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夢と希望とダンジョンと。

飛び込む様にして潜り抜けた先で、不安そうにこちらを見つめる三人に抱き止められ、身体を預けそのまま気を失う。


降り注ぐ鉄杭から気を失ったユイを庇い腹部に受けた傷から流れ出る血が、受け止めたリュウを赤く染めていく。


「おいっ、しっかりしろや!タモツとにかく血止めてやってくれ!」

「分かっている、そのままカケルの傷口を抑えておけ。」


荷物の中から乱暴に応急処置キットを取り出し、カケルの腹に空いた傷に処置を施していく。


未だ目覚めぬユイの看病をしながら、珍しく焦りを表情に出したメグが階層境界を見つめる。


カケルの処置を終え、ユイの状態を確認しに来たタモツも心配そうな顔で階層境界を気にしているが、いつまで経っても最後の一人が姿を現さない。


「向こうの状況が分からないのは辛いが、全員こんな状態じゃ迎えに行くのも厳しいか...。」

「...最後にハジメが陽炎を発動するのを感知したから、多分だけど上手く隠れてる。」

「ハジメの事だから隠し球の一つや二つは持ってるか。」


不安が晴れた訳では無いが、今は傷付いたメンバーを手当てするのが優先か、とユイの容態を確認して現状で出来る範囲で処置を施していく。


そんな中で目を覚ましたカケルが周囲を見渡した後で、フラフラの状態なのも御構い無しに階層境界へ向かって行くのを焦った様に止めるリュウ。


何事かとカケルに駆け寄りリュウと一緒になってカケルを止めるタモツが問いただせば、ハジメが一人残った際の状況を聞かされて絶句する。


経過した時間を考えれば相当に絶望的な状況なのを理解し、カケルと共にすぐに助けに行こうとするタモツを押し留めたのはリュウ。


「そこを退けっ!すぐに助けに行かなきゃ間に合わなくなる!!」

「ハジメに待つと言った以上は俺はここで待つ。それにそんなボロボロの身体でどうするってんだ。無闇矢鱈に飛び込んで行ってまたハジメに助けてもらうか?」

「...俺が気を失ってどれだけ経った?」

「十分位だ。状況を理解したか?こうなりゃハジメが戻って来るのに賭けるしかねぇんだよっ!」


階層境界の前に仁王立ちし、血が滲むほどに強く拳を握ったリュウが助けに戻ろうとする二人をその場に押し留める。


悲痛な面持ちで先の見えぬ階層境界を見つめるカケル。

ボロボロなカケルを横で支えながら同じ様に悔しそうな表情を浮かべるタモツ。


そんな三人を悲しそうに見つめながら、未だに目覚めぬユイの看病を続けるメグ。


「...ユイ、きっと大丈夫だからね。」



ニートのダンジョン攻略記。

ボロボロのギルドメンバー達は戻らぬハジメを待ち続ける。

そんな中、外の世界では冒険者制度が認められ新しい局面を迎えようとしていた。

次回に続く。

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