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ぐっ、と伸びをして少しばかり凝った身体を労われば、後ろから掛かる気遣いの言葉に返事代わりの苦笑いをひとつ。


すでに冷めきった珈琲を口に含み、襲い掛かってくる睡魔にカフェインと言う名の聖剣で戦いに挑むのはこれで何度目だろうか。


更に数時間の間、机に向かって延々とため息を零しながら事態解決に向けアタマを回転させるも、どうにもならずに首を捻るばかり。


「どうにもならない、か。」


きしり、と体重を掛けた背もたれが軋む音とため息が部屋に響く。


自分の中にある異質なモノ。

ユイやリュウの中で育っている異質なモノ。


本来ならば人には存在し得ない“魔石”の対処法は現状では思い付かなかった。


外付けのバッテリーの様な便利さもあるが、本来は魔を宿す者たちだけが持つ事を許されているモノなのだ、当然デメリットはある。


ユイとリュウが行う調整もその一つで、魔石を介して過剰に取り込み過ぎた魔力が許容量を超えると体内にある魔力が暴れ狂うのだ。


そのほかにも膨大な魔力を魔石に蓄積させる事で、純度が高まり、更に成長していくのだ。


いずれ来るであろう“その時”の対処法も回避法も思い付かぬまま、ただただ過ぎた時間を眺めて強敵との戦いに終止符を打つ。


(今日のところはもう寝よう。)


きっと明日になればまた何か思い付くかもしれない。


どうしようもなければ、文字通り神頼みする事にしよう。


頭の中に浮かぶいくつかの考えが、ふわりふわりと浮かんでは消えて徐々に意識が遠のいていく。


最後に見たのは、仕方ないなぁ、とため息をつきながらも自分をベッドへ運ぶユイの姿だった。

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