49話 サファイア
「さて、と……」
リーダーがアーサーとライを交互に見る
そして言った
「人数も銃の数も勝ったなぁ…… どうする?」
彼らは微動だにせず、奴らを睨んだ
そして足元でうずくまる男にもう1発ずつ、弾丸を放った
悲鳴が反響する
冷静に見ていたリーダーが変えた、気持ち悪い笑顔
「ナルホドなぁ…… ソレが答えね……? もう一度言うケドよ、舐められる訳にゃいかねーのよ…… 解るよな?」
アーサーが口を開き
「Yes……」
そう、答えた
その直後、ポリバケツが音を出す
ゴッ、ゴトン……
2つ
何かが、また入った
奴らを見据えたまま、アーサーがポリバケツを蹴り上げた
宙に高く浮き、ひっくり返るポリバケツからは何かが落ちる
それをアーサーとライは取った
それはマシンガン
アレもガス銃だろう
そう思った瞬間、ポリバケツが大きな音と共に地面に叩き付けられバウンドした
それと同時に彼らは撃つ
銃を持った男に向かって放った
男が悲鳴を上げ倒れ込む
そして銃が手から落ちた
倒れた男に連射された銃弾
鮮やかに、ソノ2人がもう声も無く…… 堕ちた
生きてるとは思う……
次々と狙い撃つ
それを男達は左右に散り散りになって避ける
「ばらけろ! そしてマジ殺すつもりで撃て!! あっちは本気だ!! こっちもヤれ!! いいな、狙うのは……」
不適な笑みを浮かべるリーダー
次の言葉は
「女の方だ!!!」
だった
(イイのかよ!?)
「構わねぇ! 女を撃て!! 蜂の巣にしろ!!」
男の声に合意するリーダー
本気か!?
私の背中に汗が流れる
いや、奴らにとって一番有効な方法だ
私達を撃てば彼等、アーサーとライが盾になるかも知れない
それを見越した判断だと理解した
男達の銃口が私達を向く
そして、撃った!
マズイ
そう思った瞬間、私はルビーアイを発動する
藍だけでも助けなければ!
それだけが発動する理由だ
だが……
銃弾は速い
そのハズが…… 異様なスローに見える!?
私の感覚が鋭敏になっているとはいえ……
その速すぎるハズのプラスチック弾は……
私に……
藍に……
泉に走り寄り
そして
撃ち抜いた
撃ち抜いたと、そう、思っていた
そう、思っていただけ
在る
在った
目の前に在った
ルビーアイが間に合った、などでは無い
ただ、在ったのだ、ソコに……
私達の目の前に10数発の弾丸が在った
浮いていた
そう、浮いていた
分厚い何か……
空気の層に阻まれ、そしてその貫通力は失われ
無重力に浮かぶ隕石か何かの様に、ただ、浮いていた
私はその弾丸をつまんだ
そして理解した
これが
サファイア……
さっき、ライが私達に施した力
蒼く揺れる蜃気楼
コレは、【盾】だ……
そう思った瞬間、全てを理解した
泉の言葉が頭を過ぎる
【相性にもよる、でも1対1で私達は彼らに勝てない】
そうか……
今までの現象と共に結論付ける
彼らの力は、【物質化】だ
私達のルビーアイは内外に放たれる、形無い、見えぬ力
それは害を及ぼす、【剣】と呼べる力
彼らは外に形造られる、創造の力
それは己と対象を護る【盾】
1対1なら、ルビーアイを抑える事だけ出来れば、彼らは無傷で反撃出来る
ルビーアイでは勝てない
それが泉の言っていた相性
そして私は見た
アーサーとライを……
私達に向け、本当に放たれた弾丸に怒りを顕わとしたその姿を……
彼らの眼は蒼かった
いつもの青より、深く、蒼かった
そして
蒼く光っていた
これが
サファイア……
双眼の、蒼眼
【サファイア・アイ】
そう、理解した……




