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ルビーアイ・カタストロフィ  作者: アゲハ
3章 咲子
34/157

33話 買い物

リリリリリリリリ……!!!!



けたたましく音が鳴る



リリリリリリリリリ……!!!!



ウルサイ……



リリリリリリリリリリリリリリリリリ………!!!!



ウルサイって!!!!



あと5分!!!!!



目覚まし時計の音が、容赦なく響く



リリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!!!!!!!!



あと5分って言ってるでしょ!!!!



バン!!!!!!!!!!!



激しい音が鳴る



あれ?



目覚まし時計…… ルビーで壊したかな……!?



いや、違う!!



殺気にも似たオーラを感じる!!!




「咲子!!! 早く起きなさい!!!」



ママが部屋の入り口を激しく開けて怒鳴った!!!



そして無理やり布団を剥いだ!



寒い!!!!



待って…… あと5分だって…… そしたら起きるから……




「寝ボケてないで早く起きな!!!! 貴女、今日藍ちゃんとデートでしょーが!!!!」



私は跳ね起きた!!!!



そうだった!!



今は……



9時!?



「ママ!! どーしてもっと早く起こしてくれなかったの!!??」



「目覚まし時計で起きなさい!!! それにずっと5分、5分って寝言(ねごと)言ってたでしょ!!!」



うっ!!!



そうだった!!!



反論も出来ない!!!



てか、そんな時間も無い!!!





私はチャチャっと身仕度をして家を飛び出た



駅だったよね!?



ダッシュだ!!!!



お昼は一緒に食べる事になっているから、朝ご飯は一応食べた事にする為、私は生パンを加えて走り出した








ハァハァ……






ハァハァハァハァ……






この息切れ






この疲れ






この汗が…… 妙に気持ち良い






今まで安穏と生きてきた私にとって、とても、とても幸福といえる瞬間をどこかで感じていた








駅までそれなりの距離がある



私は時間を見誤った



時間を多く見積もってしまった



もう()()()()()()事を、見誤ったのだ








本気のダッシュのお陰で10時ジャストに駅に着く



もう、浅田さんは着いていた



私は前屈みに両手を膝へ付き、絶え絶えの息をとにかく整える



「だ、大丈夫……?」



不安そうな浅田さんに手を振り、大丈夫と仕草で示す



声などまだ出せるわけもない……



肺が潰れそうだ



「走って来てくれたんだね…… 寝坊した!?」



私は同じ体勢のまま、うんうんと頷く



「ありゃ…… アハハッ!! 昨日はあんなに早く走って息も切らして無かったのに…… ホントに寝過ぎたんだね♪」



彼女は微笑みながら私の背中をさする



そう、()()()()()()()()()()



もう…… 軽はずみにルビーアイを使わないと決めたのだ……








私はゆっくり息を整え、そしてようやくショッピングが始まった


お店に入り、キョロキョロと店内を見渡す浅田さんは、



「ねぇ! これどう?」



と、私に見せる



「可愛いブラだね! イイじゃん! 似合うんじゃない!?」



私もお世辞では無く答える



「ホント!? 咲が言うなら買っちゃおうかなー♪」



え?



咲?



私の事?



そう、固まった私を見た彼女は、少し困った顔を見せ、


「あ…… ダ、ダメ? 咲なんて軽々しく…… まだ早かったね! ゴメン!!」



そう言うと、大きく腰からくの字に頭を下げ謝罪した



「違う!! 違うの!! なんか…… 嬉しくって……」



そう言うと、彼女はくの字に曲げた体を、顔だけ上げた


その顔は笑顔だった



「ほ、ホント!?」 



「うんうん♪」



ホントに嬉しかった


断る理由などドコにも無い


素直に幸せだった



「やったー♪」



と、飛び跳ねる彼女は本当に嬉しそうで私も笑みが溢れる


本当に感情豊かな素敵な女性だと思えた



「私の事も、藍って呼んでね!」



え!?


良いのだろうか……


そんな軽々しく……


い、いや


良いって言ってるんだから……


私は大きく息をのみ、そして、



「わ、わかったよ…… 浅…… 藍……」



頬が熱くなるのを感じる


そんな私を見た彼女



「お互い、言い慣れるまでモチッと時間必要かもね♪」


「そうね……」



そして2人で笑い合った






とても楽しい時間が過ぎ、もうあっという間に2時間が経つ



「咲! お腹空かない? もうお昼よ!」


「ホントだ! あ、藍…… てか、ホントのホントは凄ーくお腹空いてたの……」



まだ、中々名前を言い慣れない自分自身に歯がゆさも感じる



「え? 先に言ってくれればいーじゃん! どしたの? 朝ご飯まだだった!? 急いで来てくれたもんね!?」



驚いた顔を見せる彼女に、私は頷く



「うん、実は…… 時間遅れるかと焦っちゃって…… パン1枚…… あはは……」



目を丸くした直後、藍は苦笑いを見せた



「いくら女の子でも、パン1枚じゃ足りないよー……」



そう言うと、店内の窓から外をキョロキョロと見回し出す



んーーー……



そう外を見回しながら



「意外と色々あるねー…… パン好きなら洋食系? ラーメンとかでもいいよ? 腹持ち重視なら和食っしょ?」



私も隣で窓越しに外を覗く



「んーーー…… 何でもいーけど…… あ! ドリアとか食べたいかなぁ!!」



藍は私を見て、手をポンと鳴らす



「ソレ良いね! お腹空いてるならご飯もついてるし一石二鳥じゃん!」


「ご飯…… てか、中身チキンライスみたいなもんでしょ……?」



苦笑いを浮かべる私に藍は直立し、腰に手を置き呆れ顔を向けた



「咲…… チキン、ライスって…… そのまんまご飯じゃん……」



私は顔が引き攣る



「た、確かに…… 鳥ご飯…」



でしょ? と私の額をつつき、彼女は笑った


その笑顔に、私も笑った





お会計を済ませ、店外に出た私達は、目の前のイタリア料理店【パルテノン】に足を向ける


店に着く数分でも、パルテノン神殿ってギリシャじゃね? と笑い合った

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