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10万人の後輩とゴブリン。

太々しい態度で踵を鳴らしながら後ろを付いてくる数十名の冒険者達に、溜め息を漏らしながらもダンジョンへと向かう。


いっそ強気な発言を繰り返している彼らなど放り出して、自分達の攻略に戻りたいという内心を押し殺しながら、損な役回りだな、と舌打ちを零すギルドメンバー達を宥めながら先導していく。


今回の件はいよいよ冒険者制度の導入が決定されて、10万人近い応募者の中から冒険者の第一候補者達が選出された際に、ダンジョン体験という制度が義務付けられた事が発端である。


第一候補者達の殆どが政府の息がかかった人物ばかりという情報を得ている為、自身の思い描いた形とは違うという事と何を吹き込まれたのかやけに反抗的な態度に辟易してしまう。


ユイやメグに言い寄る場面もあり、ふざけてるのかと思いもしたが、こんな茶番さっさと終えてしまうのが一番か、と割り切って歩みを早める。


「これよりダンジョンに突入する。事前に決めたチームで行動して各人に戦闘とレベルアップ現象を体験してもらう。何か質問は?無いようなら出発する。」

「おうオメェら、生意気なのは結構だがダンジョンを舐めるのは辞めとけ。俺はあくまで付き添いだから、命の危険が迫るまで手を出すつもりはねぇからな。」

「...以下同文。」


ダンジョンを前にして緊張しているのか、ここまでの道中の喧しさは何処へやら、今は脅すようなメンバー達の台詞に不安そうな表情を浮かべる人が多数いる。


そんな中でも強気な姿勢でダンジョン攻略を急かす数人の馬鹿を担当するカケルのヤル気は削がれていく一方である。


「じゃあカケル班出発ー。」

「おっしゃぁあああ、俺らで全部攻略してやろうぜ!」

「おっさん早く行こうぜ。」

「おっさんって歳じゃねぇんだけど...怪我はしても良いけど、死んでくれるなよー。」


もはや、やる気の欠片も失せたカケルの適当な返事を気に掛ける事もなく、ずんずん進んで行く新人の冒険者達。


あの意気なら数体のゴブリン程度なら余裕だろう、と投げやりな気持ちで集団の後ろを付いて行くカケルの耳に届くのはゴブリン達の鳴き声。


「そろそろ接敵するから気合い入れて頑張れよー」

「おっさんは手出さなくて良いぜ、俺たちだけで片付けるっ!皆んな行くぞっ!!」

「「「おうっ!」」」


ドカドカと足音を立てながら迫る数体のゴブリンとそれを迎え討とうとドカドカと足音を立て不慣れながらも隊列を組む新人冒険者達。


それを見て、かつてのハジメよりかは様に成っているな、などと懐かしい思い出に浸りながら後ろの方で新人達の奮闘を眺める。


事前に配布されていた各国の政府が共同開発した新武器Magic auto gun通称- MAG-を使い、ゴブリンと対峙する新人達はあっという間にゴブリンを片付けてしまう。

それはレベルアップをしていない人間が簡単に出来る事ではない為、改めて新たに開発された新武器の凄さを実感する事になった。


「へっ、ゴブリン程度なんて事無かったな!」

「これさえあれば余裕だね。この調子でダンジョン攻略しちゃおうか?なんてね。」

「はいはい、MAGの凄さは十分に伝わったから戦闘結果の報告よろしく。」

「全員無事だがまだレベルアップしてない奴がいる、あと数戦分の弾も残ってるしこのまま進むぜ。」

「はいはい、なら先に進もうか。」


そんなこんなで新人達の冒険に付き合わされる事半日。

参加した新人冒険者の全員が無事にレベルアップを終え、依頼された監督業務が終わればようやくダンジョン攻略へと戻る事が出来る。


生意気な新人相手に不機嫌そうなカケルとリュウ、そしてダンジョン内でありながらウンザリするほどに口説かれ別の意味で疲れた様子のユイとメグ。

唯一、自衛官関係の真面目そうな面子に当たったタモツだけが苦笑いを零しながらメンバー達を労っている。


そしてダンジョン攻略の目処が立ち始めた頃に、アリスの所属する米国のチームが30階層を突破したという情報が届き、各国の攻略チームに衝撃を与えた。



ニートのダンジョン攻略記。

新たな武器-MAG-と新人冒険者の登場に慌ただしい日を送っていたカケル達に届いた一報はメンバー達全員に衝撃を与えた。


次回、米国奪還、台風少女の大奮闘!

乞うご期待。

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