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山間のダンジョン23階層、果てなき荒野のど真ん中。


仲間と別れ、どれだけの時間が経っただろうか。


未だ膝から崩れ落ちる様にして力無く項垂れるカケルの側で、周囲のモンスター達を威嚇しつつもカケルを気遣うメグ、碌に口を出す事も出来ず仲間と別れた今の状況に困惑するタモツ達の三人を獲物と見定めたコボルト達が、今まさに襲いかからんとするところだった。


「カケルっ!いい加減立ち上がれ。この状況を切り抜けるにはお前の力が必要なんだぞっ!!」


切羽詰まった表情でカケルに呼び掛けるタモツの叫びも自失呆然としたカケルには届かず、迫るコボルトの群れを強引に大盾で押し返しながらメグに視線を送れば、冷静に手近な敵を片付けていくが得意の弓は荒野に吹き荒れる強風で上手く機能せず、普段使わない近接用のナイフに魔力を纏わせコボルトを処理していくが到底追い付かず、メグの顔にもわずかな焦燥が浮かぶ。


「メグっ、一旦戻れっ!一気に圧し潰すっ!!」

「んっ、任せる。」


コボルトの猛攻を潜り抜けつつも、カケルに迫ろうとしていたコボルトを蹴り飛ばしカケルを中心に三人で固まり衝撃に備える。


「うぉおおぉおお!乾坤六地蔵ぉおお!!」


タモツが放つ高密度の魔力が形を成し、三人を囲む形で六つの影が上空から降り注ぐ。


地蔵の姿をした巨大な岩石に圧し潰されるコボルト達だが、砕けた破片はコボルトだけでは無くカケル達三人にも襲い掛かり、大盾で防ぎ切れない欠片が容赦なく身体に突き刺さり痛みを与えて来る。


「二人共大丈夫か?」

「...ん、グッジョブ。」


満身創痍と言ってもおかしくない怪我を負いながらも、どうにかコボルトの群れを片付けた三人の雰囲気は悪い。


「カケル、何故こんな状況で腑抜けている。一歩間違えれば死んでたんだぞ?」

「...いつの間にこんな大技出せる様になったんだ?」

「スタンピードの際に否応無しに覚えた。」


話の本筋から逸れた返答に怪訝そうな表情を浮かべながらも律儀に答えを返せば、その返答に満足したのか、ようやく立ち上がったカケルの目に宿るのは狂気にも似た妖しい光が灯っている。


「成長出来てないのは俺だけか。こんなんじゃ置いてかれても仕方ない、か。」

「...カケル?」


ただ側に居るだけで、ぞわり、と鳥肌が立つ位に異質な魔力を纏ったカケルが未完成の聖剣を抜き放ち、そのまま聖剣へと流し込む。


「俺が弱いから全て零れ落ちていくんだ。チカラさえあれば、応えろよこのナマクラっ!!」


-パキリッ


ナニカが壊れる音が広大な荒野に響き渡った。

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