかね……」





分厚い衣服を何枚も着て、車椅子に乗り、悪魔の様に醜悪な笑顔を見せる男がそう言った



車椅子をキィキィと鳴らし、競技場に進んだ



チョーカーのせいで距離が離れる訳にはいかない藍は、淋しそうな…… 悲しそうな表情を一瞬私に向け…… その後ろを付いていった








競技場手前まで車椅子を移動した奴がクルリと半回転し、私と咲子をニヤリと見る








そして両腕を大きく広げた








その手は固く握られている



その眼は双眼がとても美しく…… ()()()()






肘から拳を天に向けた時、彼は()()()()()()






その風の爽やかさは、この男から流れるものとは思えない清々しさまで感じる



そして、



「ハアァァ!!」



一瞬の掛け声と共に、奴を取り巻く風に、ピリッと感じる稲妻



何をしたいのだ!?



この男は!?



その考えは無駄に終わり、直ぐに答えは出た








()()()()()()()()()()







どこからも…… かしこからも……







ナンダ、コレハ……?







一番悲鳴の高く鳴り止まない場所







それは競技場だった







私は見た







奴の肩越し、その先には競技場が広がる







人が沢山居たのに……








誰もが倒れていた







いや……







起き上がった……







人では無い……








そう即座に感じた








立って居る








立って【は】居る







フラフラと左右に揺れ、頭部と両手はダラリと下がった姿








操り人形の…… 背中だけに糸の残るような……







ドラマか映画か……








そんな物にもよく似た…… 片目だけが紅い……


死者(ゾンビ)に見える姿だった

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