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ルビーアイ・カタストロフィ  作者: アゲハ
4章 求める強さの先に……
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57話 ニュース

眩しい朝日がカーテンの隙間から覗く


眠い目をこすり、私は上半身を起こした


私のベッドの下には、まだ布団の中で寝息を立てる藍が居る


まだ起こすのは可哀想だ


だってまだ、朝の6時過ぎなのだから






正直なところ、私はあまり眠れなかった


眠りはしたが、睡眠の浅さを感じる


昨夜の教授の件で熟睡出来なかった






何はともあれ今日はアノ未確認生物、マインラットの様子を見るべきだろう


あの生き物が、何か大切な鍵を握っているハズだ……


そして更に、教授に私の行動を悟られてはならない


最後の戦いが、近付いて居るのかも知れない


100%では無くとも、限りなくソレに近い敵


ソレと行動を共にしながら……


そう考えただけで緊張からか、吐き気がする


こんな睡眠不足の状態では、足元を()()()()()


まだ食事には早い


着替える時間にも早い


眠れるとは思わないが、もう少し、目を閉じるとしよう……








リリ…… ン……


目覚まし時計の音が鳴るが、即座に止めた


結局、眠れなかった


でも着替えをするには丁度良い


私は衣服を脱ぎ、大学に行く準備を整える


まだまだ家を出るまでの時間はある


無理に起こす必要は無い藍は、そのまま寝せておいた






着替えを済ませた私は、部屋を出てリビングに向かう


階段をトントンと降りる音に混じり、キッチンからもトントンとまな板が鳴る音が聞こえる


リビングの戸を開けるとママ達が朝食の準備を始めていた



「あら? 咲子? 早いわね?」



ママが言う



「うん、チョイ眠れなくてね……」



私は答えた



「そうよね……」



理解してくれたのだろう


昨夜の教授の件を……


彼は()()


ほぼ間違いなく、だ






私はソファに腰掛け、リモコンを手にする


そしてボタンを押した


漆黒を映していた画面が、彩りを付ける


ソコに映っていたのはニュースだった


あまり時世に興味は無い


私はチャンネルを変える








ハズだった








その手を止めたのは私自身



そのニュースは、ソレに興味が無い私でも、()()()()()()()だった






(次の県内ニュースです…… 昨夜未明○○町で、またも一般人が襲われる事件が発生しました…… 犯人は未だ逃走中との事です)



(恐いですねぇ…… 犯人は紅い眼をしているらしいのですが、犯人の特徴と合致する人物は特定されていないんでしょう?)



(紅い眼なんて居るとは思えませんから、カラーコンタクトレンズでしょうか? だとしても、合致と言われましてもねぇ……)



(そうなんですよね…… 人体に危害が及んだのは、数件中、3件の様ですが……)



((おおやけ)にされていない物も有るでしょうから…… 町民の恐怖はいかほどの物かと心配になりますね……)



(そうですね…… あ、続報です! 紅い眼の犯人は5名との事です! 男性4人、女性1人です! 被害者は無傷、衣服上下が半分近く弾け飛んだとの事です)



(弾け飛んだ? 妙ですね…… 切り裂かれたなら解りますが……)



(そうですね…… 不可解な事件ですね…… 早急な犯人逮捕が求められますね……)



(次のニュースです 新しいレジャー施設誕生の……)



私はテレビを消した


振り向いた私は、ママ達を見る


彼女達は黒いテレビ画面を見つめていた



「コレって……」



私が口を開いた時、ママ達の視線が集まる



「ええ、ルビーね……」



ママが口を開く


そして胡桃ママが続いた



「今までは1人と思われていたのに…… コレでは…… まるで……」



そこまで言った時だ


リビングの戸がガチャリと開く


私達は驚き、口を閉じ…… 開いた戸を見た








そこに居たのは泉だった








「多分、リハーサルよ…… 試してるんだわ…… 何かを、ね」


「リハーサル……」


「そう、リハーサル…… いえ、研究か実験かもしれないわね…… なんにせよ、単独行動が集団行動になったのは状況が良く無いわ……」


「そうね…… 戦争が、近いのかも知れないね……」



私は黒い画面を見て言った


ネズミやゴキブリは、一匹見つければその先に何匹も居るらしい


ルビーアイ所持者は5人目撃された


その先には何人いるのだ……






またガチャリとリビングの戸が開く


そこに居たのはアーサーとライ、そして着替えの済んだ藍だった


藍は私の姿を確認するや否や、



「起きたんなら、私も起こしてよー!!」



と言い、腰にてを置き()()()()顔を見せる



「まだ起きる時間には早かったからさ……」



眠れなかったとは言えない


心配するのが目に見えている



「いつもそんなに起きるの早いの?」


「んーん…… なんか目が覚めちゃって……」


「私、寝相悪かったかな?」



私は目の前で手をブンブンと振る



「そんなこと無いよ!! 大丈夫、大丈夫♪」



そう笑顔を返した








ズラリと食事が並ぶ


その頃にはパパ達もスーツ姿で降りてきた


いつもの様にシャキッとした顔立ちでは無い


妙に()()()()()の見える顔付き


そしてまだ眠いのか、パパ達はフアァァ……と欠伸(あくび)をした


眠れなかったのかな?


そう思いもしたが、夜とは違って朝はそれぞれが忙しい


カチャカチャと箸を鳴らし、無言…… とまではいかない程度の会話をしながら食を進めた








私は泉に問い掛ける



「ねぇ、泉? 今日の予定は?」


「んーーー…… アーサーとライをこの辺案内しよーかなって思ってるよ」



そして泉は藍をチラリと見た








()()()()()()








多分、()()








パトロールなんて大袈裟な物では無いだろうが、手掛かりを探そうとしている事は表情から掴めた



私は泉に、藍には不信感を持たれないような言葉を選び、応答する



「無茶しないでね」



これが精一杯



事件のあった場所なら、まだ規制されているだろう



無駄に近付くと、要らぬ疑惑が警察から持たれるのを制した



ただの野次馬なら良い



だが野次馬との違いも明確だ



私達は犯人を、()()()()()()()()()()()のだから



野次馬との違いは、物見遊山で見たい聞きたいの感情では無く、より深く情報を知りたい、知るべき、の表情



警察が勘付いてしまってはマズイ



それを感じてか、泉は



「うん、無茶はし無いよ……」



と、私には解る言葉を選んだ


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