45話 事情聴取
家に向かって私達5人は歩いて居た
泉はアーサーと
私達はライと藍とを両手で繋ぎ、家まで誘導する
その時だった
「アレだ! アレっすよ警察さん!」
ふと、声の方を見る
繋いだ藍の手はワナワナと震え、地面をじっと見ていた
先ほどの3人の男達だった
それらに引きつられ、警官2人が私達の行く手を阻む
そして唐突に声を掛けてきた
私にでは無い
藍にでも無い
声を掛けた先に居るのはアーサーだった
「君かい? 拳銃所持しているのは? そう通報があったんだけれど…… 本当かな?」
警官2人の背後に居る男達はニヤニヤと劣悪な顔を見せる
そして首を傾げた警官2人は後ろを振り向き、男達へと声を掛けた
「アメリカ人と聞いていたのだが、どちらかね?」
そう、男達に質問を投げる
ニヤニヤした顔を一変、驚きに変え、アーサーとライを交互に見ている
「ど、どっちって言われても……」
当たり前だ
双子なんだから慣れなければ見間違うのは仕方が無い
私が、泉が、それを判別出来るのはオーラ…… なのだろうか…… 顔で判別しているのでは無い、雰囲気なのだ
そう…… 雰囲気であれば、2人は明らかに違う
個人、個人なのだ
そして、それが出来なければ…… やはり同じ顔なのである
どうしようも無く、判別出来ない男達
「顔が似てるけど…… どっちかだよ! 間違い無くどっちかは持ってんから!!」
そう言い、どちらか、と大まかな答えを導き出す
一番間違いの無い方法を取った
何らかの力なのは解っている
しかし、拳銃2丁をポケットに隠している事がバレれば一大事だ
現状回避の考えを巡らして居た時、私はライに目を向ける
彼は端から見ても余裕のある表情が見て取れた
そして隠していると思われるポケットを私は見る
有る
と、思われるシルエットが無い
明らかに、それらしき膨らみは無かった
そう、確実なのは所持して無いという事だった
それだけで安心出来た
どこに所持しているのかは別としてだ
警官2人がアーサーとライ、それぞれに寄る
そして警戒させないように、優しくゆっくりと言葉を綴る
「ねぇ、君たち…… 私達も仕事だからさ…… 通報有ったからには確認しなければならない…… 了解頂けるかな?」
アーサーとライは顔を見合わせ、そして頷いた
警官が笑顔を見せる
それと共に、少し緊張も見え隠れする
警官2人がそれぞれアーサー、ライの衣服の上からポンポンと触り始めた
その手が上下する
無いと…… 所持していないと解っていても緊張が走る
そして3人の男達の口元がつり上がる
「ふむ……」
そう言う警官2人が顔を見合わせた
背中に汗が流れる
スッと立ち上がった警官が腰に手を置いた
「何も無いようだね……」
そう言った
直後、男達はざわめき立つ
「んなわけねーって! あんなもん、その辺に置いてこれはしねーって! ちゃんと探してくれよ!!」
叫びにも似た警官に向ける怒号が鳴り響いた
警官2人は再び顔を見合わせた、そして言った
「とは言っても…… 無いのでは立件できないだろう?」
当たり前だ
証拠が無ければ現行犯逮捕など出来はしない
その時、警官の片方が相方を見ながらクイッとアゴを男達に向ける
相方も頷いた
そして男達に問い掛けた
「ねぇ、君達…… 何も無かった訳だが…… 何か見間違いでもしたんじゃ無いかな?」
「んなわけねーよ! ちゃんと拳銃向けられたんだからよ!!」
「ふむ、見間違いでは無い…… と?」
「ああ! 見間違いじゃねぇ!」
「君達…… 何か…… 危ない薬…… やってないよね? ちょっと検査したいんだけど良いかな?」
その言葉を言われた直後、男達の一人が逃走した
「お前、置いて行くなって!」と言う声と共に他の2人も走り出した
警官もそれを「待てコラ!」と言いながら追って行った
私達の間に安堵が流れる
それは束の間の安堵だった
「だから豚箱行かせるとかグズグズしねぇで…… 最初からヤッちまえばよかったんだよ…… ハァ……」
背後から声がした
振り向く私達は愕然とする
20人位だろうか……
私達を睨む男がゾロゾロと姿をみせた
筋肉隆々とした、リーダーだろう……
間違い無い風格を持った男が口を開く
「なぁ、お前ら…… ちょいと顔貸してくんねーかな?」
私と泉が居るのだ
負けるわけが無い
でも……
ココには藍も居る
彼女は逃げないだろう……
マズイ事になった
率直に、そう思った




