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第6話 魔人襲来とドン・バーンの予想

〜〜〜

カイトたちが魔人襲撃に遭う少し前のこと、、

裏でこんなやりとりがあった。

〜〜〜



そこは薄暗い部屋の中。おそらく書斎だろう。そこに男が格式高い書斎机に居座っている。

手元には、この時代には珍しい精密に書かれた地図が、それと羽ペン。

そこへ、この男の部下らしき者が一人、重たい扉を押して音も立てずに入ってきた。


「失礼します。、、、それで、どうなされるんですか?R《リチェイン》・ユーリアン様。」

部下に問われたその男は『リチェイン・ユーリアン』という名を持つ。

彼はグレード教最高幹部『No.5』の一人。

電気属性の能力をもった権力者で、スモールバック山脈北部含む周辺地域の管轄を任されていた。


「、、、。私のユーリアン家のガブリエルがへまをして、グリーニィ国から追放されたようだな」

「ええ、その通りです」

「しかも、そのグリーニィ国が現在、レアストーンを中心とする巨大産業で経済が潤っているようだな」

「まさしく」

「で、そいつらが強力な軍隊を秘密裏に所持しているんだな?」

「ええ」

「それは誠か?」

「すべて報告書に記載された通りです」

リチェインは頭を抱えたあと、静かに、こう言った。

「早めに潰した方がいいな」

部下が慌てて付け足す。

「しっ、しかし、、、グリーニィ国は既に周辺諸国に負けないほどの国家です。ですから負担が、、」

「だからだ!!!!ッ」

リチェインはそう叫んだ後、説明を加える。

「あの国は発展しすぎた。そのせいで我々のグレート教が衰退しつつある。そして世界平和もだ。」

「今までこの世界はグレード教によって平和が保証されていたんだ。」


〜〜〜

そう。まさに彼の言うその通りであった。

この世界は人間が住む人間領と魔人が住む魔人領の二つに別れている。

そして、人間領では絶対神グレートを中心とするグレード教が最大権力を持っていた。

人々はグレード教を信じ、税を納め、貢献する。

その代わり、グレード教はその絶対的な力を行使して、人々の争いごとを治めていた。

「絶対的な力」が一つだ(・)け(・)あったからこそ、争いごとは無かった。

そう、「『一つ』だけ」なのだ。

人々は自分たちを守るグレード教を信じていたし、またあまりに強すぎて逆らえなかった。

人間領において、グレード教が右といえば右。

グレード教の勢力は、いわば人間領の警察にあたるものであった。

それがこの世界のルールであったのだ。

しかし、、、

〜〜〜


「この国家の出現で一部の人々は、経済とか、金とか、利潤がどうだとか、、、、そんなくだらないことにしか気にしなくなってしまった。信仰とか愛とか、、、その『幸せ』の形は彼らにはもう存在しない。」

リチェインは嘆き続ける。

「早めに潰さないと、本当に取り返しがつかなくなる。人々の信仰もグレード教から離れてしまうッ!」

「確かに、、、それは問題ですね、、」

部下が相槌を打つ。

「人々からの税無しには我々グレード教は成り立たない。彼らの信仰心と愛によって支えられている。」

だがら、早めに手を打とう。

リチェインはそう決心した。

「わかりました、、。交戦するんですね?他の『No.5』に許可を取っていますか?」

部下が心配そうに聞いてくる。

「ああ、一応、伝書鳩で連絡は入れた。だが、交戦するとして、私直々潰しに行くわけにはいかない。」

理由は簡単だ。あの国家の人々にグレード教に対して不信感を抱かせてはいけない。

「では、、どう対処するつもりなのですか?」

誰にも話すなよ、、、、とリチェインは部下に囁きながら、

「グレード教は世界平和を守るため、秘密裏に魔人領ネットワークへ参入している。

 その地で我々は魔人の国家と同盟を結んで争いが起きないようにしている。

 その魔人の友好国から軍隊を貸して貰えばいい。

 また、このことはグレード教のごく一部の者たちしか知らない。

 魔人たちが攻めてきて、グレード教の仕業だとは誰も思わんよ、、」


「左様でございましたか、、感服いたしました、、」

部下が感心する。


するとリチェインから、

「今回の遠征は主に魔人が参加するが、総大将をお前にやらせようと思う。『ドン・バーン』、やれるか」

と提案され、その部下は頭を下げる。

「ハッ! この、ドン・バーンの名にかけて、我グレード教と世界平和を保障します!!」


===


そして、その部下「ドン・バーン」を総大将として、魔人を連れた武装集団は、グリーニィ国へ馳せるのであった。


が、

やはり、目にしてしまった。そのチートとも思われる軍事力を、

グリーニィ国の城壁の上で、

「細長い何か」をこちらへ向けて、構えている軽装の兵士たちが、

数十人。


ドン・バーンの恐れていた、「最悪な予感」が的中した。



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もう第二章の交易ルート開拓編が終わっているなんて、、、(たった1話、、)

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