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ルビーアイ・カタストロフィ  作者: アゲハ
5章 その名はカタストロフィ
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88話 ハードブラック・ガム

ーーーーーーーーーーーー


遡る事、決戦当日、am8:36


ーーーーーーーーーーーー




咲子は家を出た


大学に向かうために登校した


アーサーが【私】を見て口を開く




「サテ【泉】、食事モ済ンダ事ダシ図書館ダッケ? 行コーカ!?」




私は頷き、




「そうね…… 調べなきゃ…… 何か解るかも知れない……」




そんな事を話した時に、ガチャリと玄関の戸が開く


入ってきたのはライだった




「咲子を見送ってきてくれたのね♪ ありがと!」



コクリと彼は頷く


そして、私を見て呟いた



「プランB…… カ……」



私は驚いた


ライが話した?


話せたのか!?


初めて知る真実


今までいつも無言で、アーサーからも話す事は出来ないと聞いていた


それなのに、話した……


それに、プランBって……


いや、それよりも……



「ライ!? 貴方、話せたの!?」



コクリとまたライは頷く



「じゃあ、今までなぜ!?」



それを遮ったのはアーサーだった



「ライ、彼ハ…… サファイアノ完成形…… ()()()()()()()()()()ヲ持ッテイル…… 願イダケジャ無ク、思イヤ言葉ダケデモ創リアゲル時ガアルカラ封ジテイタンダ…… 許シテヤッテクレ」




アーサーよりも強い力!?


サファイア・アイの完成形!?


勝てる……


勝てるんじゃない!? これなら!!




「笑顔ニナッタネ…… デモ、マダ足リ無イヨ……」




アーサーはそう言った




「足りない? 何が?」


「情報サ…… 敵ガ誰カモ解ッテイ無インダヨ?」


「そ、そうね…… 図書館行こうか……」






そう言って私達は玄関に向かった






靴を履いている時に背後から声を掛けられる


振り向くと、そこには桜ママが居た



「泉、()()を♪」



手渡されたのは()()だった


朝食に出してくれたハードブラック・ガム



「イヤよー…… ソレ、(から)すぎだもん!」


「そう言わない! 集中するためにもネ♪」



そう言って、アーサーとライにも手渡す



「アリガトウゴザイマス♪」

「アリガトウゴザイマス♪」



彼らはソレを受け取り、深く会釈をする


その姿を見て、私だけ貰わない訳にはいかない


桜ママの手に乗るソレを受け取り、私はポケットに入れた



「食べないかも知れないよ?」



そう桜ママに言った時だ


その背後から桜ママの肩に手を乗せた、私のママが居る



「食べないならそれでも良いわ♪」



笑顔で話し掛けるママ



「食べないなら、持っててもしょうが無いじゃん?」


「そんな事無いわよ♪ ()()()になるし♪」


「通行料? どういう意味?」


「さて、ね♪」



そう言ってリビングの戸を開け、キッチンに戻っていった


私は理解出来なかったが、アーサー、ライと顔を見合わせ、私達は図書館に足を運んだ






程なくして図書館に着いた






こんな小さな町にあるとは思えない大きさの図書館


3階建てで円形


1階、2階、3階と段々円が小さくなる外観


さしずめドーナツが一回りずつ小さくなる物が重なる様な感じの造りだ


どこかのデザイナーが考えた建物らしい


だが不思議な形の建物とは裏腹に、大きさの甲斐もあってか、書籍もさることながら地方新聞も数年分がたんまりとある


私達はソレを確認しに来たのだ






靴を脱ぎ、スリッパに履き替える


用があるのは、あくまでも()()


私達はソレの置かれた棚に足を向けた






数年分とは良く言ったものだ


とんでもない量の地方新聞が連なる


こんな量を……


もう既に吐き気がする程の棚一面の新聞


少し、気合を入れなきゃならなそうだ……






「そういえばアーサーとライって日本語読める?」



その質問にはアーサーが答えた



「少シナラ……」


「だよねー…… じゃあさ……」



私は紙2枚とペンを司書から借りて書き始めた



【紅】



【紅い眼】



一応【ルビーアイ】



それらを2枚の紙に書き、それぞれに手渡す



「この文字が書いてある箇所があったら私に頂戴♪」



ライがコクリと頷き、アーサーは



「OK♪」



と答えた






黙々と新聞を読み進める


男性陣2人も同じく無言だった


あまりにも多すぎる量の為か、はかどらない


明らかにページをめくる速さは私が上だった


紙に書いたワードを探していくのだ


当たり前と言えば当たり前だ


私はまた次の新聞を手に取った






少しお腹も空いた頃だと自覚する


図書館内に設置された掛け時計は13:12を指していた


私は今手にしている新聞を確認終えると2人に向き直る



「そろそろお腹も空いてきたし、ランチにしない?」



2人も顔を見合わせ、頷いた






この図書館には小さなレストランがテナント設置されている


私達は足並みを揃えてその自動ドアをくぐる


椅子に腰掛けた私はメニューを2人に手渡した



「僕ハ…… ナポリタン♪」



アーサーのメニューにライも笑顔を見せる



「僕モ♪」



そう言ったライは私にメニューを手渡す


一通り目を通すが、グッと来る料理は無い



「んーーー…… じゃ、私も♪」



そう言い、ナポリタンを3つ注文したのだった






食事が終わると私は席を立った






「ちょっとトイレに……」


「行ッテラッシャイ♪」



そう言ってくれたアーサーに笑顔を向け、私はトイレに向かった








用を済ませて、手を洗う








情報の見つから無い事に少々の苛立ちも感じていた








それなりに見たはずなのに……



中々無い物ね……



新聞に取り上げられてないのかな……



権力で抑え込まれてる?



いや、それは無いか……



何もかにもが不明確なのに……



テレビでも取り上げられているのに?



そんな考えを巡らせながらトイレを出る



料理を食べたテーブルに2人の姿は無かった



キョロキョロと回りを見渡すが、2人は見当たらない



とりあえず料金を払おうとしたが、『もうお代は頂いております』とのことで、私は図書館に戻った






グルグルと図書館内を見て回る


大きすぎてドコに居るかが解らない


新聞のコーナーに戻ってもその姿は確認出来なかった



「一体ドコよ……」



そう呟きながら不意にガラス窓へ目を向けた私はアーサーの後ろ姿を見つける



「外かーー!?」



私はスタスタと正面玄関に向かった


自分の靴に履き替えてアーサーを確認した窓側に進んで行くと、アーサーとライが話をしているようだった



「2人とも、置いてくなんてヒド……」



そこまで言い掛けた時だ


アーサーが叫んだ



「プランBダト!? ()()ガカ!? フザケルナ!!」






私は驚いた


2人はとても仲の良い双子の兄弟だ


今まで笑い合う事はあっても、大声を上げる事など見たためしがない



万一(まんいち)ダ…… 必要無クナレバ、ソレガBest(ベスト)ダヨ…… 僕ダッテ納得ヲシテイ無イ」


「納得セズニ居テ、何故ソレヲ僕二言ウ!!」


「万一ト言ッテイル……」


「解ッテ言ッテイルノカ!?」


「勿論ダ…… アーサー、ナラバ君ハ全テノ人間ヲ破滅サセタイノカ?」


「ソンナ事ハ言ッテ無イ!」


「僕達ガ居レバ大丈夫ダ」


「クッ…… オ前ェェ……!!」





そう言ってアーサーは手を振り上げた





これは本気の喧嘩だ


止めさせなきゃ!!


私は2人の間に割って入った



「何してるのよ!? 止めて!!」

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