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ルビーアイ・カタストロフィ  作者: アゲハ
4章 求める強さの先に……
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59話 悪魔の笑顔

【敵】か【傍観者】



味方では無いだろうからプロフェッサー・スティは、この2つのどちらかなのだ


傍観者ならベスト・オブ・ベスト……


私達の立ち回りは変わらない






倒す事…… 高田教授のやろうとしている何かを阻むべき事……





これらを遂行するだけ






そしてもう一方……






敵、である可能性






これは最悪だ






今は些細な事でも軽く考えるべきでは無い






表情から読み取ったのなら良い






いや、それすら軽く考えてしまっている






ダメだ






それも深く、受け止めるべきだ






あの時、私が心の中で否定的だった教授が彼に伝えたお世辞……






()()()()()()()()()()()()()






まさかそんな事が出来るとは思わないが、出来ると仮定すれば危険だ






仮定だ






仮定なのだが、安直に考えるのは最悪を招く






出来る






そう考慮した上で行動しなければならない






気楽では無いが、やるしか無いのも事実






もしもそのような力があったとすれば……






スティと会った時には、高田教授が敵だ、などとは思ってはならない






ソレを前提に探らなければ…… 足元を()()()()()……






奴との戦争が近いかもしれないのに……






午前中の受講科目が終わり、私の元に藍が駆け寄る


私達は、いつもの2階連絡通路に向かった


ただ、そこでいつものように食事するわけでは無く、通り過ぎて生物学研究室に行く予定だった


プロフェッサー・スティを迎えに行く為にだ


藍には事前に話している


彼女も快く承諾してくれた






長い連絡通路を歩いて居ると、キィキィと耳の奥に残る音が反響する






前から車椅子に乗る高田教授と、隣にはプロフェッサー・スティが私達の姿を確認し、寄って来た



「hi! 咲子♪ 待チキレナクテ来テシマッタヨ♪」


「プロフェッサー・スティ? 今、お迎えに行くトコでした」


「oh Thanks! ン……? ソチラノ女性ハ?」



スティは隣を歩く藍に目を留めた


そして高田教授とは真反対の笑顔を見せたのだった



「初めまして、プロフェッサー・スティ! 私は浅田藍です♪ よろしくお願いします!」


「藍・浅田ネ♪ コチラコソ!」



そう言い、満面の笑みで右手を出した


その手を藍も掴んで握手を交わす


一度、スティと視線を合わせた高田教授がコクリと頷き私を見た


そして言った



「では、咲子君…… よろしく頼むよ」


「承知しました」



私の返答を聞いた高田教授は、車椅子を旋回し、キィキィと鳴らしながら来た方へ動き出す


その音を聞きながら、不意にスティが話し掛けて来た



「咲子…… チョット聞キタインダガ、君ハ泉トイウ女性ヲ知ッテ居ルカイ?」



あまりにも唐突な質問に私は言葉を選ぶ余裕も無く、



「はい、私の姉妹ですが……? それが何か?」



と、答えていた



「ヤハリ! 彼女ハ私ノ大学…… ソノ研究スタッフ♪ ヨク話二出テ来ルカラ…… モシヤト思ッテタヨ♪」


「ハーパード大学…… そっか! 泉の通う大学の! 泉がお世話になっております♪」












その時だった








ゾクリと……








()()()()()()()()瞬間を、私の感覚が捉える








()()()()()()








今まで聞こえていた、()()()が……








連絡通路に響いていた……








反響していた……








キィキィと耳の奥に残る……








()()()()()が……








私は見た








プロフェッサー・スティの、ふくよかな体の脇から見える








そのずっと先に居る








こちらに向き直った高田教授の、目を丸く見開いた姿を……








やってしまった……








あれほど気を付けて居たのに……








奴が知って居るとは思わないが、私の情報を伝えてしまった……








泉という存在を、だ








私と同じ()()の、()()



知らなくても、無駄に教えるべきでは無い情報を……



私が万が一、双眼のルビーアイだと知れれば、泉に繋がる情報を……








一番最悪な情報提供だ……








奴は、その驚いた表情を戻し……








そして、ずっと先にあるその顔は








笑顔に変わった








その顔は








実に








そう、実に








悪魔の様に、醜悪さが満ち満ちた笑顔だった


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