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ルビーアイ・カタストロフィ  作者: アゲハ
2章 泉
22/157

21話 母の強さ、私の自信

私は翌日、休学届を出した




そして、向かった




空港に……




居ても立ってもいられず、家を早めに出た




そのせいもあり、搭乗時間よりも1時間半程度も早く着いてしまった



この空港からは日本初の便は2時間置きしか無い



待合所で時間を潰す



食事も済んだ



無駄に長い待ち時間




嫌な予感のみが頭を巡る




咲子……




大丈夫だよね……?




パパ達……




ママ達……




「イズミーーー!!!」



急に声を掛けられる



顔を上げるとエリスが息を切らせてソコに居た



その美しい肢体を(かが)め、両膝に両手を乗せ、肩を上下させながら息を整える彼女



その後ろには背中をさするライの姿と、優しげな眼差しを私に向けるアーサーが居た



「皆……」



涙が出そうになるのを必死に(こら)える



今、泣くわけにはいかない



そんな姿を見せると、彼らも日本に来てしまうかも知れない



そうと思うと、堪えるしか無かった



今ココで多くを語るわけにはいかない



エリスと視線を交わし、コクリと頷く



そしてライと、アーサーとも同じく頷き合った



伝わる……



それだけでいい……



ソレだけが……



コレだけが……



心の支えになる



不安な顔を見せられ無い



無事に(こと)が済むとは思ってい無い



コレは私の…… 私達の戦いだ



そう思った時には、自然と足元を見ていた



「ア……」



エリスが口を開く



私は俯いたままだ



「イズミ…… アノサ……」


「ん?」



私の視界に入る足元



ソレが()()()()



マズイ……



このままでは落ちる



不安と共に流れる、涙が……



かといって天井を見るわけにもいかない



そんな感情を察したのか、エリスは口を開いた



「大丈夫ダヨネ……?」



そう言った



「うん、戻るよ……」



私はそう答えた



私の表情は見せない、彼女の表情も見えない



「絶対ダヨ…… 私達…… 姉妹デショ?」



え?


掛けられた言葉に顔を上げてしまった


溢れた涙が流れる


それを実感してしまった


もう、止められない






ポロポロと






私の止めたい感情とは裏腹の涙が






次々と流れて落ちた






そんな私を愛おしそうに見るエリス



「イズミ…… アーサーカラ聞イタワ♪ 恋人二成レタッテ! コノ人、昨夜カラズット嬉シソウニ話スノヨ♪」



エリスが横目でアーサーを見る


彼はバツの悪そうな顔で反対を向いた


そんなアーサーをライも優しく見守る



「ネェ、イズミ? 私ト家族ニナロウネ! ダカラ…… ダカラ、絶対戻ッテ来テネ!」



もう結婚の話とか…… 



展開が早いし……



でも、また……



涙が(こぼ)れた



今度は、今さっき流した()()とは違う暖かみの、()()だった






戻りたい






戻る






戻らなきゃ






大切な……






本当に大切な、3人の元に……






ああ……






ようやく解った






ママの言って居た意味が……






その時が来たら解る、と






これが全てでは無いだろうけど、欠片(かけら)が見えた






この為に来たのかも知れない






この地に!






うん、解った気がするよ、ママ……






大切な誰かを守ろうとする心なんだね?






だからなんだ……






ママが、自分の事に一生懸命な私達よりも桁違いの強さを持つのは……






常に自由をくれていたと思っていた






伸び伸びと育ててくれた






違うんだ……






大きな愛に、その器に守られて居たんだ……






解ったよ、ようやく……






私は負けない






負けたくない






私は、私の為に闘わない






私は、大切な人の為に……






全身全霊をもって、この戦争に(のぞ)む!






構内アナウンスが流れる


そろそろ搭乗時間のようだ


私は皆の顔を見た


そして



「行ってくるね!」



そう伝えた


エリスが少し驚いた表情で話し掛ける



「泉…… 貴女…… 何カ変ワッタワ…… 凄ク良イ顔シテル……」






どんな表情なのだろう?






解らないが…… 解る






多分…… 自信だ






皆に会えた事で、心にも、器にも余裕が出来た






くれたのは他でも無い、ココに居る3人!



「貴女ノ顔ヲ見テイルト…… モウ私ニモ不安ハ無イワ! デモ、気ヲ付ケテ行ッテラッシャイ!!」



心強い言葉に、私は



「O.K.! 行ってくるね!」



と、皆の顔を見回して言った


そしてアーサーとライの顔を見る



「アーサー、ライ…… 先に日本で待ってるね! 貴方達に頼る事になると思うから……」



そう言いながら、私は少し、負い目を感じてしまう


そんな事を吹き飛ばすかのような自信に満ちた表情でアーサーは言った



「勿論ダ! 君ハ僕ガ守ル! ソンナ顔ヲスルナヨ! サッキノ自信二満チタ顔デ先ニ向カッテクレ♪」



そう言い、私に向けた力強い拳の親指を立てた






もう大丈夫






負けない






行こう






日本に!!


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