13話 謎
銃声、そして銃弾
気を抜いた背中へとソレが放たれた
私が作業着の男を完全に処分すれば、こんな事にはならなかったのに……
でも、イヤだ
人殺しまでは、したくない
そんな事の為にアメリカに来たんじゃ無い
私は、まだ、【人】だ
こんな力を持ち、他人は悪魔とでも思うかもしれない
でも
それでも
【人】で居たい
意識が朦朧とする
私の最後が
間もなく訪れる
心でダケだが、両親には謝罪した
修パパにも、桜ママにも……
そして、咲子にも……
私は目を閉じた
その時、背後から聞こえたカランという音色
私は静かにそちらへと振り向いた
音のするような物や者は居ないようだ
気のせいか……
死を迎えた者へのファンファーレにしては陳腐な音色
だが、足元だった
ソコでキラリと日光を反射させる個体が目に入る
コレは……
え?
銃弾!?
私は背中に意識を集中させた
無い……
痛みが、無い!?
そんなバカな……
無意識でルビーの障壁を展開させた!?
それすら有り得ない……
意識が有っても無くても……
私の体には発動の残り香がするはずだ
何が起きた!?
いや、そもそも何故背後に落ちた!?
私に感覚が無くとも、ルビーの障壁が形を現した事にする
それなら何故、ココに在る!?
私の障壁は、完全なる【壁】
ソコに在ったのなら跳ね返すハズだ……
コレではまるで……
受け止めた見たいじゃないか……
弾にはひしゃげた様子は無い
弾の先端は綺麗な半円をしていた
なんだ!?
別の何かが発動したとでも云うのか!?
解らない……
解らないけど……
助かった事だけは、実感出来る
とりあえず、ココから離れるに越した事は無い
私は来た道を走った
奴らが処分された場所を抜け、エリスの匂いを頼りに皆の元に駆けた
ある程度走ると、向かった先に人影が見える
ソコは皆と別れた場所と相違なかった
「泉! 無事ダッタノネ!?」
駆け寄って来たのはエリスだ
彼女は私に抱き付いて泣いた
「待っててくれたの? でも、エリス…… 痛いよ…… 私は大丈夫だから♪」
「本当ニ!?」
彼女は私を頭から足元まで……
そして右横に回り込んでは、また同じ様に見回す
背後に、そして左横から正面に戻った
「本当ニ大丈夫ソウネ…… 良カッタ…… 本当ニ良カッタ……」
「どうしたの?」
「ダッテ…… 銃声ガ聞コエタカラ…… モシカシテッテ……」
銃声か……
そうだね……
そのつもりで聞けば、確かに解る
そして、解らない
あの時何が銃弾から私を救ったのか……
謎だ
私のルビーアイには、私の予想もしない力でも在るのだろうか……
そんな疑問も持つ
表情にも出てしまったのかは解らないが、アーサーが私の頭を先程の様に優しく撫でた
「トリアエズ無事デ良カッタ♪ 御守リ代ワリニハ成ッタナ」
御守り代わり……?
なんだ?
どういう事!?
あの何かはアーサーがしてくれたと云うの!?
「アーサー…… ソレって…… どういう事?」
彼はニコリと笑って口を開いた
「先ズハ離レヨウ…… ココハ危険ダ」
そして皆を見回す
コクリと頷くそれぞれに頷き返すと、私達は移動を開始した
途中、何度かあの出来事の訳を聞こうとしたが、私は聞けずに居た
エリスが隣に居たから……
ソレもある
でも、それだけじゃ無い
彼等は……
アーサーとライは私の秘密をエリスに言わないで居てくれた
そればかりか、エリスが私に問いただした際にも、それ以上聞かないようにと会話を打ち切ってくれたのに……
だから、私がソレを聞くのは裏切りに感じてしまったのだった
まだ外は明るい
だが、あんな事が在ったのだ
その場は解散とし、エリス達3人は家へと戻る事になった
私も宿舎へと足を運んだ
その帰路で私はスマートフォンを手にする
そして、調べ物をしながら帰った
まだ、終わらない
手を、足を取られても…… 頭は居る
黒服達が居なくなっても、また補充するだろう
頭だ
頭を潰さなければ、エリスはきっとまた、危険な目に遭う
だから、決着つけなきゃ……
情報を整える
スマートフォンを次々クリックしては検索をかけた
それは、この近辺で経済学に秀でた大学の情報
結果としては、ケンプリッジ大学が都合良さそうだ
コレをスクリーンショットして画像に残す
いつでも確認出来るようにソウした
次は古着屋だ
コレも次々と画面を変えては近場で営業している店舗
そして、販売商品をフォトアップしている店舗が好ましい
よし……
ココにしよう……
中古のリュックサックも置いてある
条件がとても良い
私はソノ古着屋へと足を運んだ
歩きを止めずに検索は続ける
次は家電量販店
古着屋から、さほど遠くない位置にある事を確認する
私は古着屋で必要な物、そしてリュックサックも購入すると、その家電量販店へと足を向け小さいソレを4個とイヤホンマイクを買う
良し……
万事整った……
最後の検索に掛かる
それは……
ゴールド・ファンド社
そして、ゴードン・フリーマンだった




