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ルビーアイ・カタストロフィ  作者: アゲハ
3章 咲子
33/157

32話 2人の母、その想い

私達家族は3人で食事を食べる



パパ達は出張で居なかった



だから3人で静かに食べた



無言で食べた……



私はまだ、心の整理がつかず、夕食が済むと食器を片づけ、ダイニングを出た



トン……



トン…… と階段を登る



自分でも気が付かない、重い足取りだった



その足を私は止める



言い忘れた事があった事に気付いた



明後日から1週間、研究室に泊まり込みになる事



それを伝えなければ、食事を作ってしまう



今はまだ、会いたくなかったが……



それでも伝えるべき事は、伝えるべきなのだろう



私は階下に振り向き、静かに…… ダイニングに向かって降りた







ダイニングのドアノブに手を掛ける



中から声が聞こえる



ママだ



「胡桃…… 藍さんは…… アノ…… 本当なの……?」



「うん…… 間違いないわ……」



「咲子の…… 泉以外の初めての友達なのよ……」



「そうね…… でも泉は友達じゃないわ、姉妹よ…… だから、うん、初めての友達…… に、なるわね……」



「そうね…… 何の因果なの……」



「でも咲子なら大事に出来るわ…… 私達の娘じゃない!」



「そうね…… 咲子なら、きっと……」





ダメだ



ドアノブがとても重い



開ける事が出来ない



コレは力じゃない…… 心の問題だ……



私は、こんなにも愛されて居るのに、また反発して……



涙が頬を伝う



最近…… 泣いてばっかりだ…… 私……








中で話すママ達の口調が変わった



「そういえば胡桃…… あの子は予知って……」



「うん、気が付かなかったわ…… 探してた、知りたかった力が…… もう備わっていたなんてね……」



「胡桃が言っていた、彼の力……?」



「うん、あの人の、加藤の力よ……」



「思いの力……?」



「そうなるわね…… 確実に見えるわけじゃ無い…… だけど、見える力」



「どういう事?」



「わからないよ…… 私だって…… さっきまで知らなかったんだもの……」



「そうよね…… 忘れ形見の力、なのかもね……」



「うん…… でもコレだけは解るわ…… 加藤がどれだけ私達を大切に思っていたのか…… だからこそ犠牲になったのよ…… 解っていたんだわ…… 自分のアノ行動で、私達が救われることを」



「そうね…… どれだけ感謝しても足りないわ……」



「うん…… 理屈のね…… 理屈の事だけ言い並べれば…… 藍さんはとても、咲子にとって…… 良く無いわ…… あの子が傷つく…… でもね、思いを話せば…… コレが予知なら…… あの子は、藍さんと会えた事で、凄く成長する……」



「どういう意味?」



「なんていうか…… 咲子はこれまで人に、いえ…… 家族以外には、かな? 興味が無かったと思うの……」



「うん……」



「だから、私達の罪は、私達で精算するべきだけど、でも、それでは解決にならないと思う…… 咲子自身が藍さんとぶつかり、ちゃんと友達であれば、あるいは……」



「胡桃…… 藍さんは、咲子と友達になれるの……? その未来は、見えるの?」



「……」



「胡桃……?」



「…… 未来は見えない…… でも……」



「でも……?」



「思い、なら……」



「思いの力…… なら……?」



「藍さんは…… ベスト・オブ・ベストな親友になれるわ♪」



「…… そう、安心したわ♪」



「願お! 私達の娘の幸せを!」



「そうね♪ ……ん?」



ママの雰囲気が変わる



声の雰囲気が、だ






露骨とも言える、さっきまでとはまるで違う安らかな声



「あらあら…… フフフッ」



「桜子……? どうしたの?」



「まだまだねぇ、胡桃…… 家の中じゃ、私のが能力は上かな? アハハッ」



ママの能力!?



いや、そんなハズは無い!



ママとパパのルビーアイは私が受け継いだはず……



「桜子……?」



「胡桃、ホラ……!」



「ん? あ、ああ…… プクク…… アハハッ」



どうしたというのだろう!?



2人して大笑いをし始めた



その時だ



ママが口を開く



「咲子、居るんでしょ? お入りなさい♪」



ビクッッッッッッッッッ!!!!!!



バレてる!!!



一瞬、躊躇をするが



キィィィィィ……



ドアノブはいつもの軽さを戻し、音を立てて戸が開く



2人はニコリと微笑んで居る



私は声も出さずに、涙を落とした



そして息を飲み、私は2人に告げた



「ママ、胡桃ママ、ゴメンね…… 私、何も解ってなかった…… 私、私が信じた事の為に…… 頑張るから…… 皆の為に…… 頑張るから!」



2人は私に優しく傍らに寄り、より優しく頭を撫でた



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