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男子三日合わざれば刮目せよ。

研究に没頭し過ぎたせいで多額の借金を抱える事になったハジメ、ダンジョン攻略再開となった早朝のミーティングの段階で既にハジメのやる気は頂点まで達しており、出発まで時間があるにも関わらず出発の準備は万端。


それもそのはずで、日が昇るまえには起床しており、迷惑を掛けた分を少しでも多く挽回しようと装備の点検を何度も何度も行なった挙句に、自室謹慎中の期間に作った新装備の説明書まで書き上げる始末。


どこか空回り気味のハジメを諌める者はその場にはおらず、いつか冷静になった後に悶える未来が見えるのはきっと勘違いでは無い。


そして出発時間になり、戦う前からやや疲れた様子のハジメを見て爆笑しながらハジメを揶揄うリュウを誰が責めることが出来ようか。


「さて、色々あって十階層突破から時間が経ったけども、ダンジョン攻略再開だっ!気合い入れて行くぞっ!!あ、安全第一でな。」

「「「了解っ」」」


ダンジョン入り口側にあるクリスタルに触れ、大鬼と戦った十階層を選択すれば微量の魔力がクリスタルに吸収される。

そのあとでダンジョンの入り口を潜れば十階層へと到着。

点呼で全員の無事を確認した後に11階層へと突入

する。


そこはこれまでの階層とは異なり、未開のジャングルに迷い込んでしまった様な錯覚をしてしまう程の密林地帯。


「こりゃまた、ダンジョンってのはとんでもねぇな。」


リュウの口から思わず溢れた言葉に賛同しながらも油断無く周囲の警戒を始めれば、ぽんぽん、と肩を叩かれ振り向く。


-ぶすっ


「「痛った」」


視線の先には人差し指を押さえながら痛みに悶えるユイの姿。


「何してんのさ。」

「いやぁ、ハジメが肩に力入り過ぎてるみたいだったから和ませようと思って...あんなに勢い良く振り返るなんて想定外だったんだもん。」


そう言いながらぷくっと頬を膨らませるユイの姿を申し訳無く思いながら、膨らんだ頬を突いてみれば、ぽひゅ、と気の抜けた音がユイの口から漏れる。


「なっ、心配してあげたのにこの仕打ちは酷いと思うんですけど!?」

「いやいや、ほんと助かったよ。ユイの間抜けな顔見たらリラックス出来た、ありがとね。」

「間抜けって言うなっ!」

「はいはい、仲良いのは分かったから、そろそろ真面目なとこ見せてくれよ、お二人さん。」

「「はーい。」」


仲間達に心配される程に力の入り過ぎていた事を自覚したハジメが以前の様に自然体でダンジョンに向き合えば、感じ取れる11階層に潜む脅威の存在。


--ウキャキャ、ウキャキャ。


揺れる茂みから突然に姿を現したのは一匹の猿。

小柄な体躯に愛嬌のある顔立ち、仕草も決っして凶暴さを感じさせない登場に高まった警戒心を大きく引き下げ、構えていた腕を宙に彷徨わす。


「敵、なのか?」

「さぁ?バナナでもやれば懐くんじゃないか?」

「...油断禁物。大きい気配が近づいて来てる。」


メグの警告とほぼ同時に聞こえてきだした地響きに、薄れていた警戒心が一気に跳ね上がる。


ドシドシ、と重量感を感じさせる足音が迫る中、一歩踏み出し前線に立つリュウ。

リュウの身体から立ち昇る魔力が右腕へと集束していき、足音の主が茂みから姿を現し勢いそのままに襲って来たところに強烈なカウンターをブチかます。


二メートル越えの巨体を軽く押し返す程の強烈な一撃にリュウの強さを再確認させられ感嘆と共に溜息が漏れる。


「ちとばかしやり過ぎたか。ハジメの事を笑ってたが、俺も気合いが入り過ぎてたみたいだわ。」

「人のこと散々笑ってたくせになんだよ。まぁいいや、新装備の調子はどう?」

「悪くねぇ、今まで以上のチカラが出せるから思いっ切りぶん殴れる。」


調子を確かめる様に拳を握るリュウの姿に安心しながら、襲い掛かってきた大猿から魔石を回収しようと前に出れば、飛び出す様に駆ける小猿が落ちていた魔石を拾い上げ脱兎の如くその場から逃げ出す。


「「「え?」」」

「ちょっ、待てこらぁぁあああ!!」


呆気に取られるメンバーを余所に、すぐさま魔力を練り上げ背を向け逃げ出した小猿に向けて炎弾を放つも、背中に目でも付いてるのかと思うほど器用に避けられ、あっという間に茂みへと逃げ込まれ姿を見失う。


「あっのクソ猿がぁぁぁぁあああ!!せっかくの借金返済の一歩を邪魔しやがってぇぇええ!!」

「ハジメ落ち着けって、あんまり騒いで敵が寄ってきたらマズイだろっ」


冷静さを欠いてしまい、ここがダンジョンであることも忘れ騒いでいればカケルからお叱りを受けて二重に凹む羽目に。


すでに去ってしまった小猿に憎しみを募らせつつ仲間達にからかわれながら、ジャングルの奥地へと進んでいく。



ニートのダンジョン攻略記。

新たな装備を使いこなし、強さを示したリュウ。

可愛らしい見た目と仕草に油断して、戦利品の魔石を奪われた事に激昂するハジメ。

そして、久々のダンジョン攻略は進んでいく。

次回、可愛いあの子に首ったけ。

乞うご期待。

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