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ルビーアイ・カタストロフィ  作者: アゲハ
3章 咲子
42/157

41話 ポリバケツ

黒く大きな影が私を覆う



今がルビーアイ発動の時



藍を守るために、私は眼を見開いた







だが、その眼に入ってきた光景は想像していたモノとは違っていた



私達を包む影



それは奴らでは無く、()()()()()()()の背中



彼は振り向き、そして優しく微笑んだ




「え…………?」

「え…………?」




状況を理解出来ず、私と藍は同時に理解不能と声をあげる



目の前の、私達に振り向いた男性は、



美しい顔立ち



美しい金髪



そして何より、美しい()()()()()()()()()()を持つ、米国人だった






彼が下劣な男達に顔を向ける




「おーおー! (にら)んじゃってまぁ! 恐いわー♪」




男の一人が彼を茶化す



私達には彼の背中しか見えない




「こっちは3人よ、外人さん? 勝てると思ってんのかよ? 怪我したくなきゃカッコイイ真似(まね)止めて、女を渡しな!!!!」




男が叫ぶ



いくら何でも、この状況では無謀だ



分が悪すぎる



やはり私が……







そう思った時だった






彼の右手には()()()()()()()()が握られていた



え?



私は絶句した



藍も同じようだった



それで戦うのか?



そう()()()()()に違いない



私の絶句は()()()()()にあった









()()()()()()()()()()()()()……?








見渡しても今、この空き地にはそれに関する物が無い



私の絶句は、その、()()()()()()()()()()()()()()()()、だった







彼は振り回した



所詮はポリバケツ



男達が(ひる)む訳も無い



ソレを彼から取り上げると空き地の隅に投げやる




「テメェ…… ふざけた真似してくれるねぇ……」




完全に怒らせた



男達が怒気を顔に表す



男の一人が彼の胸ぐらを掴んだ瞬間



彼は()()()()()()()()()()()



そしてクルリと旋回すると、胸ぐらを掴んで居た男の後ろに回った




「おー? 随分身軽じゃん? でも三対一で勝てんの? 外人さんよぉ♪」




余裕の笑み浮かべる男








その余裕が、直後、消えた








()()()と、2枚の落ちる布



それは今、掴んでいた腕の……







(そで)だった







彼は向きを男達に変える



その手には奴等が持つ物と同じ、()()()()()()()()が2本握られていた



それを体の前で十字に構え、臨戦態勢を取る



そして、舞う



ヒラヒラと蝶の様に、男達の周りを舞った



動けない男達からは、また袖が落ちる



既に切られた男の袖はタンクトップばりに肩口から袖が落ちていた






速い……


何が起きたのか解らないほどに…… 


疾風とも呼べる動き






凍りつく男達の2人がポケットに手を入れる



そして彼のサバイバルナイフよりも細身のナイフを取り出し構えた



コイツら全員ナイフを所持していたのか!



男は言った




「テ、テメェ…… 俺達だって持ってんだよ! お前だけがナイフ持ってん訳じゃねぇんだ!!!」




やる気だ



()()にされて引き下がれないのだろう







彼には勝てない







男は本気の殺意







彼には殺意が無い






これは明確な差だ……









ズキャ…… パアァァァーーーーーーーン!!



甲高い破裂音にも似た音が周囲に響く



彼は投げた



両手のサバイバルナイフを3人の顔の間を通し、()()()()()()()()()()()()()()



完全に刃が見えない



(つば)まで突き刺していた



豆腐にでも突き刺す様に、軽々と……



またも凍りつく男達



彼等が冷静を取り戻す前に、本当の恐怖が奴らの顔に浮かぶ




「おい…… マジか…… 止めろよ……? ホラ、ナイフはここに置くから…… な? な? マジになんなって……」




男の手からナイフが…… カランと落ちた







彼の手には、両手には……







()()()()()が握られていた







そして銃口は男達の頭部を狙っている



そのトリガーに指が掛かる




「ちょ、待てよ! ()めろって! 俺らもう帰るからさ! マジマジ! 頼むからさぁ……」




男達の目には涙が浮かぶ







ッッツパアアァァァァァァォォォォン!!!!!






撃った……






彼らを目掛け、撃った……






私と藍は瞬間、顔を背ける






そして、ズサッッ……






そう、倒れた音がする








私達は恐る恐る、ソレを見た







そこには男達3人が腰を抜かし、膝から崩れ落ちた姿がある






そして彼の真っ直ぐ銃口を向けた先には、今しがた投げ、コンクリートに突き刺さったハズのサバイバルナイフが木っ端微塵(こっぱみじん)に砕けていた……


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